人外になった者   作:rainバレルーk

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このキャラいれるから新しいタグ入れようかな?

どうしよう・・・?

―――編集・統合しました―――



首領と魔女と人外達と・・・

シェルスサイド

 

 

バババババババ~

 

 

え~と・・・あれから私はドイツからアキトの運転するバイクの側車に乗っけてもらって移動中・・・

でもまさかアキトがあの「アーカード」だったとわね・・・見た目は普通の人間と変わりないんだけど・・・容姿も中々整ってるし///・・・

 

 

「寒くはないかい?シェルス?」

 

「え!?だ、大丈夫よ!私は平気」

 

「そう?ならいいんだけどね」

 

「ところで、アキト?何処に向かっているの?」

 

「あん?まぁ着いてからのお楽しみってことで♪」

 

 

・・・不安だわ・・・あの博物館の事件からアキトと行動をともにしているけど・・・私、アキトの事全然知らないし、アキトはあのアーカードだし、妙に私に優しいし、アーカードだし、というか「ご同類」ってなに?私が子供体型になった事と何か関係あるのかしら?

 

 

「シェルス?まだ目的地まで大分かかるから寝てたら?」

 

「え!でも――」

 

「今は夜中なんだ、子供は寝ている時間だよ♪」

 

「なっ!?なんて事言うのよ!私は子供じゃあ――」

 

「お休み♪可愛い可愛いご同類さん?」ナデナデ

 

 

私が彼に文句を言い終わるまえに、私の頭を優しく優しく撫でてくれた・・・なんだかとっても・・・

 

 

「く~・・・zzz ・・・」

 

「ハハ♪寝顔も可愛いなぁ♪」

 

 

 

サイドアウト

 

 

 

 

ノーサイド

 

 

 

シェルスを乗っけたバイクは東へ南へと進んでいき、ある国に着いた・・・

 

 

バババ~キキィ

 

 

「確か・・・ここら辺なんだっけ?」ペラ

 

「ん・・・んみゅ?アキト・・・?」

 

「おん?おはよう♪シェルス♪よく眠れたかい?」

 

「ん・・・中々の・・・振動だったわ」

 

「それはそれは、どうも♪」

 

「褒めてない・・・それで着いたの?」

 

「あぁ♪着いたさ♪ようこそ!シェルス!水の都ヴェネチアへ!!!」

 

 

 

ババァーーーーーーン

 

 

二人の目の前には朝日に染められた美しい街並みが広がっていた・・・

 

 

「うわぁ~・・・綺麗・・・」

 

「さて、場所もわかったところで・・・行きますか」

 

 

ギュルルン  バババババババ~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二人の乗ったバイクは街並みの中に入っていき、ある邸の門の前に止まった・・・

 

 

キキィ

 

「着いたよ♪」

 

「・・・ホントにここ?」

 

「おん?そりゃあどういう意味だい?」

 

「べ、別に」

 

 

この時シェルスは思った

 

 

「(こんな豪邸を構えるアキト、いえアーカードのスポンサーって一体?)」

 

 

ジリリリィィーーーン

 

 

「呼び鈴ならして、もしも~し?・・・出ないな・・・」

 

「今は朝の7時よ?あまりにも早すぎるんじゃあないの?」

 

「しょうがねぇ・・・」グッ

 

 

アキトは門の前に立つと片手の拳を振り上げ――

 

 

「ちょっ、ちょっと!?アキト!?」

 

「とっとと開けやがれ!コノヤロウがぁぁっ!!」

 

 

ブンッ

 

――降り下ろした!

 

 

 

 

 

 

ドッグワワァァァァァァァァァァァァァァァァァァッン!!!

 

 

朝のヴェネチアに轟音が鳴り響く

 

 

「ア、アキト!?なんて事してんのよっ!?」

 

 

邸の鉄の門は綺麗に木っ端微塵になった

 

 

「よし!これで通れ――」

 

「て、敵襲ーーー!!」

 

 

ガチャチャチャチャチャチャ

 

 

アキトが門をぶっ壊したおかげで黒服の男達にサブマシンガンを向けられている

 

 

「ちょっ、ちょっと!アキト!どうすんのよ!コレ!」

 

 

シェルスはアタフタと慌てたが・・・

 

 

「よぉ!皆さん!good morning !」

 

 

アキトは呑気に挨拶をしていた、すると・・・

 

 

「まったく・・・朝のこの時間になんて事してるんですか!もうっ!」

 

 

黒服の男達を掻き分けて来た人物が言った

 

 

「ハハハ♪スマネェなロレさん、あんまりにも出迎えが遅いもんで」

 

「遅くはないでしょう!まだ呼び鈴を鳴らして一回しかたってないでしょうが!」プンプン

 

「ゴメンゴメンってロレさん」

 

 

アキトはその人物に怒られていた

 

 

「な、な、!」

 

「あら?こちらのお嬢さんは?」

 

「あぁこちらが電話で話した可愛いご同類さんだ♪」

 

「まぁ!こちらが!私の名前はロレンツォ、どうぞよろしく!異国のお嬢さん?」

 

 

シェルスはその人物と握手をしたのだが・・・

 

 

「ん?どうかしましたか?」

 

「ふ、袋ー!?」

 

 

シェルスはその人物の風貌に驚いた

その人物は頭に麻布袋を被り、着物に袴という何とも珍妙な格好だったからだ

 

 

「まぁ、驚くわな」

 

「ふふ♪驚いてもらってって!?この子!裸にコートじゃないですか!?アキトにこんな趣味が!?」

 

「いや、ちげーよ!!ドイツからその・・・シェルスは裸だったんだよ!」

 

「アナタ!異国で年端もいかない子供をひんむいてここまで来たんですか?!」

 

「私は子供じゃあないーーー!!!」

 

 

朝から邸の玄関先でギャアギャア騒いでいる三人の前に――

 

 

ドッギューーーン!

 

 

一発の銃声が響いた!

 

 

「キャッ!?な、何っ!?」

 

「朝からギャアギャア喧しいぞ!」

 

 

邸からメッシュがかった女性がピストルを向けながらやって来た

 

 

 

「おん?おはよう♪ガブさん♪」

 

「なんだお前かアキト、ん?そっちがお前の言ってたお嬢さんか?」

 

「あぁ、その通り――」

 

「そんな事より!この子に何か服を着させてあげないと!」

 

「コーデはロレさんに任せるよ♪ところで「首領(ドン)」と「あの人」は?」

 

「ドンとあの人なら広間で朝飯を召し上がってますよ?」

 

「そっか、なら俺は先に広間に行ってるよ♪シェルス?あとはこのロレさんとガブさんに服を選んでもらってね♪」

 

「おっ?私もか?」

 

「ちょっ、ちょっと!?アキト!?」

 

「それじゃあ楽しみにしてるよ♪じゃあシェルス?また後で♪」

 

コツコツコツコツコツ   ガチャ

 

 

アキトはシェルスを置いて邸の中に入っていった

 

 

「え!アキト~?」

 

「さて、お嬢さん♪早速貴女のコーディネートーをしていきましょうか♪」ガシッ

 

「フッフッフ♪楽しくなってきたな♪あぁ後、私の名前はガブリエラだよろしくな♪」ガシッ

 

 

袋とメッシュに連行されていくシェルスは思った

 

 

「(一体どうなんの!?私!?)」

 

 

 

―――――――

 

 

 

コツコツコツコツコツ

 

シェルスと別れたアキトは広間に向けて前進していた

 

コツコツコツコツコツ

 

 

「おん?ありゃあ・・・?」

 

「あぁ?テメェは・・・」

 

「おはようございます、アキトさん?」

 

 

 

アキトは広間の扉の前に立つ二人の女性に出会った

 

 

「おはよう♪「オクロック」に「ガントレット」」

 

「ったく、朝から騒ぎを起こしてんじゃねぇよアーカードさんよぉ!」

 

「騒ぎぃ?いつそんなもんを起こしたんだぁ?ガントレットさんよぉ?」

 

「さっきだ!さっき!テメェはそんな事も覚えられない鳥頭なのかよ?あぁん?あと、その名前で呼ぶな」

 

「ゴメンねぇ?俺って興味ない事は覚えないの、わかったぁ~?ガントレットちゃん?」

 

「「ハハハハハハハハハ・・・テメェ!表に出やがれ!」」

 

「やめなさい、二人とも・・・ハァ・・・なんでこうも会うたびに喧嘩をするんですか・・・」

 

 

アキトとメンチをきりあっている茶髪の女性はヘレン・ヴィニアー、二人の喧嘩に呆れている黒髪の女性はエーヴェル・サリバンである

 

 

「ハハ♪そんなの仲がいいからに決まってんじゃん!」

ギリギリ

 

「誰がテメェなんかと!」ギリギリ

 

「取っ組みあってるところ失礼ですが、中で御嬢様がお待ちですので」

 

「わかったよ、ありがとうねオクロック」

 

 

アキトはヘレンとの取っ組み合いをやめ、扉へとあしを進め――

 

 

コツコツコツコツコツ      ガチャ

 

 

広間の中へと入っていった・・・するとそこには

 

 

「シャ~シャシャシャ♪おはようであろー!アキト!」

 

「おはよう♪アキト♪」

 

 

金髪のスタイルのいい美女と黒いマントを羽織った白いヤギがいた・・・

 

 

「おはよう♪ドン、ついでにウィッチー卿」

 

「酷いなアキト?ボクはついでかい?」

 

「ククク♪悪い悪い冗談だよウィッチー卿」

 

「もう、アキトは意地悪なんだから」ムス

 

「シャ~シャシャシャ♪いいではないかウィッチー♪」

 

「ドンも元気そうで何よりだよ♪」

 

「お主も元気そうで何よりであろー♪」

 

「Mr. ヴァレンティーノ?ボクのアキトと仲良くするなんて、ちょっと妬けちゃうな~」

 

「誰がお前のもんだ、誰が」

 

「シャ~シャシャシャ♪」

 

 

三人?は意味のない会話を弾ませていた・・・

 

 

「ところでアキト?ドイツでの収穫は?」

 

「あぁ・・・それなんだがな・・・収穫はゼロのようでそうじゃないような」

 

「回りくどいであろー、もっとはっきり言うであろー」

 

「あぁと・・・えぇと・・・その・・・」

 

 

アキトが説明に戸惑っていると――

 

 

ガチャ

 

 

「ド~ン!お待たせしましたぁぁぁ!!」

 

「うるさいぞ」

 

「アハハハ・・・」

 

 

シェルスの服のコーディネートが終わったロレンツォとガブリエラが入ってきた

 

 

トコトコトコ

 

「ほぅ?この娘が電話で聞いた子供であろー?」

 

「えっ!?えぇ!!や、ヤギが喋ってる!?」

 

「中々に可愛い子じゃあないか?アキト?」

 

「えっ、えぇと・・・」

 

「ハハハ♪そんなにジロジロ見てやるなよ二人とも?ツーか・・・」

 

「うぅ///恥ずかしい・・・///」

 

 

説明しよう!今のシェルスは黒いゴスロリを着ているのだ!それをアキトは――

 

 

「ディモールト(とても)・・・ディモールト・ベネ(とてもいい)!!!ロレさんガブさんマジGJ!!」

 

「ば、バカぁ!///」モジモジ

 

「それで?アキト?収穫というのはこの娘の事かい?」

 

「Yes !このシェルスは俺と同類の・・・「選択者」だ」

 

一同「「「な、なんだってーーー!?」」」

 

「え?えぇ?」

 

「へぇ?これは興味深いね?」

 

「ハハハ♪」

 

皆が笑う中、シェルスだけがポカンとしている

 

 

「選択者?何それ?」

 

アキトの言ったことについて一同が驚いている事にシェルスはポカーンとしていた

 

 

「ではこの娘もアキトのように背中に翼を生やせるのであろーか?」

 

「だったらコイツも不死身なのか・・・」

 

「どうしましょう?!ドン!」

 

「ちょっと!ちょっと!私を置いて話を進めないでよ!」

 

 

ドン達は慌てていた

 

 

「ねぇアキト!どういう事なのか説明してよ!」

 

 

シェルスはアキトに詰めよった

 

 

「待て待て!シェルス!説明するから落ち着けよ!そうだなぁ・・・どう説明したらいいもんか・・・そうだ!ガブさん?銃かしてよ?」

 

「あぁ?・・・!そうかそうか大丈夫だぞ?アキトの手はわずらわせん♪」チャキ

 

「え?」

 

 

ガブリエラはアキトに銃を向けると・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズキューン

ズキューーン

ズキューーーン!

 

 

 

アキトの頭に三発の鉛弾をぶちこんだ!

 

 

「アキトっ!!!?なんて事を!?」

 

 

アキトは後ろに仰け反ったが・・・

 

ガッ

 

「イッテェぇぇっ!相変わらずイキナリすんじゃないよ!!ガブさん!!!」

 

 

アキトは平気そうに撃たれた頭を押さえながら、デコピンをくらったリアクションで姿勢を戻した

 

 

 

「ガブリエラはイキナリ過ぎるであろー、ビックリするであろー」

 

「まったくです!この返り血を誰が処理すると思ってるんですか!」プンスコ

 

「しかし、アキト?一応大丈夫?」

 

「ありがとうよウィッチー卿・・・とまぁこういう事、ってあれ?大丈夫?シェルス?」

 

「あ、あ、あ、あ、あぁぁ!?アキト!大丈夫なの!?」

 

「大丈夫大丈夫って、返り血が付いちゃったね、また着替えないと」

 

「そんな事どうでもいい!ど、どうしてそんなに平気そうなの!?アーカードのあの状態ならまだしも!その状態で!な、なんで!?」

 

「まぁ平気だよ?ングッペッ」カランカランカラン

 

 

アキトは弾丸を口から吐きなが答えた・・・

 

 

「シェルスも俺と同じ体の構造になっていると思うけど?」

 

「ぇぇ!?わ、私も!?」

 

 

アキトの衝撃的な告白をして驚きを隠せないシェルス

 

 

「立ち話もなんだし、座って話そうか?」

 

 

 

ガタ  ガタタ

 

 

「さてどこから話したものか・・・」

 

「・・・質問なんだけど」

 

「なんだい?シェルス?」

 

「私も貴方のように・・・その・・・不死身なの?」

 

「そうなんじゃないの?」

 

「そ、そんな適当な!」

 

「ゴメンゴメン、適当な事を言ってるわけじゃなくてね?俺にもわかんないのよ」

 

「わかんないって!それじゃあなんで私が貴方と同類だとわかるのよ?!」

 

 

シェルスはアキトの胸ぐらを掴み、迫った

 

 

「・・・シェルス?君は博物館であの腐ったヤツをどうやって「殺した」?」

 

「っ!!!そ、それは・・・」

 

 

シェルスは博物館であったことを思い出した・・・

シェルスはあの腐れ准将をどうヤったのかを思い出した!

 

 

「・・・私は・・・メルサの血液を指先で・・・全部・・・「吸った」・・・」

 

「そう・・・君は人間をやめたんだよ、そして俺と同じ人外になったのさ」

 

「人外・・・私が・・・」

 

 

シェルスはアキトの告白と自分が人間をやめていた事にショックを受けていた

 

 

「そう、正確に言うと君は俺と同じ吸血鬼のタイプの人外なんだよね」

 

「吸血鬼って・・・!で、でも吸血鬼って太陽の光りが弱点よね?!」

 

「そうだよ?」

 

「だったらなんで私は太陽の光を浴びても平気だったの?!これじゃあ矛盾してるじゃないの!」

 

 

シェルスは当然の疑問を投げ掛けた

 

 

吸血鬼・・・それは闇に住まう高貴なる存在、太陽を恐れ、ニンニクを嫌い、銀に弱いと言う様々な弱点をもつが、その代わりに人間を圧倒的に凌駕する力を持つ怪異の王

 

 

しかし、シェルスはこの邸に来る前に外で朝陽・・・つまりは太陽の光りを一身にあびていたのだ!

 

 

「ククク♪そうだろうね?疑問に思うのは当然さ、でもこれが真実なのさ♪君は太陽の光りを・・・吸血鬼としての弱点を克服した吸血鬼なのさ♪」

 

 

アキトはさもコメディ映画の感想を語るようにシェルスに説明した

 

 

「そ、そんな・・・バカな事って・・・」

 

「シェルス?君はあの博物館であったことを覚えているかい?自分が人外になった瞬間を?」

 

「人外になった瞬間?・・・・・・あぁ!た、確か幼い女の子の声を聞いたわ!「力が欲しいなら仮面を被れって」・・・まさか!」

 

「そのまさかさ、その仮面・・・「石仮面」が君を変えたのさ」

 

「・・・・・・・・・」

 

 

シェルスは愕然とした!今までの人生の中でこれほど驚愕させられた事がないくらいに!

 

 

「しかし、不思議だね?」

 

「何が不思議であろー?ウィッチー?」

 

「石仮面を被った者は吸血鬼になる事は知っていたが、その吸血鬼達は太陽の光りには弱かった筈なんだけど?」

 

「・・・え?どういう事?」

 

「そこだよ!ウィッチー卿!」ガタ

 

「うわっ!?どうしたんだよアキト?」

 

「彼女、シェルスは選んでこの力を手に入れたのさ!」

 

「私が・・・選んだ・・・?」

 

「Yes !シェルス、君はたぶん覚えてないかもしれないが君は自ら選んでその力を手に入れたんだよ!だからこそ、君には吸血鬼の弱点がないのさ!」

 

「・・・私に力を与えたヤツって一体誰なの?」

 

「それは・・・俺にもわからない・・・俺も謎の声から選択されて、力を手に入れたからね」

 

「そう・・・なんだ・・・」

 

 

広間になんとも言えない空気が支配した・・・

 

 

「のう?アキトの同類?」

 

「何?喋るヤギさん?」

 

「なぜ?お主はその力を選んだのであろー?」

 

 

喋るヤギもとい、ドン・ヴァレンティーノはシェルスに素朴な疑問をした

 

 

「・・・皆、私はね――」

 

 

シェルスはそこから自分の生い立ちから今に至るまでを話した・・・

 

孤独だった頃を

 

始めて家族というものを感じた頃を

 

仲間と過ごした楽しき頃を

 

家族を傷つけられた悲しみと憎しみな頃を

 

そして・・・仇を討つためにテロリストになった時の事を

 

 

「とまぁ、こういう流れって、ちょっとどうしたの!?皆?!」

 

 

シェルスが全部を話した頃には広間にいた全員が泣いていた

 

 

「あぁぁぁぁろぉぉぉー!なんて不憫な事であろー!」

 

「ド~ン!涙を拭いてくださいぃ~!」

 

「師匠もだぁぁぁ~!」

 

「オヤジさんの為に仇を討つか・・・泣かせるじゃないか」

 

「・・・シェルス・・・」コツコツコツ ダキッ

 

「え!?///」

 

 

アキトはシェルスに近づくと有無も言わさずに抱き締めた

 

 

「ちょっ、ちょっと!?アキト!?/////」アタフタ

 

「・・・よく頑張った・・・よく頑張ってここまで来た」

 

「え?」

 

「もう・・・無理する事ない・・・君はよく頑張ったな~」ナデナデ

 

 

アキトは優しく何度も何度もシェルスの頭を撫でた、すると・・・シェルスの目から雫がポタリポタリと流れていった

 

 

 

「あれ?なんで?なんでこんなに涙がでるの?ねぇなんで?」ポロポロ

 

「さぁ?それは君が・・・頑張ってきたからじゃないの?」

 

「そっか・・・そうだよね?私頑張ったよね?頑張ってきたよね?」

 

「あぁ、シェルスはよく頑張った・・・だから・・・「もう一人で抱え込む」んじゃあない」

 

「うぅ・・・グスッ・・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁっん!!」

 

 

シェルスは泣いた・・・人目を気にする事なく泣いた・・・ボロボロと大粒の涙を流しながら・・・

それをアキトは優しく優しく、撫で続けた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5分後・・・

 

 

シェルスは泣き止み、これからの事を話していた・・・

 

 

「シェルスと言ったかの?改めて自己紹介をするであろー!ワシの名前はドン・ヴァレンティーノ!ヴァレンティーノファミリーのボスをしておるであろー」

 

「ボクの名前はヴァイオレット・ウィッチー、「ゴシップ(醜聞)」の総帥をしているよ」

 

「私はシェルス・ギッシュ・・・元ドイツ軍IS操縦者よ」

 

「シェルス・ギッシュですって!?」

 

「ロレンツォ!知ってるであろー?」

 

「シェルス・ギッシュと言えば!第一回モンド・クロッソであのブリュンヒルデを追い詰めた!あの「クィーンズナイト」の異名を持つ!人ですよ!ドーン!!!」

 

「ほへぇ~、中々有名人だったんだ?シェルス」

 

「もう昔の事よ・・・「クィーンズナイト」のシェルス・ギッシュはもういないわ」

 

「そっか、ならシェルス・・・君を歓迎しよう!ようこそ!こちら側の「世界」へ!!!」

 

「改めてよろしく!暁アキト!」

 

 

この日・・・シェルスは表側の世界とはかけ離れた、裏側の世界へと仲間入りを果たしたのであった・・・

 

 

「さて!歓迎会の食事をするであろー!」

 

「歓迎の食事と言っても朝食になるけどね」

 

「それを言うなよウィッチー卿」

 

「なら今日は朝から晩まで歓迎の日にするであろー!」

 

「さすがです!ドーーーン!!!!!!」

 

「ハハハハハハハハ♪」

 

「どう?シェルス?楽しいかい?」

 

「かなり♪」

 

「そいつは良かった♪」

 

 

 

中々に騒がしい歓迎会が始まりそうだ

 

 

 

 

 

 

 

←続く

 




今日はここまで!

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