シリアス書きたい・・・
シリアル書きたい・・・
ノーサイド
ウィッチー邸での朝食を食べ終えたアキトは血まみれの上着をオクロックに渡し、シャルロットを学園まで送ると「上着を取りに行く」と言う名目でウィッチー邸に引き返した・・・
広間にて・・・
ガチャリ・・・
「ただいま~・・・ってのは可笑しいか・・・」
「可笑しくはないよ?アキト」コクリ
テーブルで紅茶を啜りながら、ウィッチーはアキトの独り言に答えた・・・
「なんだ、居ましたかウィッチー卿」
「「なんだ」とはヒドイな・・・アキト、君がボクの家に婿に来てくれれば、ここは君の家になるんだけど?」
「あ~・・・その話なら考えておくよ・・・俺にそんな資格があるかどうかだけどね・・・」チラリ
アキトはそう言いながら、「片足義足姿」のウィッチーを見た・・・
「・・・まだ・・・歩けないのか?」コツコツコツ・・・ストン
そう言いながら、アキトは車椅子に座るウィッチーに近づき、膝まずいた・・・
「練習はしているんだけどね・・・彼女、シャルロットちゃんは?」
「無事に送り届けたよ・・・トマトジュースかなんか無い?」
「あるよ?取ってこようか?」
「・・・ガントレットやエーヴェルは?」
「ちょっと仕事を頼んでいてね・・・」
「そうか・・・手伝おうか?」
「うん・・・頼むよ・・・」ガシッ
ウィッチーはアキトの肩に掴まると立ち上がって、キッチンの冷蔵庫まで歩いていった・・・
コツ コツ コツ コツ コツ コツ・・・
「よいしょっ、よいしょっ、よいしょっと」
「大丈夫か?ウィッチー卿?」
歩みは遅いが、着実に一歩一歩・・・
コツ コツ コツ コツ コツ・・・コツリ
「着いた・・・やっぱり義足で歩くのは疲れるね・・・ノアちゃんに作ってもらった義足なのになぁ・・・」
「・・・ウィッチー卿も飲むか?トマトジュース」
「うん・・・頂こうかな♪」
アキトは冷蔵庫からトマトジュースをとると、ウィッチーをお姫様抱っこして、車椅子に座らせた・・・
コクリ コクリ
「プハ~・・・美味しい・・・」
「確かにね・・・コイツは旨いよ」
「君には血のほうが良いんじゃない?」
「い~や、トマトジュースにはトマトジュースの旨さがあるからな」
「ふ~ん・・・よくわかんないや」
「ニョホホホ♪さよか・・・」
「それよりアキト、フランスの二人からの報告文が来たよ」
ペラッ
そう言いながら、ウィッチーは書類をアキトに渡した・・・
「・・・俺が報告文を読む前に質問いいか?」
「なんだい?アキト?」
「・・・いや・・・なんでもない・・・報告文をくれ」
ペラリ
アキトは報告文を読んだ・・・そこには・・・
――報告――
フランス政府をゴシップの情報で脅迫し、外部に情報が漏れなくした上で、デュノア社に政府査察の名目で潜入・・・
先に現地に入っていたパッショーネの構成員とともに会社内のホムンクルスを破壊し、会社を制圧
だが会社内のホムンクルスの一体がこれに気付き、核鉄を持って逃走・・・
P.S
制圧後にわかった事だが、デュノア社の社長「アルベール・デュノア」は2ヶ月前にホムンクルス達に補食されていた・・・
社長を補食したのは核鉄を持って逃走したホムンクルスと同一・・・そのホムンクルスの名前は「キャロライン・デュノア」・・・
現在、行方不明・・・
・・・と書かれていた。
「・・・」ビリッ
アキトは無言のまま報告文を破り・・・
「アキト・・・?」
「・・・糞っ!クソッ!!くそっ!!!」ガンッ
テーブルに破った報告文を叩きつけた・・・
テーブルにはヒビが入り、アキトの手は血が滴った・・・
「アキト・・・」ギュッ
「・・・悪い・・・少しイラついた・・・」
ウィッチーはアキトの手を両手で包み込むと、アキトは落ち着きを取り戻した・・・
「しかし・・・シェルスやガブさんの攻撃を避けたか・・・油断ならねぇな・・・」
「それよりもアキト・・・どうするの?」
「なにがさ?」
「シャルロットちゃんにこの事をどう伝える気なの?」
「・・・それは・・・」
ウィッチーの発言にアキトは口ごもった・・・
「・・・どうにかして伝えるよ・・・一応、俺が請け負った仕事だからな・・・あと」
「ん?」
「ガントレットにオクロック・・・貴様ら見ているな!」
アキトは近くの壁に指を突きつけると・・・
「ッチ!見つかったか!」
「だから止めておくように言ったんですよ」
「ウッセェ!エーヴェル!お前こそノリノリだったクセに!」
「お前らなぁ・・・」スクッ
アキトは頭を抱えながら、椅子から立ち上がった・・・
「おや?帰るのかい?」
「あぁ・・・あんまり遅くなると、怒るヤツがいるんでな・・・」
「結構モテモテだねアキト?シェルスにチクるよ?」
「止めてくれ・・・」
「フフ♪冗談だよ冗談」
ウィッチーは悪戯っぽい顔をアキトに向けた・・・
「ヤレヤレ・・・」
「待ってよ、アキト」
「今度は何?」
「上着を忘れていくのかい?」
「あ・・・そうだったな」
「バ~カ、バ~カ!」
「うるせぇ、ガントレット」
「フフ♪エーヴェル?」
「はい、御嬢様・・・」コツコツコツ・・・
ウィッチーに呼ばれたエーヴェルは「2」着の服を持ってきた・・・
「おん?俺2着も預けてたか?」
「違うよ・・・1着はボクからの贈り物だよ」
「へぇ!ありがとうウィッチー卿!」
ウィッチーから贈られた服は緑と白の網目柄であった・・・
「また来てよ?アキト?」
「あぁ、じゃあな「ヴァイオレット」」
「っ!?」
「オクロックもガントレットもじゃあな!お邪魔しました~」
コツコツコツ・・・ガチャン・・・
そう言いながら、アキトは学園に帰っていった・・・
その一方、ウィッチー邸の主はと言うと・・・
「ズルい・・・ズルいよアキト・・・最後に名前で呼ぶなんて///」
顔を林檎のように赤くしていた・・・
だが人外は魔女が赤くなっているのを知らないのももちろんだが、学園も大変な事が起きていたのも知らなかった・・・
←続く
更新速度遅くなります・・・悪しからず・・・