人外になった者   作:rainバレルーk

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―――編集・統合しました―――



ドイツと蟲と吸血鬼と人外と・・・下

 

 

 

シェルスサイド

 

ズルズル

 

「ハァ・・・ハァ・・・クッ・・・」

 

ズルズル

 

 

私の名前はシェルス・ギッシュ・・・元ドイツ軍中尉。

 

昔の私はストリートチルドレンだった。

 

親もなく、兄弟もなく、たった一人でその日食べものを探している日々・・・あの日までは・・・

 

 

「おい?お前?大丈夫か?」

 

11のある秋の日、そう声をかけてくれたのは40前後の男。

 

 

「まったく、痩せ干そっているじゃあないか?ん?なんか食うか?」

 

最初はこの男がそこら辺にいる変態だと思い、そいつから逃げた。けど・・・

 

 

「まぁ待て?俺も一人だ?一緒に飯ぐらい食わないか?」

 

なかば無理矢理にその男に飯を食わせてもらった。

 

その男の名前はエイブラ・バルト・・・私の、いや私達のオヤジになってくれた人だ。

 

私は紆余曲折あって、オヤジさんの援助を受ける事になり、その恩返しのために軍に入った・・・そこで仲間と出会い、絆を深めていった。

 

 

楽しかった・・・本当に楽しかった・・・

幼い頃の孤独を埋め合わせるような、そんな楽しい日々だった。

 

 

ISと呼ばれる、あの兵器が出てくるまでは・・・

 

 

ISが軍に入ってからは今までの状況が変わった。

 

私はISのドイツ国家代表となり第一回モンドクロッソにも出場し、好成績もだした。

だけど・・・

 

軍の内部は女尊男卑主義のヤツらによって腐っていた。

 

私はそんな軍を変えるためにISを降り、軍内部の環境を変えようと尽力した。

だが、ヤツらは私を排除しようと姑息な手を使ったきた。しかし、そんな私を救ってくれたのはオヤジさんだった。

 

オヤジさんも私と共に軍の環境を変えようとした。

でも・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オヤジさん・・・エイブラ中将は軍の演習中に撃たれ、物言わぬ屍となりはてた。

 

犯人はメルサ・スタッシュ。

ヤツは上層部の利権主義者達にエイブラ中将の再起不能を頼まれていたのだ。

 

 

私は上層部に直訴したが、これを軍は却下。

あとは、知っての通りだ・・・

 

 

 

 

 

 

 

―――――――

 

ガチャ   キィィィ・・・

 

 

ズルズルズル

 

 

「ハァ・・・ハァ・・・ハァ」ドサッ

 

 

もうだめね・・・歩く力も残ってないわ・・・

 

「ゲフッ・・・ゲフッ」

 

骨が肺に刺さってるから、息も出来ない・・・

 

・・・私もう・・・

 

 

――ねぇ?――

 

 

・・・・・誰・・・?

 

 

――良かった、私の声が聞こえるのね――

 

幻聴まで聞こえてきたか・・・・・

 

――もう、幻聴じゃ無いんじゃないんだけどな~――

 

まぁいいか・・・声からして可愛い女の子のようだし・・・最期にはいいかもね・・・

 

――フフ♪嬉しい!そんな事言われたの初めてよ・・・ねぇ?貴女って恋人はいないの?――

 

恋人?・・・生憎・・・私ってモテた事がないのよね・・・

 

――ふ~ん?そうなんだ、美人なのに。・・・ねぇ?貴女はこんな終わりかたでいいの?――

 

・・・いいわけない。でも・・・もう私に戦う力は・・・

 

――・・・あげましょうか?――

 

・・・え・・・?

 

――貴女がよかっているガラスケースに仮面があるでしょ?――

 

チラリ

 

仮面・・・これ・・・?

 

――そう!それ!それを被るのよ!それを被れば貴女に力を与えてあげる――

 

・・・力・・・

 

私は少女の声に導かれるように仮面を手に取る。

 

――さぁ!力を欲するなら被りなさい!そして私を楽しませて!――

 

私は・・・・・・仮面を被った・・・血に濡れた石の仮面を・・・

 

 

サイドアウト

 

 

 

―――――――

 

 

 

インサイド

 

 

 

廃墟で力を与えてくれたあの謎の声に導かれ、俺はドイツの博物館に来た・・・「石仮面」を手に入れるために。

でも・・・

 

 

――あっちゃ~・・・少し遅かったか――

 

俺の目の前には「石仮面」らしきものを被った、血塗れの女性がいた。

 

――ククク♪「アイツ」も選んだのか・・・しかし改造した石仮面を使うとは・・・ククク♪――

 

アイツ?

 

――いや、こちらの話だ気にするな――

 

そうか。

 

俺は仮面を被った女性に近づく。

俺が仮面を剥がそうとすると仮面は独りでに崩れていき、女性の顔が露になった。

 

「・・・美しい・・・」

 

――なんだ?惚れたか?お?お?おぉ?――

 

「・・・そんなんじゃあない・・・只の感想だ」

 

「・・・ん・・・ぅん・・・え?・・・誰・・・?」

 

すると彼女は目が覚めたようだ。

 

「やぁフロイライン?気分はどうだい?人間を止めた気分は?」

 

 

 

-------

 

 

 

ノーサイド

 

 

「やぁフロイライン?気分はどう?人間を止めた気分は?」

 

黒髪の青年はシェルスにそう言って抱き抱える。

 

 

「え?・・・え?!ちょっ、ちょっと!アンタだれよ!?」

 

シェルスはジタバタと青年の腕の中で暴れるが青年は気にせずに抱きかかえる。

 

 

「こんなところで寝ていたら風邪をひいてしまうよ?お嬢さん?」

 

「な、何を言って!(あれ?私ってこんなに手が小さいの?)ってえぇぇ!?」

 

「おぅ?! どうしたよ?セニョリータ?」

 

「ちょっ、ちょっと!私って今どう見える?」

 

「どうって・・・10代前半?」

 

「え、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

シェルスの今の姿は正に小学校高学年のような姿になっていたのだ!

 

 

「そ、そんな・・・ゆ、夢よね?」

 

「ところがギッチョン、夢じゃあない」

 

「そんな~!ッハ!ということは・・・チラ・・・は、裸じゃないの~!///」

 

「大丈夫だ、俺のコートを羽織って?」

 

「あ、ありがとう・・・って!アンタは誰なのよ!?民間人?!なら早く逃げないと!」

 

「ん?どうしてだい?」

 

「ど、どうしてって!!それは―――」

 

ドバァァァーーーン!

 

 

「っ!? き、来た!」

 

 

扉を木端微塵にふっ飛ばしたのはISを纏ったメルサ・スタッシュであった。

 

 

「あら?シェルス~?どこに行ったのかしら?血の跡からここだと思ったんだけど・・・ん?おい!お前!何者だ!」チャキ

 

 

メルサは青年にライフルを向ける。が、青年は落ち着き払った様子で答える。

 

 

「はい?俺はしがない只の民間人ですよ?」

 

「民間人?貴方がぁ?子連れのようね・・・」

 

「め、メルむぐっ!?」

 

 

シェルスがメルサに向かって何かを言いかけようとした時、青年はシェルスの口をふさいだ。

 

 

「ん? 何? 何か言った?」

 

「いや、なんでもないですよ」

 

「むぐー!むぐー!」

 

「ふん・・・まぁいいわ・・・早く逃げなさい」

 

「はい!それでは」スチャ  スタスタスタ

 

 

青年は向きを変え、部屋から出ようとする。・・・しかし!

 

 

「待ちなさい!」チャキ

 

「・・・はい?何でしょう?」

 

「ここに有った展示物はどこにやったの?」

 

「さぁ?俺は知りませんねぇ・・・」

 

「惚けるな!所詮はバカな男ね?私の目が誤魔化されると思った?このコソドロがぁ!」

 

 

メルサは青年にライフルを向けながらそう言った! そう言ってしまったのだ!

 

 

プツゥーーーン

 

「あぁ?テメェ? 脳ミソ腐ってやがんのか?」

 

 

「何?貴様、よほど殺されたいらしいわね?いいわ!だったらお望み通りに!」クイ

 

 

「むー!むー!(マズイ!早く逃げて!)」

 

 

メルサは引き金を引く。

 

 

 

 

ズダァァァーーーン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パシッ!

 

 

「えっ!?」

 

「むぐっ!?」

 

 

青年はライフルから発射された弾丸を片手の人差し指と中指の第二関節で挟んで「止めた」!

 

 

「なっ!?」

 

「プハっ、何ですってー!?」

 

 

二人は驚いた!

そりゃそうだ!

 

 

「おい、テメェ・・・」

 

「ヒッ!?」

 

 

メルサは今!自分の目の前で起きた事に理解できず、怯んでしまった!

なお青年は続ける!

 

 

「下手にでてりゃあイイ気になりやがって・・・」ダキッ

 

「え?ちょっと!」スタ 

 

 

抱えていたシェルスを地面に下ろし

 

 

「ピイチクパアチク!ご託をならべて!終いには撃ち殺そうとしやがって・・・」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ

 

右拳を硬く握りしめ、腕を大きく振りかぶり!

 

 

「え?!ちょっと!まっ――」

 

「ぶっ飛べ!コンチキショウがぁぁぁ!!!」

 

 

思いっきり!ぶん殴った!

 

 

 

ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォッッッンンン!!!!!!!

 

 

「ぐべぴゃあぁぁっっっ!!!?」ドンガラガッシャーーーン

 

 

メルサは顔面を殴られ!壁までぶっ飛び!壁をぶち破った!

 

 

「ガァッ!?は、は、鼻!鼻が!」

 

 

メルサは顔面を押さえながら、陸で悶えくるしむ魚のように跳ねていた。

そして、こうも考えていた。

 

 

「(ど、どうして!?なんで!?ISの絶対防御は完璧じゃないの?!あ、あんな素手のパンチで!どうして?どうして )」

 

「なんで?・・・って顔をしてやがるな?」ザッザッザ

 

「ヒィッ!?た、助けて!貴方のやった事には目をつむから!た、助けて!」

 

「ほぅ・・・それはそれはどうもご丁寧に・・・」ザッザッザ

 

「ね!だから!私を――」

 

「だが断る」ザン!

 

「え!?」

 

「そうだな・・・ねぇ?セニョリータ?コイツどうしたらいいと思う?」

 

「わっ、私!?」

 

「た、助けて!お嬢ちゃん!わっ、私を助け――」

 

 

メルサは小さくなったシェルスに手を伸ばしたが・・・

 

 

「うす汚ねぇ手を彼女にむけるんじゃあない!」バキィィ!

 

「ぎゃぁぁっ!?」

 

 

青年はメルサの腕を容赦なく踏み折った!

 

 

「痛い!痛い!!痛いぃぃぃ!!!」

 

「さて・・・セニョリータ?どうする?」

 

 

再度青年はシェルスに質問をした。

 

 

「・・・(コイツ、メルサは私達の敵!中将の仇!でも・・・)」

 

「その人を離してあげて・・・」

 

「あぁ!」

 

「・・・そっか・・・セニョリータがそう言うならしかたねぇ・・・早く失せな」クル

 

 

青年はメルサから目をそらした

 

 

ズルズル

「ハァ・・・ハァ・・・ありがとう・・・なんて言うと思ったかぁ!このマヌケがぁぁぁ!!」ガシィィ

 

「きゃっ!?」

 

 

メルサはコソコソと逃げると見せかけて、シェルスを人質にとった!

 

 

「ヤレヤレ・・・テメェ、トコトン腐ってやがるな」

 

「喧しい!私はIS部隊の総隊長をやっていて!次期ドイツ軍少将だぞ!その私が何処の馬とも知れないゴミにヤられるわけがない!!」

 

「――っているわね・・・」

 

「なんだぁ?!小娘ぇ!言いたい事があるならハッキリと言い――」

 

「どこまでも腐っていると言ったのよ!メルサ・スタッシュ准将!!!」グサァァァッ!

 

「ぎゃぁぁっ!?!?!?」

 

 

シェルスはメルサの首もとに指を突き刺した!そして!

 

 

ゴキュン!ゴキュン!ゴキュン!

 

 

指先から血を吸い始めたのだ!

 

 

「ああ、ぁぁぁ・・・た・・・助け・・・て」

 

 

メルサはどんどんと体から血を抜かれていく。

 

 

「私はアンタに慈悲も何もかけないわよ?仲間達の・・・中将の仇・・・くたばってしまえ・・・メルサ・スタッシュ!!!」

 

 

ゴキュン!ゴキュン!ゴキュン!!!

 

バタリ

 

メルサ・スタッシュは全身の血を抜かれ干からびてしまった。

 

 

「ハァ・・・ハァ・・・皆・・・中将・・・仇は取りました・・・」

 

「セニョリータ?大丈夫かい?」ザッザッザ

 

「えぇ・・・大丈夫よ・・・ところで貴方は一体?」

 

「おぉっと!これはすまない!――」

 

 

青年はシェルスの目線までしゃがみこむと―――

 

 

「――私の名前は暁・・・暁・アキト・・・気軽にアキトとでも呼んでくれよ?可愛いご同類さん?」

 

―――丁寧に自己紹介をした。

 

 

「暁・・・アキト・・・『ヤパーナ』ね?」

 

「あぁそうだよフロイライン。よくわかったね?」

 

「まぁね・・・ところで貴方は一体何者?」

 

「ご同類さ♪」

 

「だからご同類ってどういう――」

 

 

ドガァァァァァァァァァァァァァァッッッンン!

 

 

「きゃっ!?」クラッ

 

「おっと!大丈夫かい?」ダキッ

 

「あ、ありがとう///(か、顔が近い!)」

 

「さて・・・今日は冷える・・・どこかで温かい物でも食べないか?フロイライン?」

 

 

 

 

 

 

 

―――――――

 

 

 

アキトが博物館内でシェルスを助けていた頃・・・博物館の外では―――

 

 

「KiSyaAAAAAAAAAAAAAaaaaaaaa!!!!!」バッキャア

 

「う、撃て!撃ちまくれ!!」

 

「な、なんなんだ!あの虫はぁぁぁ!?」

 

ズダダダダダダダダダダダダ

バババババババババッ

 

ドイツ軍が巨大百足と戦っていた。

百足はどこから来たかというと、あの巨大水晶から出てきたのだ!

水晶がテロリストやドイツ兵の血を浴びて、孵化→あとはそこら辺の物を食いまくり、7mまで成長→ドイツ軍を襲う。

・・・と、こんな順序で今に至る。

 

 

「KiSyaAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!」バシャアァァ

 

「きゃぁぁぁぁぁっ!!!?あ、ISがと、溶ける!?」ジュワ

 

この大百足、どうやら強力な溶解液を吐くようだ・・・大百足はISの絶対防御を溶かすほどの溶解液をばら蒔きながら暴れまくる!

 

 

「KiSyaAAAAAAAAAAAAAaaa!!!」バシャアァァ

 

「うぉおぅっ!?まったくもって銃が効かねぇ!」

 

「ロケット砲持ってこい!!!」

 

「んなもん持ってきとらんわぁ!アホぉ!」

 

「KiSyYyyyyyyaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!!」

 

ズダダダダダダダダダダダダッ!

 

軍の天幕はてんてこ舞いとなっていた。

 

 

「ハルフォーフ中尉!まったくもって手がつけられません!」

 

「くっ!!スタッシュ准将からの通信は来てないのか?!」

 

「はいっ!まだ通信が繋がりません!」

 

「クソッ!こうなれば・・・私がISで――」

 

「失礼する!」ツカツカツカ

 

「あ、貴方は!?」

 

 

そんな天幕に入ってきたのは!あの男!あの男だった!

 

 

「シュトロハイム少佐っ!?」

 

「やぁ?ご機嫌ようお嬢さん達?何か俺に手伝う事はあるかね?」

 

「むっ!?貴殿方シュトロハイム部隊に手伝ってもらう事など――」

 

「待て!・・・シュトロハイム少佐、貴殿に指揮権を返します」

 

「中尉殿っ!?」

 

「そうか・・・では!これよりあの生物の鎮圧を開始する!マルク軍曹!全体へ通達!IS部隊ならびに歩兵部隊は生物を円陣に囲み、遠距離戦でやるぞ!ヤツに鉛玉を食らわせてやれ!」

 

「JAー!(了解!)」

 

 

指揮権はシュトロハイムに返され、大百足の討伐が始まった。

 

 

 

―――――――

 

 

 

博物館前。

 

TV「皆さん!ご覧下さい!博物館内に立て籠ったテロリストと銃撃戦が展開されていたのですが!それが一転、どこからともなくあらわれた謎の蟲により、軍は大混乱に――」

 

「おい!貴様ら!何をしている?!さっさとTVクルーを下がらせろ!!!」

 

「あ、ちょっと!待って!」

 

ズダダダダダダダダダダダダ!

ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!

 

 

「KiSyaAAAAAAAAAAAAAaaaaaaaa!」

 

「足だ!足を狙え!」

 

「足ってどの足だぁ?!」

 

「取り敢えず!足だ!足をぶっ壊せば前には進めん!」

 

「撃ちまくれぇ!!」

 

ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ

 

 

「あら?あれは!?」

 

「どうした!?」

 

「マズイわ!ヤツの後ろに民間人が!」

 

「なぁにぃ!?」

 

 

 

―――――――

 

 

 

ドイツ軍天幕。

 

 

「少佐!大変です!民間人2人が博物館から出てきたようです!」

 

「何ぃぃぃ?!!!マズイぞ!このままでは民間人が犠牲に――」

 

「な、な、何だと?!!?!?」

 

「どうした!軍曹?!」

 

「み、民間人とおぼしき人物の一人のと、特徴が!」

 

「どもっとる場合か!!民間人の特徴がどうしたのだ?!」

 

「それが!「黒髪の東洋人」だそうです!」

 

 

その時、シュトロハイムの脳内に自分の部隊で起こった事を思いだした!

 

 

「な、何ィぃぃ!?ま、ま、まさか!あの化物かぁぁ?!!??!」

 

 

サイドアウト

 

 

―――――――

 

 

 

インサイド

 

 

俺はセニョリータを抱えて博物館の外へ出ようとしていた・・・セニョリータの顔が赤く、体も温かくなってきた・・・まずい!このままではセニョリータが風邪をひいてしまう!それだけは避けなくては!!!

 

――違うと思うけどなぁ・・・――

 

それで・・・博物館の玄関の外へでたんだが・・・

 

 

ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ

 

「KiSyaAAAAAAAAAAAAA!!!!!!」

 

「撃て!撃て!!」

 

「撃ちまくれぇ!!」

 

 

 

なんだコレ・・・いや?!マジで何コレ!?蟲っ??!しかもなんで百足なのっ!?何?バカなの?空気読めや!蟲ケラがぁ!

 

 

「おい!民間人!こっちに来るんだ!」

 

「・・・っころす・・・」

 

「おい!聞いているのか?!!」

 

「ぶっ殺してヤル!!!」ガシッ

 

「ア、アキト?」

 

「大丈夫だよ、セニョリータ?直ぐに終わらせるから」

 

テメェのせいでかきたくもない汗をかくぞ!・・・蟲ケラがぁ!!!!!!!!!!

 

 

「『武装錬金』っっ!!!」

キィィィン

 

さぁ・・・殲滅タイムの始まりだぁ!

 

 

サイドアウト

 

 

 

―――――――

 

 

 

ノーサイド

 

 

アキトは右胸に手を当てて叫んだ・・・すると・・・

 

アキトの髪は蛍火のような色にかわり、肌は赤銅色へと変わっていき、手には大剣のような槍が握られていた!

 

 

「ア、アキト!?あ、貴殿!まさか!?」

 

「行くよフロイライン!・・・しっかりと捕まってね?」ニコッ

 

「は、はい!///」

 

ギュン!

 

アキトはシェルスを抱えたまま、大百足に突撃していき――

 

ズザシュュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッッッ

 

「KiSyaAAAAAAAAAAAAAaaaaaaaa!?!?」

 

いとも容易く大百足の体を真っ二つに切り裂いた!

 

 

一同「「「「「「な、なにぃぃぃぃぃぃっっ!!!?」」」」」」」

 

 

 

―――――――

 

 

 

天幕外にて。

 

 

「ハルフォーフ中尉、あ、あれは・・・」

 

「たぶんそうだろう・・・あれが噂に聞く「アーカード」」

 

「少佐・・・し、指示を!」

 

「ぜ、全部隊につぐ・・・逃がすな・・・決してあの化物をここから逃がすなぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

 

 

―――――――

 

 

 

博物館前。

 

 

「さて・・・セニョリータ?これから俺と温かい食事でもどう?」

 

「え、えぇと・・・///」

 

大百足を仕留めたアキトは抱えたシェルスを食事に誘っていた・・・・・・・・・が、しかし!

 

 

「「「「アーカード」につぐ!武器を捨てて、大人しく投降しろ!!さまなくば!」」」

 

「・・・ッチ!ごちゃごちゃとウルセェなぁ・・・そんなに俺に「喰われたいか」?!テメェらぁぁ!!」ゴゥァァァッ!

 

 

アキトは濃厚な殺気を辺り一面に発した!

 

 

一同「「「「「「「っっ!!!?」」」」」」」

 

「(い、息がっ!?)」

 

「(こ、怖い!恐い!)」

 

「(これが・・・恐怖!!)」

 

 

ドイツ軍人達は、あまりの恐怖に尻餅をつく者。

下を垂らす者。

過呼吸になる者。

そんな人間で溢れるなか・・・ただ一人。この恐怖に耐え、アキトに銃を向ける者がいた!

 

 

「ほぅ?そんなに俺に喰われたいか?シュトロハイムゥゥ!!!」

 

「・・・人間の偉大さは、恐怖に耐えるその姿にある」チャキ

 

「そうかそうか・・なら望み通り喰ってやるぞぉぉぉ!!!」

ガッ!

 

アキトはシュトロハイムに飛びかかろうと踏み込んだ!その時!

 

 

 

「やめて!!アキト!!!」

 

シェルスがアキトを呼び止めた!

 

 

「なっ!?こ、子供!?」

 

「・・・どうしてだい?」

 

「そ、それは!その・・・わ、私、お腹が減っちゃって///は、早く食事に行きたいなぁ・・・なんて・・・」

 

 

シェルスはシュトロハイムを助けようと苦し紛れに言った。

すると・・・

 

 

「・・・そっか、なら食事に行こうか!それもそうだね!」シュゥゥゥ

 

アキトは殺気を納めてしまう。

 

 

「おい!シュトロハイム!」

 

「な、なんだ?!アーカード?!」

 

「俺、帰るからあとはヨロシクな!じゃあな!」シュッン

 

「っ!??!?き、消えた!?」

 

 

アキトはシェルスを抱えたまま、まるで煙のように消えてしまった。

 

 

 

その後、この事件はTV中継されていたことやシェルスがTV局に出していた書類がキッカケでドイツIS部隊の不正が明らかとなり、ドイツ政府は軍の上層部の女尊男卑主義者の排除にとりかかりドイツ軍の環境は改善された。

 

それと謎の男『アーカード』については一層の知名度が上がったらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とあるレストラン・・・

 

カチャカチャ モグモグ ハグハグ マグマグ

 

「あっ!」

 

「どうしたの?アキト?」キョトン 

 

「そういえば、君の名前を聞いていなかったね?」

 

「そ、そうね!そうだったわ!・・・コホン・・・私の名前はシェルス・ギッシュよ。ヨロシク♪アキト!」

 

「こちらこそヨロシクね♪シェルス♪それでシェルス?このあと俺のスポンサーのところに行くからね?異論は認めない」ニコッ

 

「・・・え?」

 

「あと、さすがに俺のコート一着じゃあ寒いしさ?」

 

「え?・・・あ!・・・うん・・・///」

 

「(・・・クソ可愛い!)」

 

 

とあるレストランでロリを口説く黒髪の青年が目撃された・・・

 

 

 

 

 

 

 

←続く

 




もう・・・無理矢理感が半端ない・・・

しかし!メゲナイ!クジケナイ!

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