人外になった者   作:rainバレルーk

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創作欲は湧く・・・だが・・・文章にするのは難しい



制作と真実と・・・

 

 

 

ノーサイド

 

 

 

アキトはあの食事会のあと

デュノアに頼まれて泡を吹いて倒れた一夏を保健室につれていったり、メシマズと言われたセシリアを慰めたりした・・・一夏は午後の授業には出れなかった

 

そして場面は放課後に移る・・・

 

 

 

廊下にて・・・

 

 

コツコツコツコツ

スタスタスタスタスタスタ

 

「ちょっと暁くん!待ってよ~!」

 

ピタッ

「遅ぇよデュノア、もうちょっと早く歩けないのか?」

 

「無理言わないでよ!僕と暁くんじゃあ歩幅が違うんだから!」

 

「そうか・・・なら、また抱っこしてやろうか?」

 

「え!?///い、いいよ!そんな事しなくても!///」

 

「そうか・・・なら、ほら?」ヒョイ

 

 

アキトはデュノアに手を差し出した

 

 

「え?何かな?この手は?」

 

「何って・・・手をつなぐためだけど?」

 

「そんな、さも当たり前のように・・・」

 

「まぁ、気にすんな」グイ ギュッ

 

「あっ///・・・」

 

 

コツコツコツコツ スタスタスタスタスタスタ

 

 

デュノアはそのままアキトに手を引かれながら、歩んで行った・・・

 

 

 

 

 

 

 

10分後・・・

 

アキトはデュノアの手を引きながら、ある扉の前で止まった・・・

 

 

「あの~暁くん?ここは?」

 

「実はさぁ、デュノアには「ある事」を手伝ってもらいたいわけなんだよ」

 

「?」

 

「まぁ、そのうちわかる」コンコン

 

 

疑問符を浮かべるデュノアを放っておき、扉をノックすると・・・扉が少し開き・・・

 

ギィィ・・・

 

「・・・誰?」

 

「簪?俺だ、暁アキトだ」

 

「・・・ホントにアキト?」

 

「あぁ、そうだアキトだ」

 

「他に誰かいる?」

 

「あ?そうだな、転校生がいるぜ?」

 

「・・・そう・・・なら貴方が本物のアキトなら合い言葉を言える・・・」

 

「は?合い言葉?」

 

 

少し開けられた扉から喋っている簪は、そう問いただした

 

 

「(合い言葉?・・・そんなモノあったか?)」

 

「・・・私のあとに言って」

 

「あ、あぁ・・・」

 

「じゃあ言うね・・・スゥ、ハァ・・・「暁アキトにとって更識簪はどういう存在?」」

 

「・・・は?」

 

 

簪の発言にアキトはフリーズした

 

 

「・・・どうしたの?早く言わないと、閉め出すよ?」

 

「わかった、ちょっと待ってろよ・・・え~と・・・」

 

「ちょっと何やってんの暁くんン!?」ピトッ

 

「少し、静かにしとけデュノア」

 

「う、うん・・・///」コク

 

 

アキトはデュノアの唇に指をあてて、静かにさせると思考を始めた・・・

 

 

「・・・どうしたの?言えないの?」

 

「待て待て・・・今考えてるから」

 

「・・・5秒前・・・」

 

「カウントをとるな!わかったわかった言うよ!俺にとって更識簪は・・・」

 

「貴方にとって私は?・・・」ドキドキ

 

 

簪はアキトの答えに胸を高鳴らせていた

 

 

「俺にとってお前は・・・」

 

「私は?・・・」ドキドキ

 

「・・・・・・・・・・・・・・・輸血パック?」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「暁くん・・・それは・・・」ヒクヒク

 

 

アキトの答えに、隣にいたデュノアは顔を引きつかせていた

 

 

「しょうがねぇだろ!思いつかなかったんだよ!」

 

「・・・今は・・・ソレデモイイ・・・」ボソッ

 

「おん?なんか言ったか?」

 

「うぅん・・・なんでもない・・・入って」カチャ ギィィ

 

 

簪は扉を開けて、二人を向かい入れた・・・

 

 

「邪魔するぜ・・・」

 

「お、お邪魔しまーす・・・」

 

 

二人がそこに入ると、部屋のなかには工具類やら金属機器、パソコンが散乱していた

 

 

「何この部屋?」

 

「ここは簪の制作ラボみたいなもんだよ」

 

「それよりアキト・・・この人は?」

 

「おん?言わなかったか?転校生だよ」

 

「シャルル・デュノアです!よろしくね!え~と・・・」

 

「更識簪・・・簪って呼んでデュノアくん」ヒョイ

 

「うん!よろしくね簪さん!」ギュッ

 

 

二人は自己紹介と握手をしていると・・・

 

 

「それより簪、制作に移ろうぜ?」コツコツコツコツ

 

「ん?「制作」ってなんの?」

 

「え!?アキト、まさかこの人を制作に関わらせる気?!」

 

「え?え?」

 

「そうだけど?流石に俺だけだと限度があるからな」

 

「でも・・・」

 

「ちょっと!二人とも!僕をおいて話を進めないでよ!」

 

 

アキトと簪の話がわからないのか、デュノアが割って入った

 

 

「あぁ、すまんすまん・・・デュノアには制作を手伝って貰いたいんだよ」コツコツコツ

 

「だから、なんの?!」

 

「この――」コツコツコツ・・・バッ

 

 

アキトは部屋の中央にあるシートを剥ぎ取ると、そこには・・・

 

 

「―――この簪の専用機の制作にさ?」ペチペチ

 

アキトは制作途中の簪の専用機「打鉄弐型」を触りながら言った・・・

 

 

「専用機の制作って!?そんなの機密事項なんじゃ?!」

 

「別に構やしないだろ?」

 

「軽いっ!?軽すぎるよ!暁くん!というか!これは簪さんの専用機でしょ!そうでしょ簪さん?!」

 

 

デュノアは簪に問いかけた・・・

 

 

「・・・アキトが連れてきたなら・・・構わない」

 

「えぇぇ!?なんでさ!?」

 

「デュノアも構わないだろ?専用機持ちだし」

 

「そ、それはそうだけど・・・」

 

「何よりさ・・・お前の「目的」も達成できるだろ?」

 

「え!?」

 

 

その発言にデュノアの体は硬直した・・・

 

 

「?・・・アキト、それってどういう事?」

 

「ん?あぁ、わかりやすく言うと・・・この転校生はどっかの回し者・・・つまりは「スパイ」だ・・・そうだろ?シャルル・デュノア?」

 

「え・・・!?」

 

「な、な、何を言っているのかな?!!」オドオド

 

 

デュノアは見るからに動揺していた・・・

 

 

「あれあれあれあれあれあれあれぇ?どうしたんだよ?そんなに動揺してよぉ?」ニヤニヤ

 

「ど、動揺なんかしてないよ!第一!どうして僕がスパイなんて事が言えるのさ?!」

 

「更衣室だよ、更衣室」

 

「更衣室?・・・あっ!ま、まさか・・・」

 

 

デュノアは思い出したように顔を歪めた・・・

 

 

「そのまさかだよMr.・・・いや・・・ 「Ms. 」デュノア?」

 

「「Ms.」 ?・・・という事はデュノアくんは・・・女性?!」

 

「Exactly・・・その通りだぜ簪・・・ちなみにシャルルって名前も偽名だろうな」

 

「うぅ・・・」オドオド

 

 

アキトの冷静な発言にデュノアは唇を噛み締めながら・・・

 

 

「うわぁぁぁ!」スチャ!

 

 

懐から拳銃を取りだし、二人に向けた!

 

 

「っ!?」

 

「ヤレヤレ・・・朧、頼むぜ」

 

「「仰セノママニ」」

 

ビシュッビシュッン!

 

「えっ!?」グリン!

 

 

アキトが朧に命令すると、アキトが挙げた左腕からワイヤーが飛び出し、デュノアの腕や首に巻き付き――

 

 

ズベシィッ!

 

「きゃぁぁあっ!?」

 

 

――床に叩きつけた!

 

 

「おいおいおい?考えなしにピストルを向けるんじゃあねぇよ・・・簪?大丈夫か?」

 

「う、うん・・・」

 

「ぐぐぐ・・・!」

 

「お前も大丈夫か?デュノア?」コツコツコツコツ

 

「え?アキト!」

 

「大丈夫だ簪・・・それで大丈夫か?」スッ

 

 

アキトは床に敷かれているデュノアに近づき、しゃがんだ

 

 

「・・・どうして僕がスパイだと?」

 

「確信はなかった・・・更衣室の時でも、確信を得られなかった・・・だからカマをかけた」

 

「っ!?・・・それはやられたね・・・自分でも完璧だと思ったんだけどな~・・・」

 

「(実を言うと、匂いや皮膚の手触りでわかったんだけどな・・・ま、それは置いといてと)・・・立てるか?」

スチャァ・・・

 

 

アキトはデュノアに巻き付いていたワイヤーを解除し、手を差し出した

 

 

「え・・・僕を開放するの?」

 

「まぁね・・・もちろん、このピストルは没収だがな」チャ

 

「・・・うん・・・」グッ スクッ

 

 

デュノアはアキトに手を引かれ、立ち上がった・・・

 

 

「さて・・・それじゃあ・・・専用機の制作を始めますか」

 

「「えっ!?」」

 

 

アキトの発言に簪とデュノアは唖然とした・・・

 

 

「おん?どしたよ、お二人さん?鳩がサブマシンガン喰らった顔して?」

 

「鳩がサブマシンガン喰らったら、ただじゃ済まないと思う・・・」

 

「それじゃなくて!ど、どうして?!」

 

「は?何が?」

 

 

アキトは惚けた顔をしていた・・・

 

 

「「は?何が?」じゃなくて!どうして、何もなかったように接せられるの?!」

 

「別にいいじゃない?そんな小さな事は」

 

「ち、小さな事!?」

 

「それより簪?昨日どこまで進んだんだっけ?」

 

「え!?・・・昨日は認知プログラムの作成が出来たところ・・・」

 

「だったら、今度は武装プログラムだな・・・デュノア?手伝ってくれや?」コツコツコツコツ・・・パカッ

 

 

アキトはパソコンを開いた・・・すると・・・

 

 

「ま、待ってよ!暁くん!!」

 

「あ?なんだよ?」

 

 

デュノアはアキトを呼び止めた・・・

 

 

「ど、どうして・・・どうして何も聞かないのさ?!」

 

「何も聞かないって・・・そりゃあ・・・別に「どうでもいい」からさ」

 

「ど、どうでもいい!?」

 

「デュノアくん・・・じゃなくて、デュノアさん・・・顔が・・・」

 

 

デュノアの顔はまさに例のような驚き顔をしていた

 

 

「このさい!顔なんてどうでもいい!どうしてさ暁くん?!!」

 

 

デュノアはアキトに問いただした・・・

 

 

「どうしてって・・・俺は別にアンタの正体なんぞ、どーでも良い」

 

「どーでもっ!?」

 

「俺は早く簪の専用機を完成させたいんだよ・・・だから、どーでも良い」

 

「な、な、なっ!?」

 

「アキト・・・///」ジィーン

 

 

その言葉にデュノアは愕然とし、簪は感動していた

 

 

「で、でも!・・・もし僕が簪さんの専用機の情報を漏らすかもしれないよ!」

 

「・・・何?」コツコツコツコツ

 

 

アキトはギラリと眼を光らせ、デュノアに近づいた・・・

 

 

「僕がデュノア社のスパイだという事は認めるよ・・・でも!僕がこのまま簪さんの専用機・・・つまりは日本代表候補生の専用機の情報をデュノア社に持っていくかもしれないんだ――」

 

「その時はこうだ」ガシッ グイッ!

 

「ぐあっ!?」

 

 

アキトはデュノアの首を掴み、持ち上げた!

 

 

「なっ、何を・・・!」ジタバタ

 

「アキト!」

 

「騒ぐな簪・・・で、デュノア?なんだっけ・・・情報を漏らすかもしれない?だったら・・・その前に」グッ

 

「あぐっ!?」

 

「騒ぐな・・・痛みは一瞬だ・・・」

 

「あぁ・・・?・・・ぐっ!?」

 

グググ・・・

 

 

アキトはデュノアの首に吸血のための指をめり込ませた・・・しかし!

 

 

「やめて!アキト!!」バッ

 

「おん?」

 

 

簪がアキトの腕にのしかかった!

 

 

「簪・・・邪魔すんのか?」

 

「・・・じゃ、邪魔なんかしない・・・そ、それより」

 

「それより?」

 

「・・・わ、私の・・・私の血を吸って!///」

 

「か、簪さん・・・?ググ」

 

「・・・ほぅ・・・」

 

 

簪は眼を潤ませ、顔を赤くしながら上目遣いでアキトにお願いした・・・

 

 

「・・・ッチ・・・しょうがねぇ・・・」バッ

 

「かはっ!?」ドシャ

 

 

アキトは掴んでいた手を離した

デュノアは力なく、床に崩れ落ちた・・・

 

 

「けほっ、ごほっ!・・・ハァハァ!・・・」

 

「だ、大丈夫!デュノアさん?!!」トトト サスリサスリ

 

「あ、ありがとう・・・けほっ、簪さん・・・」

 

 

簪は崩れたデュノアに近づいて、背中を優しくさすった

 

 

「・・・ったく・・・ヤレヤレだぜ」

 

「けほっ、ごほっ・・・あ、暁くん・・・?」

 

「あぁ?なんだよ?デュノア?」

 

「き、君は一体・・・?」

 

「デュノアさんっ!?」

 

 

デュノアはアキトに疑問を投げ掛けた・・・

 

 

「そうさなぁ・・・俺はただの「バケモノ」さ・・・あ!そんな事よりも・・・デュノア?」シュッ クイッ

 

「え!?///」ビクッ!

 

 

アキトはしゃがんでデュノアの顎を指で持ち上げ、被っていた仮面を外し、魅了するような甘い声で――

 

 

「俺は君を必要としている・・・どうだ?俺の・・・いや、私の「仲間」にならないかい?」フワァ

 

「ふぇっ!?///え、えと・・・あの、その・・・///」

 

「私は君が必要なんだ・・・どうだい?デュノア?」

 

 

デュノアを誘惑した・・・

 

 

「(な、何・・・?・・・さっきまでの暁くんとは違う・・・仮面を被ってたから、わからなかったけど・・・なんて・・・なんて綺麗な「紅い眼」をしているんだろう・・・それに・・・なんだか・・・とっても安心する・・・///)」トロン

 

「どうした?デュノア?」

 

「「シャルロット」・・・」

 

「おん?」

 

「僕の本当の名前・・・「シャルロット」って言うんだ」

 

 

デュノア・・・いや、シャルロットは自分の本当の名前をアキトに明かした・・・

 

 

「「シャルロット」か・・・良い名前だな・・・そうだと思わないか?簪?」

 

「う、うん!・・・良い名前・・・スゴく良い名前だよシャルロットさん?」

 

「そうなんだ・・・僕のお母さんがつけてくれた名前なんだよ・・・」ポロポロ

 

 

シャルロットは涙を流し始めた・・・

 

 

「あれ・・・?・・・なんでだろう?・・・涙が・・・涙が止まらないよ・・・?」ポロポロ

 

「・・・」ダキッ

 

「・・・暁・・・くん?」

 

 

アキトはシャルロットを優しく抱き締め、その耳元で囁いた・・・

 

 

「大丈夫・・・大丈夫・・・もう我慢する事はないんだよ?シャルロット・・・君はもう一人じゃあないんだよ・・・だから・・・ね?」

 

「うぅ・・・うわぁぁぁぁぁぁん!!!」ボロボロ

 

 

シャルロットは決壊したダムのように涙と泣き声をあげた・・・今まで溜まった、悲しみや寂しさをすべて吐き出すように・・・

 

 

「よしよし・・・」ナデリコ

 

「ヒグッ・・・ありがとう・・・暁くん・・・」

 

「気にするなよ・・・「シャルロット」?」

 

「うん・・・///・・・ねぇ?「アキト」?・・・///」

 

「なんだい?シャルロット?」

 

 

シャルロットはアキトの名前を呼び、そして・・・

 

 

「こんな・・・こんな僕で良ければ・・・僕と「友達」になってくれる?///」

 

「もちろん・・・喜んで・・・」ニッコリ

 

 

アキトはトビキリの笑顔で、そう答えた・・・

 

 

 

 

 

 

 

←続く

 




今日はここまでぇ!
なんという無理矢理感!
続きが難しい!

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