やはり俺のSAOは楽しい。   作:Aru96-

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-3話-

 

 

 

 

 

俺は今一層のボス攻略会議の場所に向かっている。本当なら行きたくないんだが、キリトにメールで強制されてしまった。場所に着くといかにもゴツくていかついメンツが集まっていた。

何これ、俺いらなくね?だって見た目からして強そうな人ばっかじゃん。

すると部屋の傍には俺を呼んだ張本人がいる。そいつはフードを被った人と話していた。多分女の子だろう。このゲームは殆どが男で女なんてものはごく僅か。バレてしまえば厄介ごとに巻き込まれるのは絶対と言っていいだろう。だからバレないようにしてるか何かだろ。多分。

 

「よっ、ちゃんと来たな」

 

ニコニコ笑顔で話しをかけてくる。うっわ超ムカつく。なんなら今すぐ斬りたいまである。後ろの方に目をやるとやはり華奢な身体で壁にもたれ掛かりながら少し下を向き腕を組んで黙り込んでいる。この偉そうな態度なんなの、噛み殺すよ?違うな、うん。ごめんなさい。

 

「なんだよリア充かよ爆発しろよ、じゃあな」

 

「待て待て待てって、この人は今さっき俺とパーティを組んだんだ、でお前も入れよ」

 

パーティ招待のメッセージが来る。まぁ会議が始まったらパーティ組めとか言われるだろうしYESを押した。

危ねぇ、うっかりNOを押すところだったぜ。

 

「まぁ、よろしく」

 

彼女は此方を向いてよろしくと呟くように言うと元の体勢に戻った。初対面の人に話しかけられるのは嫌だよな、分かる。でも嫌そうな顔で言われると傷ついちゃうだろ。

 

「えー、では、第一層ボス攻略会議を始めたいと思います。俺はディアベル。気分的にナイトやってます」

 

青髪の好青年が指揮をとる。葉山2号といったところか。みんなに笑顔を振りまいて周りを統一させるところとか超似てる。故に無性に斬りたい。あ、逆に斬られるか。

ひと笑いとった所で真剣な面持ちになり攻略の作戦を立て始めた。

あれやこれやなんや話しているうちに会議は終わってしまい、最後にパーティを組むことになった。

 

「ちょっと待てや」

 

大声で叫ぶパイナップル頭が前に出て喋り始める。内容はβテスターのせいで死んだ人間が数多くいるから詫びを入れて身包み全部置いていけとの事。

 

「おいパイナップル頭」

 

「なんや、ワイの事か? 喧嘩売っとんのかワレ、いてこましたるぞ」

 

物凄い関西弁でヤクザドラマかよというくらいの脅し文句で返してきた。いかんいかん、吹き出しそうになった。ぼっちはいかなる時も冷静に冷静に。

 

「お前は死んだ人間を把握しているか? 死んだ人間のほとんどはβテスターだ、自分の力を過信してな。この情報はとあるクソ鼠から仕入れた情報だ、多分そいつはSAO内トップの情報屋だ。間違いはないはず、それにガイドブックがあるだろ、それはお前の憎っくきβテスターが書いたことも忘れるな」

 

そう言うとパイナップルは黙り込んで隅にはけていった。俺の行動に周囲は沈黙した。おい葉山2号、ここでお前の番だろ、出てこいよ。と目で合図すると苦笑いを浮かべて

 

「うん、文句はないかな? 今回は初ボスだしβテスターが居ないと勝てないのも確かだ。仲良く行こうじゃないか。では解散」

 

やっべ、でしゃばっちゃった。リアルでこんな事出来ないのにゲームではできちゃうってなに、まさかゲーム内は俺の住むにふさわしい世界なのか……

そんな事ないな、うん。静かにぼっち暮らししたい。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

あれから俺はレベル上げをした。いまは24だ。まぁ1層でこんだけ上げたら十分だろう。β版では10手前くらいにしか上げれなかったからな。あれ、俺すごくね、超頑張ってんじゃん。まぁおかげでこうやって木の下で寝っ転がってられるんだけどな。

太陽燦々、そよ風が吹く。そんな1日が嫌いじゃない。

そしてやつらを待っている。スイッチの練習とやらをしたいそうだ。にしても遅いな。

 

「遅くなって悪いな」

 

「本当に遅いわ、危うく寝そうだった」

 

爽やかに申し訳なさそうに謝るイケメン。もう何も思いませんよ。一言言うなら斬りたい。

 

「じゃあまず装備の確認とそれに合わせた連携の練習だな。最初は俺とアスナで次はアスナとハチ、俺とハチはまぁいいな。最後は3人でやろう」

 

キリトが指示をする。こいつ絶対リーダーとか向いてるよ。攻略会議のリーダーやれよもう。

 

「私の武器は盾無しのウインドフルーレ。攻撃スピードが落ちるから盾はないんだ。ステはAGIに結構振ってるかな」

 

と見せてきたRの細剣。追加効果も悪くなく、防具もR装備。鍛錬もちゃんとしてあり耐久力が高い。これなら相当なことがなきゃ死なないなと安心する。

そんな俺の表情を見てアスナさんはふふんと鼻を鳴らしドヤ顔でいらっしゃった。

 

「次は俺だな。ハチは知ってるかと思うが盾無しの片手用直剣のディニタースソード。まぁ何で盾無しなのかは理由は言えない。ステはSTRに振っている」

 

こちらも見てみると、メールできた情報通りSR武器の追加効果無し。R防具で鍛錬度はMAX。なんだよこいつ廃人かよ。ちょっと引いたわ。

 

「最後に俺だな。俺は刀で名前は阿修羅。防具も武器もSR装備だ。追加効果もお前らに劣っているものの使えないわけじゃない。まぁ説明は以上だ」

 

二人とも驚いていた。まぁそりゃそうだろう。武具共にSRなんだから。ドロップした時は俺も驚いてその場で発狂しちゃったからな。お陰で周りから白い目で見られてしまった。黒歴史がまた1ページ増えた。

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

-アスナside-

 

キリト君との戦闘練習が始まった。初めての2人での戦闘だったので余り慣れない私を引っ張ってくれた。HPゲージがイエローゾーンに入ると必ずポーションを使って私の分まで負担してくれる。

そして必ず一言添えてアドバイスをしてくれて数回戦う内に慣れて来たかなと思ったところで休憩を提案し、少し休む。私としてはもう少しやりたい気分だが無理するのもよくないと言うわけで正直に従う。

 

「次はハチとアスナだな、頑張れよ」

 

ハチ君という男の人はよろしくとだけいうと足早にモンスターに向かっていった。その後に私も続く。

ハチ君は初撃を入れるとすぐさま追撃も行う。途端スイッチという声が聞こえ、私も攻撃態勢に入り武器を構えて走り出す。

虫型モンスターのHPはレッドゾーンに入っていたのでソードスキルを使い難なく倒せた。

私は違和感みたいなのを感じ、それを確かめるためこの人のスピードについて行くように戦い続ける。

 

「ふぅ、そろそろいいか、切り上げて宿に行こうぜ」

 

ハチ君が言う。

……強い。そして戦いやすい。さっき感じた違和感が確信に変わった。ハチ君は何も無さそうにやっているが私が合わせられるように考えて動いている。そのためか一度も危険な場面になっていない。

私はこの人についていきたい。そう思った。この人の隣で歩きたい。君はその目で何を見ているの?君の見ている景色を一緒に見たいと思う。

憧れる強さ。それを知っているかもしれない。そんな期待を胸にしながら街へと戻る。

 

「そうだな、じゃあ行こうか」

 

キリト君が返事を返して私たちは街へ向かった。

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

-八幡side-

 

あれからキリトの宿に来た。部屋は1部屋しかないと言うことでキリトはアスナさんに使わせようとしたがアスナさんが頑なに断ったため渋々といった形でキリトは部屋に行った。

そしてこの状況。とても気まづいことこの上ない。男と女。二人きりでベンチに座っている。

 

「ねぇ、君は、ハチ君は怖いと思った事はないの?」

 

「ん? 怖いよ、超怖い。俺は現実世界に妹がいるんだそいつは世界一可愛い妹なんだ。親は社畜ロードをひた走っているから帰りも遅くて、いつも俺が妹の帰りを待ってたんだ。俺が待たなきゃ誰が待つ。だから死にたくないし、帰りたい。いつ帰れるかわかんないのに怖くないわけがないだろ」

 

アスナさんはそうとだけいうと申し訳なさそうに下を向いた。

 

「まぁ、でも今俺たちが生きているのはこの世界だからな、ここを精一杯生きて階層をクリアするしか方法はないんだろうよ」

 

「そうだね。うん、頑張ろう!」

 

そう言って笑う彼女はとても美しかった。まぁもともと雪ノ下や由比ヶ浜レベルの美人だからな。中学の時の俺だったら即効告白して振られるレベルである。なんだか悲しくなってきた。

そういやあいつら、今頃どうしてるかな。

 

「アスナさんの宿は俺が取っておいた。場所を言うからそこに行って休むといい」

 

驚くアスナさんを視界の隅に捉えながら俺は敏捷スキルを使い家々を飛び越えていく。

 

 

 

 

 




こんなの八幡じゃない!(殴

ってのはご了承くださいw
どのSSでも八幡は不憫なので活躍的な事をさせたかったんです(震え

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