真・恋姫†無双~董家伝~   作:ヴィヴィオ

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11話 荀家で猫耳を手に入れよう

 

 

 

 

 洛陽にある自宅で商会から送られて来た大量の書類を処理していく。幅広く商売を行っている為に決済書類など幅広く集まってくる。作り出した道具は農具以外は全国展開しているし、手に入れた情報を下に各領地の特産品を買って別の領地で高く売っているのでその報告書が大量に送られて来ているのだ。

 

「ふむ。やはり蜂蜜が売れているな」

「袁術が大量に購入してくれますので」

「そうか。では蜂蜜を作った菓子を高値で売るとしよう」

 

 調理方法を書いて渡してやる。それを渡したらどんどん処理していく。どんどん書類を処理していくが直ぐに追加が運ばれてくる。これから旅に出るのだから仕方がない。

 

「ふ、ふん! 恋だかなんだか知らないけれどあんたなんかに負けないんだからね!」

「いい子いい子」

 

 外を見ると恋が銀を胸に抱きしめて頭を撫でていた。

 

「ふがー! 頭を撫でるなー! ここでは私の方が先輩なんだからね!」

「先輩、可愛い」

「なんか違う! うぬぬぬっ! 負けないんだからね!」

「ちんきゅーきっく!!」

 

 陳宮が恋に可愛がられているからか、飛び蹴りを銀に放つ。

 

「甘いよっ!」

 

 銀の瞳が光って恋に抱かれながら陳宮の足を掴んでそのまま威力を流しながら投げる。

 

「ふぎゃぁあぁぁあああああああぁぁぁぁぁっ!!」

「何をしている」

 

 しかし、梨花が飛んできた陳宮の首を掴んで止めた。そのまま詰問しようとしだしたが、丁度いいので私が乱入する事にしよう。

 

「何をやっている」

 

 窓を空けて顔を出すと梨花がひざまづき、同時に陳宮をひざまづかされた。恋と銀はそのままだ。

 

「お兄ちゃん、恋が銀を子供扱いするの!」

「子供だからな」

「可愛い」

「うぐぐぐぐ」

「まあ、子供扱いが嫌なら恋と戦ってみるといい」

「わかった! 勝負だよ!」

「……いいの?」

「ああ。それと陳宮、お前も戦えるようになってもらおう」

「私もなのですか!」

「そうだ。このままでは何れ戦場に出す恋の邪魔になる」

「ぐっ!? そんな事は……」

「ないと言えるか? 最低限、自分を守れるようになってもらう」

「わかったのです」

「ご主人様……」

「無茶はさせないさ」

 

 ちんきゅーきっくの威力を考えると気を教えると面白い事になりそうだ。そんな話をしていると互いに武器を構える。

 

「始めろ」

 

 私の合図に反応して銀が足元を爆発させるように踏み込んで、一気に最高速度で突っ込みながら大鎌を横に振るう。恋は槍を振り下ろして防ぐ。だが、その直後には銀が後ろに回っていて大鎌を振り下ろす。

 

「甘い」

「くぅっ」

 

 恋は身体を回転させながら槍を一閃する。銀は速いが一撃が軽い為、恋の一撃で吹き飛ばされる。しかし、空中で体勢を立て直して直ぐに迫る。お互いに気を使って身体能力を強化しているのでどんどん人の戦いから離れていっている。

 

「いけっ、いくのです恋殿!」

「お前はこっちだ。梨花と共に訓練だ」

 

 窓から外に出て、2人が戦っている場所から離れる。連れてきた陳宮と梨花に柔軟体操を教えていく。それから最強の弟子育成訓練を行う。

 

「素晴らしい訓練方です」

「死ぬっ、死ぬのですっ!」

「人間はそう簡単に死なん」

「ひぃぃぃっ!!」

「音々、大丈夫?」

 

 向こうから恋が泣く銀を抱き抱えながらこちらにやってくる。流石に気を使う事に関して銀の方が長けていても同じく気を覚えた恋を相手に一人では無理だったか。

 

「た、助けてくだされ~」

「……」

「駄目だ。それよりも銀は……」

「ぐやしい~」

 

 恋の腕から逃れた銀は私に抱きついてくる。私は涙を拭いてやり、優しく撫でてやる。

 

「ならもっと訓練しないとな」

「うん……頑張る」

「さて、恋。私が出掛けている間にお前達には頑張って鍛えて貰わねばならぬ。陳宮も例外ではない。さもないと何れ死ぬぞ」

「……わかった」

「うぅ……」

「では、頑張ってもらおう」

 

 皆と一緒に私自身も鍛えていく。恋に勝てなくともそれに近い実力を得る事が出来る。他の者達もそうだ。武将同士で連携訓練もさせれば色々と役立つ。彼女達は得難い人材だから失う訳にはいかない。特にここに居る者達は別の意味でも大切だからな。知っている限りの知識と技術を与えて生き残って貰おう。とりあえず陳宮に気を教えるように恋にお願いする。陳宮は一旦、恋と離して修行させる為に連れて行く予定だからだ。

 

 

 

 

 

 数週間後、私は銀と香風、雛里と陳宮を連れて荀家へと趣いた。それと荀家は名門なので普通だと会ってもらえないだろうが、董家の人間として赴けば会ってもらえる。面会を申し込めば直ぐに会ってもらえる事になったので私と雛里、陳宮だけだ。銀と香風は街で待ってもらっている。

 

「それでわざわざ董家の方が何用ですか?」

 

 荀彧の母親であろう方が私の前に居る。

 

「こちらに荀彧という才溢れる者が居るとお聞きしましたので、是非我が家で雇わせて頂きたい」

「そうですか。しかし、名門である袁家の方に……」

「袁家の時期当主は凡夫です。彼女の才を生かしきれないかと」

「しかし、名家でしょう?」

「では袁家の倍で雇いましょう」

「ふむ」

「私は彼女がどうしても欲しいのでもし頂けないなら色々とさせて頂きますよ?」

「具体的には」

「資金力を使って色々と」

 

 荀家が利益を上げている場所に圧力をかけたり、色々出来る。今の時代はお金さえあれば色々とできる。

 

「資金力ですか」

「商会を経営していますので。こちらが商品の目録です」

 

 見せてやると一瞬だが顔色が変わった。

 

「なるほど。ですが娘は男嫌いですが、構わないのですか?」

「構わない」

「では、塾に入れて直させようとしたのですが悪化してしまいまして」

「それはこちらで対応します」

「ふむ。分かりました」

「それと我が家は荀家の方の仕官先として歓迎致します。つきましては一つお願いがあります」

「なんですか?」

「この子達を荀家で鍛えて欲しいのです。銀は私の妹ですので戦場に出る事になりますが、武力だけの一辺倒では大軍の指揮など出来ません。どうかお願いします」

「分かりました。名誉な事なのでお引き受け致しましょう。その代わり、我が家に投資をお願いします」

「わかっています」

 

 それから彼女達を預けた。私は荀彧の部屋へと連れて行ってもう。

 

「お母様、そいつは?」

「貴女が仕える事になる方よ」

「私は董擢だ。よろしく頼む」

「……女みたいだけど、こいつ男ね」

「そんな訳……」

「ほぅ、気付くか」

「えぇ!?」

 

 驚く婦人を無視して部屋に入る。

 

「寄らないで! 妊娠するじゃない!」

「ほう、妊娠したいのか。ならばさせてやろうか!」

「なっ!? やっぱり男って色情魔で変態じゃない!」

「否定はせん」

「あんたに仕官なんて絶対にお断りよ!」

「何故だ?」

「何故ですって! 孕まされるのを分かってて誰がいくか!」

「だが、荀家の事を考えると子供は必要ではないか!」

「嫌な者は嫌!! 絶対に無能の子供なんて産みたくないわよ!」

「そうか。ならば問題ないだろう」

「なんですって! 聞いてなかったのかしら? 耳まで悪いとか、もう死んじゃえば?」

「では、お前は私以上の無能だな。私に勝てないのだから」

「聞き捨てならないわね」

「では勝負しようではないか。私が勝てばお前の全てを貰おう。私が負ければお前の自由にされてやろう。賭けの内容は同じだ。無能と罵った者に負けるつもりはないのであろう?」

「いいじゃない! やってやる!」

「勝負方法はそちらで提案するがいい」

「ならお互いに問題を出して答えられなかった方の負けね。私からでいいわよね?」

「ふむ。構わないぞ」

「では私が審判になるわ」

 

 さて、どうでるかな?

 

「先ずは小手調べよ。先ずは……」

 

 荀彧が部屋にあった盤と駒で陣形を作ってくる。兵法の基本なので簡単に答えてやる。

 

「ふん。これぐらいは当然ね。じゃあ、次はアンタよ」

「では50000兵が85151の軍団があったが、襲撃に有って694156人が犠牲になった。残りの人数はいくらだろうか? 30分以内に答えよ」

「なっ!?」

「どうした? 小手調べだぞ」

「くっ!? あんたは答えをわかっているんでしょうね!」

「ああ、わかっている。ふむ。お前が終わったあと、説明してやろう」

「ぐぐぐぐ」

 

 急いで計算をし始めるがこんな数を扱った事もない。30分後、計算が間に合わず途中までで終わっていた。

 

「さて、お前の失敗だな」

「ぐぎぎぎっ」

「桂花、貴女の負けよ」

「でも、まだこいつが答えられるかわかったものじゃないわ!」

「ならばしっかりと見ておけ」

 

 書く者を取り出して計算式を書いていく。50000の0000は後で足せばいいので85151×5だ。これの答えは425755で追加して4257550000となり、ここから694156を引いて4256855844となる。

 

「わかったか?」

「この解き方は素晴らしいわね」

「……」

 

 呆然としている桂花を置いて質問された事をどんどん答えていく。更に皆の育成方針を相談していく。

 

「なんなのよっ、なんなのよもう!」

「桂花、それと貴女が褒めてた手押しポンプとか遊びの道具とか、全部董擢殿が作ったらしいわよ」

「っ」

「それで返事は?」

「わ、わかったわよ! 仕方ないから仕えてあげるわよ!」

「それもだけど、子供を産ませてくださいでしょう?」

「ふしゃぁぁぁぁぁぁっ!!」

「まあ、その辺はおいおい可愛がってやるさ」

「ぐぎぎぎぎぎぎぎっ!!」

 

 とりあえず王佐の才はこちらに手に入った。風も手に入れられれば曹操陣営の軍師はかなり減って楽になる。

 

 

 

 

 

 


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