【主人公】戦場起動【喋らない】外伝 作:アルファるふぁ/保利滝良
大陸歴
大陸歴0年
あまりにも巨大な物体が、太平洋上に突如浮上した
大陸歴1年
各国連盟はこの巨大物体に、『大陸』という仮称を付けた
大陸歴3年
人類は準備期間を経て、大陸へと進出する
大陸歴10年
各国連盟は、数十回にも及ぶ調査隊派遣において、ついに大陸の調査を断念
事実上、大陸が国家の手の届かぬただ一つの地となった
大陸歴11年
世界中から、数多の組織が大陸を狙い始めた
一人の政治家の命を消してまで、その暴走は止まらなかった
大陸歴13年
ついに、大陸へ組織が侵攻した
大陸歴15年
大陸からもたらされたオーパーツ、通称『大陸の謎』により、画期的な兵器が開発される
─
それは地上の王者の異名を持つ戦車の優位性を全て奪い去って余りある戦闘能力を持っていた
それは従来の兵器と比べて破格のコストで生産できた
それはその姿形から様々な戦況に耐えうるポテンシャルを秘めていた
それは『人型機動兵器』
その誕生である
─
大陸歴25年
人型機動兵器は、大陸の外でも生産されるようになった
ごく僅かな数であったが、その性能は最早国家を脅かせるものであった
大陸歴28年
そして一つの組織が、他の組織を排除する
『オーストラリア』という国家として認められたその組織は、人型機動兵器によるとてつもない武力を持っていた
やがて大陸へ渡った組織同士の争いは、公的に『オーストラリア建国戦争』、俗的には『大陸争乱』と名付けられる
大陸歴30年
オーストラリアが輸出品として人型機動兵器をばらまく
衝撃を受けた各国政府は人型機動兵器の開発に着手するも、技術的ハンデからオーストラリアに大きく遅れをとる
大陸歴32年
人型機動兵器を生産している『クロノスインダストリ』から、『死神の名を持つ機体』のデータの一部が発売される
これにより、世界中の人型機動兵器関連の技術が、武器として自立できるほどに成長した
大陸歴35年
人型機動兵器が、世界中の国で正式採用される
同時期、人型機動兵器によるテロリスト壊滅が行われていた
大陸歴36年
ユーロユニオンがいくつかの国へ宣戦布告
これに対してロシアやアメリカなどが徹底抗戦の為他の国家への協力をあおぐ
しかし、他の国の大半が自国の損耗を嫌いこれを拒否
『第三次世界大戦』となりかけたこの戦争は、後に『鉄人戦争』と呼ばれるようになっていく
史上初の、人型機動兵器を使用した国家間の衝突が、始まった
そして大陸歴38年
オーストラリア建国から約10年
人型機動兵器生誕から20年余り
一人のパイロットが、初陣を飾った