艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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さて、27話が終わりました

今回のお話では、たいほうに新しいお友達が出来ます

皆さん知ってるあの子です




28話 鷲と小鳩

「うわ〜さじんだ〜まえがみえないぞ〜」

 

たいほうは一人でもたいほうなりの世界があるみたいだ

 

「ばばばば…あ」

 

砂浜の近くにある木陰から、誰かが此方を見ている

 

たいほうはその子に近寄り、観測機のオモチャを渡した

 

「たいほうとあそぼ⁇」

 

「…ウン‼︎」

 

たいほうはその子と共に飛行機のオモチャで遊び始めた

 

「あたしたいほう‼︎おなまえは⁇」

 

「ホッポ」

 

「ほっぽちゃん‼︎ほっぽちゃんはひこうきすき⁉︎」

 

「ヒコウキスキ‼︎レップウスキ‼︎」

 

「じゃあたいほうのかしてあげる‼︎」

 

ほっぽと呼ばれる白い少女は、嬉しそうに観測機と烈風を高々に掲げた

 

飛行機ごっこをしたり、砂山を作ったり、綺麗な貝殻を探したり…

 

一通り遊んだ後、段々と日が暮れて来た

 

「ホッポ、オウチカエル」

 

「またきてね⁇」

 

「コレ、アリガト」

 

烈風と観測機をたいほうに返そうとしたが、たいほうはそのままほっぽにそれを持たせた

 

「あげる。またたいほうとあそんでね⁉︎」

 

「ウン‼︎」

 

二つのオモチャを大事そうに持ち、ほっぽは水平線に消えていった

 

「たいほう」

 

「パパ‼︎」

 

「烈風はどうした⁇」

 

「あ…おともだちにあげたの」

 

「そっか。友達が出来たのか‼︎また作ってやるからな」

 

「うんっ‼︎」

 

楽しそうなたいほうを抱え、皆の待つ場所へと戻った

 

 

 

翌日…

 

突然、執務室の扉が叩かれた

 

「どうぞ」

 

「アノ…」

 

「いらっしゃい」

 

私より頭一つ分大きい、ツノの生えた女性が訪ねて来た

 

「キノウハ、ホッポガオセワニナリマシタ」

 

「ほっぽ…あぁ、たいほうが言ってたお友達か‼︎」

 

「ドウカコレカラモ、ヨロシクオネガイシマス」

 

「こちらこそ」

 

互いに種族は違えど、一礼を交わす

 

「コレ、レップウ‼︎」

 

足元にいた小さな少女が、烈風のオモチャを持ってはしゃいでいる

 

「君が持っててくれるなら、その子も幸せだな」

 

「コッチモレップウ‼︎」

 

両手に烈風のオモチャを掲げ、ほっぽは鼻高々だ

 

「二つもあるのか⁇」

 

「チガウ。コッチハタイホウノ」

 

「コレ、タイホウチャンノカートリッジニハイルヨ⁇」

 

「作ってくれたのか⁉︎」

 

「レップウ、オイテク」

 

「マタキマス」

 

二人が去り、手元にはカートリッジに変わった烈風が残るだけ

 

変わったお友達もいるものだな…

 

そう言えば、たいほうは不思議な艦載機しか積載出来ない

 

現にフィリップがそうだ

 

スペンサーは陸戦機故、積載は不可能だが、初めての時もカートリッジにはクッキーやらビスケットしか入って無かった

 

ま、戦うのは私達だから良いのだが…

 

「パパ‼︎ほっぽちゃんがパパにぷれぜんとわたしたって‼︎」

 

「ん⁇あぁ、これだ。試しに付けてみろ」

 

クロスボウの上にカートリッジを乗せ、窓の外に打ち出してみた

 

「わぁ‼︎れっぷうだ‼︎」

 

三機の烈風が、空高く舞い上がる

 

しばらくした後、ちゃんとたいほうのカートリッジに戻って来た

 

「良かったな‼︎」

 

「うんっ‼︎」

 

 

 

たいほうの新装備に”れっぷう”が加わりました‼︎




れっぷう…対空+8、火力+3、回避+2

本来の烈風には対空で少し劣るが、ほかの機能が少しプラスされている機体

たいほうしか積載出来ない

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