艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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目線がエドガーに切り替わります

ロリコンで有名なエドガーさん

彼が誘ったのは、かなり意外な人物でした


278話 もう一度、本気で誰かを愛したい

「マリナイトさん‼︎ありがとうございました‼︎」

 

「此方こそ、楽しい時間を」

 

エドガーらしき男性、マリナイトはおにぎりちゃんとのダンスを終える

 

私には、もう一人だけ踊りたい女性がいた

 

その人を探しつつ、少しシャンパンを飲む

 

こんな時位しか彼女と話せないからだ

 

「どう⁇美味しい⁇」

 

「美味しいぜ‼︎あんがとな‼︎」

 

貴子さんに非常に良く似た女性“天婦羅美人”が、モーニングマスクに天ぷらを食べさせている

 

目的の人物を見つけた私はシャンパンを飲み干し、いざ彼女の元へ向かう

 

「そこのレディ⁇」

 

「へっ⁉︎あっ、あたしっ⁉︎」

 

「そうです」

 

天婦羅美人の方に向かってはいたが、私が近付いた瞬間、別テーブルに天ぷらを置きに行った

 

私が探していたのは、その近くでオードブルを食べていた女性

 

「私と踊って頂けませんか⁇」

 

「やったじゃん“ちよちよ”‼︎」

 

姉に煽られ背中を押される女性

 

横須賀にいる千代田に非常に似ている女性だ

 

紺色のドレスを身に纏っていても、主張が多い胸が目立っている

 

「ほっ、本当にあたしで⁉︎」

 

「えぇ。探していたのです」

 

「よ、喜んで‼︎ちょ、ちょっとだけ待ってて下さい‼︎」

 

ちよちよは急いで口周りや手を拭く

 

「頑張りなさいよ⁇」

 

「おおおお姉‼︎あたし、行って来るっ‼︎」

 

「“ちとちと”でしょ⁇ほらっ、待たせちゃダメよ⁇」

 

「わわわ分かった‼︎お願いします‼︎」

 

「参りましょう‼︎」

 

ちよちよは急いで私の手を取り、最後の魔性の時間が始まる…

 

 

 

 

「あ、あのっ、どうして私を⁇」

 

「初めて見た時に好きになってしまった…それでは理由になりませんか⁇」

 

「いっ‼︎いい‼︎いい‼︎」

 

ちよちよは頭を左右に振る

 

ちよちよはまさか自分が意中にいたとは思いもよらずにいた

 

今まで、そんなに話す機会もなかった

 

それもそのはず。今ちよちよの前にいるのは、恐れ多くもラバウルの航空隊の長

 

皆が恐れ、敬意を抱く、横須賀屈指の二羽の親鳥

 

それも怖い方だ…

 

それに、彼に対しては明確な理由があった

 

「あ、貴方…小さい子が好みじゃ…」

 

「私にとっての“あの日”は、この間終わりを迎えましてね…それに、恋愛で一度自分に正直になってみたかったのです」

 

それを聞いて、テンパっていたちよちよの顔がゆっくりと穏やかな顔付きに変わる

 

「そっかぁ…色々あったんだね⁇」

 

「ふふっ。皆さん、私を幼女趣味と思いがちですが、本来は違います」

 

マリナイトは何処で覚えたのか、独特な踊り方を披露する

 

ちよちよは何故かそれに追従して行く

 

体は全く知らない踊りであるはずなのに、ちよちよは何故かその踊り方を知っていた

 

そして、踊りが緩やかになった所で、ちよちよが話を続ける

 

「じゃあ、本来は⁇」

 

「喜怒哀楽がしっかりしている方です。私は元来、この様な性格ですので…」

 

「なにそれ‼︎あたしが怒りっぽいって言うの⁉︎」

 

「そう言う貴方だからこそ、好きになりました」

 

「あっ…すっ、すみません…」

 

ちよちよに良く似た女性も喜怒哀楽が激しい

 

エドガーに良く似た男性、マリナイトは喜怒哀楽の起伏が少なく、皆に感情を捉われにくい

 

自分と相反する女性である為、いつの日かのマリナイトは一目見ただけで好きになっていた

 

「貴女に意中の方は⁇」

 

「いっ、今出来たわ…」

 

ちよちよの顔が真っ赤に染まる

 

それを見たマリナイトは優しい微笑みを送る

 

「踊りましょう、ちよちよ」

 

「えぇ‼︎」

 

二人の夜は流れて行く…




マリナイト…エドガーっぽい人

ちよちよ…千代田っぽい人

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