艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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ジョンストンに異変が‼︎


277話 シマエナガクリーナー(2)

「ろこいく⁇」

 

「いんとえしゃんのとこいく‼︎」

 

執務室を出て、ひとみといよが目指すはイントレピッドの所

 

次の目標を聞きに来たのだ

 

「あら‼︎もう終わったの⁉︎」

 

イントレピッドはエントランスで机を拭いていた

 

「おあった‼︎」

 

「つぎどこしあすか‼︎」

 

「そうねぇ…じゃあ、二階にある廊下だけお願い出来るかしら‼︎」

 

「あかった‼︎」

 

「いってきあす‼︎」

 

「待って待って‼︎階段だから連れて行ってあげるわ‼︎」

 

ひとみといよはイントレピッドに抱き上げられ、二階へと運ばれる

 

二階に運ばれたひとみといよは早速壁に装置を取り付け、イントレピッドがルンタ君を持って来るのを待つ

 

「はいっ‼︎どうぞっ‼︎」

 

「あいあと‼︎」

 

「いってきあす‼︎」

 

ルンタ君に乗り、二階の廊下掃除スタート

 

「ひとみ、いよ」

 

スタートしてすぐ、ひとみといよはジョンストンに出会う

 

「よんすとん‼︎」

 

「いよとひとみちゃん、おしぉ〜じちてうの‼︎」

 

「ジョンストンもやる」

 

「あいっ‼︎」

 

いよが持っていた溝を掃除する棒を貰い、いよ本人は雑巾を取り出す

 

「こ〜あってすうの‼︎」

 

「うん」

 

いよにやり方を教えて貰い、ジョンストンも床と壁の境目を掃除開始

 

ひとみといよはルンタ君から降り、廊下の中心に二台並べ、右側はいよが雑巾でスタンバイ

 

これで廊下自体は綺麗になる

 

後はひとみが左側の溝を、ジョンストンが右側の溝を担当

 

端っこからスタートし、向こう側に着いたら廊下がピカピカになっている寸法だ

 

「すた〜と‼︎」

 

三人とルンタ君が動き出す

 

ジョンストンも中々楽しいようで、ひとみといよに追従して遊ぶかの様に掃除を終わらせて行く

 

事件はその矢先に起こった

 

「も〜ちぉっとれす‼︎」

 

「ふぁいと‼︎」

 

「おりゃ」

 

三人同時にゴール‼︎掃除終了‼︎と、思った矢先だった‼︎

 

バキッ‼︎と音がした時には、時すでに遅し

 

ドンガラガッシャーン‼︎

 

「うぁぁぁあ‼︎」

 

「ぐぁぁぁあ‼︎」

 

「あーーーっ」

 

床が脆かったのか急に抜け落ち、三人は一階に落ちた‼︎

 

「へっ⁉︎アウチッ‼︎」

 

抜け落ちた床が、一階にいた女性に当たる

 

「いんとえしゃーん‼︎」

 

「おたしゅけー‼︎」

 

「落ちるーっ‼︎」

 

「ほっ‼︎はっ‼︎よっ‼︎」

 

たまたま下にいたイントレピッドが三人を受け止めてくれた

 

「だ、大丈夫⁉︎脆かったのね…」

 

「はぁ…はぁ…ちぬかとおもっら…」

 

「たしゅかいまちた‼︎」

 

流石のひとみといよが命の危機を感じている中、一人だけ反応が違う

 

「くくく…」

 

ジョンストンだけは肩を揺らしていた

 

「ジョンストン⁇アーユーオーケー⁇」

 

「あはははははは‼︎」

 

「あっはっはっは‼︎」

 

「あたまうったか⁇」

 

「ジョンストン⁉︎マーカスに診て貰いましょ‼︎」

 

イントレピッドが焦る

 

きっと、ジョンストンは落ちた際に頭を打っておかしくなったと思った

 

ジョンストンはピンピンしているが、それが逆に怖い

 

「ジョンストン‼︎しっかりなさい‼︎」

 

「あははははは‼︎違うの‼︎びっくりしちゃって‼︎」

 

ジョンストンはずっと爆笑したまま、三人の前にいる

 

「ジョンストン⁇」

 

「どうした⁉︎凄い音が聞こえたぞ‼︎」

 

流石のヴィンセントも気になって執務室から顔を出す

 

「ヴィンセント‼︎ジョンストンが頭打ってクルクルになったのよ‼︎」

 

「私は大丈夫‼︎ビックリしただけだから‼︎」

 

「一応大尉に診て貰おう‼︎大事になるといけないからな‼︎」

 

一応掃除が終わったので、ひとみといよのお仕事も終わり

 

二階の床は妖精達が急ピッチで直している

 

「大尉に連絡を入れるからな⁇」

 

「大丈夫だって‼︎ホントよ⁇」

 

「ジェミニ。ヴィンセント・マクレガーだ。マーカス大尉に繋いでくれ」

 

ケラケラ笑うジョンストンを尻目に、ヴィンセントはまずは中継である横須賀に繋げる

 

《どうした⁇》

 

マーカスはすぐに無線に出た

 

「ひとみといよとジョンストンが二階から落ちて、ジョンストンが頭を打ったんだ。診てくれないか⁇」

 

《了解した‼︎演習終了‼︎》

 

「すまない…」

 

マーカスはすぐに演習を切り上げてくれ、緊急事態の為、一番最初に降りて来た

 

「さ、ヒトミ、イヨ、ジョンストン‼︎行こう‼︎」

 

「もぅ…大丈夫だって…」

 

口では嫌がるジョンストンだが、ヴィンセントが腕を広げるとちゃっかり抱き着く

 

「ヒトミとイヨは私と行こっか」

 

ひとみといよはイントレピッドに抱き上げられ、マーカスのいる工廠に向かう…


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