艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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26話 ワタリドリ(3)

「…全機、聞こえたな⁉︎我々の代表は我々を捨てた」

 

《な、何を…》

 

「一番安全な場所に連れて行って進ぜます。やれ」

 

《じゃあな‼︎》

 

《失望しました》

 

《貴様ら、う、うわぁぁぁぁあ‼︎》

 

輸送ヘリが火を吹いて、全機撃墜される

 

こう言う悪人に限って、第二第三の代わりが出てくるんだな…

 

「戻るぞ。援護が必要な奴はまだいる」

 

《了解。私は飛龍隊の支援に参加します》

 

横須賀の機体が隊列を離れる

 

《了解。俺はあのナイチチの援護に向かうよ》

 

《誰がナイチチや‼︎助けてくれ〜‼︎死ぬ〜》

 

下で軽空母”龍驤”が吠えている

 

《あいつ、気に入ったぜ‼︎待ってろ‼︎今行ってやる‼︎》

 

《はよ助けろ黒いの‼︎持ってかれるわ‼︎》

 

「さて、俺は…うわっ‼︎」

 

左翼に被弾か…

 

だが、まだ飛べる‼︎

 

「来い‼︎始末してやる‼︎」

 

反転して迎撃しようとしたが、レーダーから反応が消えた

 

《大佐‼︎大丈夫ですか⁇》

 

現れたのはワンコだ

 

Su-37に乗っている

 

「お前か‼︎」

 

《すみません。大佐の愛機をお借りしました》

 

「構わん。お前にやる。援護してくれ」

 

《了解です‼︎》

 

Su-37に乗ったワンコは、何処か凛々しく見えた

 

飛び方も、中々筋が良い

 

《大佐。ちょっと試したい武装があるんです。いいですか⁇》

 

「俺を巻き込むなよ‼︎」

 

《大丈夫です‼︎起動‼︎》

 

ワンコが何やらスイッチを入れた

 

すると、数機の黒い機体が反旗を翻し、ワンコの両翼、そして背後に着いた

 

《三機…今の出力じゃこんなものか…》

 

「何をしたんだ⁉︎」

 

《ハッキングですよ。彼等の機体は、無人の場合が多いですから、作ってみたんです》

 

「やるな‼︎」

 

《大佐、我々は貴方に着きます。御命令を》

 

「よし。このままたたみ掛ける‼︎アドミラル隊全機、敵空母に目標を切り替えろ‼︎」

 

《了解‼︎》

 

《分かった。前方の軽空母群に集中砲火する。ナイチチの連中、ちゃんと着いて来いよ‼︎》

 

《あいつ後でしばいたるからな‼︎艦載機のみんな‼︎しゃあない、あいつを援護したれ‼︎》

 

「イカロス、フォックス2‼︎」

 

《敵航空母艦、撃沈‼︎随伴艦も沈んでいきます‼︎》

 

「よし‼︎あらかた片付いたな。後は戦艦らに任せ…」

 

《大佐‼︎》

 

何やらワンコが焦っている

 

《潜水艦発射ミサイルです‼︎どんどん上昇してます‼︎》

 

「まずい‼︎全艦に告ぐ‼︎戦闘中止、鎮守府方面へ退避しろ‼︎航空部隊は高度を上げろ‼︎」

 

下では緊急退避が始まった

 

航空部隊は言われた通り、上昇を始めている

 

残っているのは敵艦のみになり、自分達の部隊も安定した高度まで上がれた

 

《大佐、いきなりどうしたんですか‼︎》

 

「潜水艦から発射されたミサイルは、恐らく時限式の炸裂弾だ。航空部隊は高度を上げれば、艦隊は海域を離れれば避けられ…」

 

話している最中、真下でミサイルが炸裂した


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