艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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さて、272話が終わりました

今回のお話は、横須賀に遊びに来たひとみといよ、そしてその裏で行動するマーカスのお話です

牧場で遊ぶひとみといよ

その裏でマーカスは誰かに捕縛され…


274話 ピザとニューティーチャー(1)

ある日の横須賀…

 

「パース、パース、パース、ピザこねるパース‼︎」

 

「こねうぱ〜す‼︎」

 

「こえこえ〜‼︎」

 

絶好のお天気日和のその日、表でパースがピザ生地をこねていた

 

ひとみといよは今から牧場でアヒルと遊ぼうとしていた矢先、絶好の遊び相手を見付けて一緒にピザを作っている

 

「次はソースを塗るパース‼︎」

 

「とあとそーす‼︎」

 

「ちーず‼︎」

 

ひとみはトマトソース、いよはチーズをピザ生地に乗せる

 

「最後はトッピングパース‼︎」

 

「さあみ‼︎」

 

「べーこん‼︎」

 

「焼くパース‼︎」

 

ピザ生地の上にトッピングを乗せ、パースによってピザ窯にインされる

 

「ぼぁー‼︎」

 

「あっちっち‼︎」

 

「美味しく出来上がると良いパース‼︎」

 

ピザが出来上がるまで、三人はピザ窯の小窓を見て時間が来るのを待つ

 

しばらくすると、いよが地べたに座って何かを作り始めた

 

「たいまつ‼︎」

 

「あぉー‼︎」

 

いよはバンボー族村辺りで覚えたのか、松明の作り方を覚えていた

 

「松明で何するパース⁇」

 

「ばんぼーっておどう‼︎」

 

「うっほ‼︎うっほ‼︎ってすう‼︎」

 

まだ火が点いていない松明片手に、ひとみがバンボー族の踊りを披露する

 

そんな矢先、一人の女性がパース達の元に来た

 

「美味そうな匂いがすると思ったらここかぁ‼︎」

 

「れた‼︎」

 

「がいばうでー‼︎」

 

「げ‼︎アンタらは‼︎」

 

たまたま前を通りがかったガリバルディが三人の前に来た

 

この二人、未だにガリバルディが嫌いで仕方ない

 

ガリバルディもひとみといよが苦手

 

パースは板挟みに遭い、ガリバルディと二人を交互に見る

 

「げ‼︎ってあんや‼︎」

 

「ひーつけうれ‼︎」

 

「はんっ‼︎今日はそうは行かねーぜ‼︎」

 

ガリバルディが意気揚々とひとみといよに胸を張る目の前で、二人が行動に出る

 

「いたいめにあってもあいましぉ」

 

「ぼっ‼︎」

 

一旦ピザ窯の方を向いたいよは、松明に火を点けてガリバルディの方に向き直す

 

「危ないパース‼︎」

 

「えいしゃんぶっこおいちようとちた‼︎」

 

「あぶなかた‼︎」

 

「それはダメパースな」

 

一撃でパースを味方に付けたひとみといよ

 

「ろーすう⁇」

 

「こえでがいばうでーのけつにひーつけうか⁇」

 

「つけう‼︎」

 

「ま、待て‼︎分かった‼︎悪かった‼︎やり方がエゲツないって‼︎」

 

ガリバルディはジリジリと引き下がる

 

「まて‼︎どこいくんあ‼︎」

 

「ケツに火は良くないだろ‼︎」

 

「ちにはしましぇん」

 

「ちぉっとやくだけです」

 

そう言って、二人はガリバルディに火を近付ける

 

「あちゃちゃちゃちゃ‼︎」

 

「このくあいにちときあしぉ‼︎」

 

「にげうなお。やくかあな」

 

「わ、分かったよ…」

 

いよに釘を刺され、ガリバルディは二人の背後で待つ

 

いよの方がガリバルディを嫌いな様子

 

「ささ‼︎出来上がりパース‼︎」

 

「れきああり〜‼︎」

 

「おいししぉ〜‼︎」

 

木で作られた机の上にピザが置かれる

 

三枚共美味しそうに焼き上がっており、ひとみといよは長椅子の上に立ってそれらを見ている

 

「がいばうで〜」

 

「な、何だよ…」

 

「ここすあって」

 

「わ、分かったよ…」

 

ひとみといよの圧に負け、ガリバルディはひとみといよの対面に座る

 

「あいっ‼︎」

 

「いいのか⁉︎」

 

あれだけガリバルディを嫌っていたいよが、ガリバルディの前に切ったピザを差し出した

 

「こえひとみの‼︎」

 

「これはパースのピザパース‼︎」

 

トサトサとガリバルディの前の紙皿に三枚のピザが置かれる

 

「何であたしなんかに…」

 

「みんなれたえましぉ‼︎」

 

「たのち〜です‼︎」

 

「そそ‼︎ご飯はみんなで食べた方が楽しいパース‼︎」

 

「なるほどな…じゃあ、頂きます‼︎」

 

「「いたあきます‼︎」」

 

三人がピザを食べ始めるのを、パースは少しの間眺める

 

「ち〜ずびぉ〜んてちてう‼︎」

 

「あちあちち‼︎」

 

「ははは‼︎」

 

ひとみといよがチーズに苦戦するのを見て、ガリバルディが笑う

 

それを見て微笑んだパースは小さく手を合わせ、ピザを口に運ぶ

 

「そういや、今日は二人で来たんか⁇」

 

「えいしゃんちけんていってた‼︎」

 

「試験⁇」

 

「かといしぇんしぇ〜‼︎」

 

「ぼっちゃんが試験だから、その間パースとピザ作ってたパース‼︎」

 

「ぼっちゃん…」

 

「パースはぼっちゃんのメイドみたいな感じパース」

 

「ほ〜ん…」

 

「がいばうでー、おいちい⁇」

 

「お⁇あぁ‼︎美味いぜ‼︎」

 

それを聞いて、いよはご満悦

 

その場に居た二人は気が付かなかった

 

この日、ひとみといよは自分達なりにガリバルディと仲良くなろうと本気で思っていた事を…


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