艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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バナナワニ園のワニエリアに来た榛名

早速ワニを叩き始めます


特別編 金剛バナナワニ園〜ワニ小屋エリア〜(2)

「ん〜と…次は右ダズルな」

 

看板通りに進む榛名

 

「ひぃ‼︎嫌だ‼︎」

 

「助けて‼︎誰か‼︎」

 

「こっちダズルな」

 

悲鳴が聞こえる方に行けば、ワニ園に行ける

 

「着いたダズル…おっ…」

 

ワニ園に着いた時、誰かが来たので建物の影に隠れて様子を伺う…

 

「く、来るな‼︎誰か来てくれ‼︎」

 

職員が一人、ワニに詰め寄られている

 

「うおりゃ‼︎」

 

榛名は急に飛び出し、ハンマーでワニの上顎を叩いた

 

ぷべら‼︎みたいな鳴き声を出した後、ワニは榛名に恐れをなしたのか、ワニ小屋に戻って行った

 

「あ、ありがとうございます‼︎」

 

「オメェは物分かりがいいダズルな⁇」

 

「自分はコンゴー様の元で働かせて頂いている者です」

 

「最近来た奴等はどこダズル」

 

「あの宿舎」

 

目先には、木造の宿舎がある

 

「おしゃ」

 

榛名は早速、宿舎の扉へと向かう

 

「開けるんダズル‼︎」

 

しかし、返答は無い

 

「そ〜かそ〜か。なら粉砕ダズル‼︎おりゃ‼︎」

 

たった一撃で扉は外れ、中には三人の男性が居た

 

「何の用だ‼︎」

 

「お前の居場所なんかここにはない‼︎」

 

「ちょっとオメェらにお灸をすえなきゃならんダズル。まずはオメェからダズル‼︎」

 

「人を殴りたいなら他所でやれ‼︎」

 

「榛名は殴らんダズルよ⁇」

 

榛名はそのまま、一番近くに居た男性を縄でぐるぐる巻きにし、外へと連れ出す

 

「今からオメェをそこにくくりつけるダズル」

 

「何をする…やめろ‼︎お前には道徳が無いのか‼︎」

 

「悪人共に向ける道徳なんざねぇダズル‼︎」

 

榛名は本当に表に刺さっていた棒に男性をくくりつけた

 

「やめろ‼︎喰われる‼︎喰われる‼︎」

 

「次はオメェダズルな‼︎」

 

「嫌だ‼︎反省してます‼︎反省してますから‼︎」

 

「はいはい。能書きはいいダズル」

 

こうして、三人はワニ小屋の真ん前で身動き取れずに野晒しにされた

 

「榛名がワニ小屋開けたらどうなるダズル⁇」

 

蒼龍並の“ニタァ”と笑った顔を、三人へと向ける

 

榛名の手は、今ワニ小屋の扉に掛かっている

 

「ま、真面目に働いてる‼︎」

 

「本当だ‼︎」

 

「反省してますから‼︎」

 

「んなこたぁ、榛名は知らんダズルな。ほれ‼︎」

 

ガラガラガラ‼︎と少しだけワニ小屋を開け、そして締める

 

「やめて下さい‼︎」

 

「こんな所で死にたくない‼︎」

 

「もうあんな事絶対しませんから‼︎」

 

「あははははは‼︎傑作ダズル‼︎」

 

三人共、怯えた顔を榛名に向ける

 

「もう絶対しねぇダズルな⁇」

 

「「「絶対しません‼︎」」」

 

三人声を揃えて、二度と同じ過ちをしない事を誓う

 

「まぁ、許してやるダズル。君、外してやるダズル」

 

「分かりました‼︎」

 

先程の職員が、三人の拘束を解いた

 

「いいか。榛名の言った言葉の返事は、はいかイエスダズル。分かったか‼︎」

 

「「「はい‼︎」」」

 

「よしゃ。んじゃ榛名はワニの調教に入るダズル。各々の仕事をするダズル」

 

「「「はい‼︎」」」

 

完全にはいしか返事をしなくなった三人は、ワニ小屋の周辺を掃除し始めた

 

「あ、えっと、ハルナ‼︎」

 

「あ⁇」

 

「自分、ポコ言います‼︎」

 

「そうダズルか。ま、ちょっと待ってるダズル」

 

「え⁉︎ハルナ‼︎嘘でしょ⁉︎」

 

そう言って、榛名はハンマー片手にワニ小屋へと入って行った

 

 

 

 

「うひゃ〜‼︎」

 

ワニ小屋に入った榛名は大興奮

 

至る所に、ワニ、ワニ、ワニ

 

デカイのから小さいのまで沢山いる

 

「なにガン飛ばしてんダズル」

 

口を大きく開けて威嚇する、榛名の近くにいた中くらいのワニ

 

榛名はわざとらしく、ハンマーを床に置き、ドンッと音を出した

 

中くらいワニは一瞬ビクッとなるが、威嚇はやめない

 

「ガン飛ばしてんならかかって来いダズル‼︎」

 

榛名の言葉が分かったのか、中くらいワニは榛名に向かって来た‼︎

 

「うおりゃあ‼︎」

 

榛名は中くらいワニをサッと避け、ボディに強烈な一撃を加えた‼︎

 

中くらいワニは痙攣し始め、榛名の足元に倒れた

 

「た、たまらんダズル…」

 

ワニを叩いて、超御満悦な榛名

 

しかし、それを良しとしないワニ小屋のワニ達

 

既に榛名の近くのワニ達は、口を開けて威嚇しているか、ゆっくりと榛名に近付いている

 

「な〜に見てるんダズル」

 

榛名も榛名でワニ相手に挑発する

 

再びそれに気付いたのか、榛名を中心に扇状に展開したワニ連合は一斉に榛名に襲い掛かった‼︎

 

「オラオラオラオラオラ‼︎」

 

榛名も榛名で、ハンマーの殴打でワニを叩き返す

 

数匹が宙を舞い

 

数匹は壁に叩き付けられ

 

また数匹は榛名の足元で気絶

 

「ハンッ‼︎ヘボダズルな‼︎ボスを出すダズル‼︎」

 

ゾーンに入った榛名に敵は無い

 

ボッコボコにされたワニ達は、榛名を見て後退りし始めた

 

「お…」

 

そんな中、プールの中から巨大なワニがのっそりと出て来た

 

「そうそう‼︎こういうのダズル‼︎」

 

明らかにボス格の巨大ワニ

 

異質なのか、長年の争いがそうさせたのか、体長は5mを越し歴戦の猛者なのか、体には大量の傷がある

 

「オメェ相手には、ハンマーふたつダズル」

 

ダブルハンマーハルナVSボスワニの戦いが始まる‼︎

 

先手を取ったのはボスワニ

 

ボスワニは榛名に向かって行きつつ、口を開ける

 

「甘い甘いダズル‼︎おりゃあ‼︎」

 

榛名は最初のパターンと同じく、横に避け、今度は上顎にキツイ一撃を加えた

 

が…

 

「中々根性あるダズルな‼︎」

 

皮膚が厚いのか、ボスワニはゆっくりと榛名の方に向き直した

 

「今度はこっちの番ダズル‼︎」

 

榛名はまず左手のハンマーでワニのボディに一撃を入れ、間髪入れずに右手のハンマーでもう一度上顎に打撃を与える

 

「ほほぅ⁇」

 

普通なら一発だけでもかなりのダメージが入る榛名のハンマーを三発も耐え、あまつさえ睨み返している

 

「ぐわ‼︎」

 

ボスワニは榛名の一瞬の隙を突き、榛名の左手のハンマーの柄に噛み付き、へし折った

 

「な、中々やるダズルな…」

 

ボスワニは強さを見せびらかすかの様にハンマーの柄をボリボリと鳴らせた後、その辺に吐き出した

 

「そろそろ本気で行くダズル」

 

おそらく、次の一撃で命運が決まる

 

榛名がエサになるか…

 

ボスワニの痙攣か…

 

そして、ボスワニが榛名に向かって走り出した…

 

 

 

 

「ハンッ‼︎榛名に勝とうなんざ五百年早えぇダズル‼︎」

 

榛名の眼下には仰向けにひっくり返り、痙攣するボスワニの姿がある

 

榛名は立ち向かって来たボスワニの脳天に対し、本日最高威力の一撃を振り下ろしたのだ

 

「やっぱり榛名が一番ツエーんダズルな‼︎はっはっは‼︎」

 

「は、ハルナ‼︎これは一体‼︎」

 

「死んじゃあいねぇダズル」

 

ワニの餌を持って来たポコが目にしたのは、気絶しまくり、痙攣しまくりのワニ達の姿

 

ポコからすれば、榛名は超が付くヤバイ人間に見えた

 

なんせ銃火器の類も無しに数十匹はいたワニを全滅させたからである

 

「オラ、いつまで痙攣してるダズル‼︎飯ダズル‼︎」

 

榛名が手をパンパンと叩くと、痙攣していたワニも気絶していたワニも我に返った

 

起きないとまたハンマーによる一撃が来ると、本能で察知したワニ達は、ポコが持って来た鶏肉の前に来た

 

「一列に並ばなきゃハンマーダズル」

 

榛名が手振りで“一列に並べ”と促すと、ワニ達は一列に並び始めた

 

「ハルナ‼︎どうやって芸教えた⁉︎」

 

「本能で分からせたダズル」

 

ポコは驚きを隠せない

 

しかも、ワニ達はキチンと一匹一匹鶏肉を受け取り、ほぼ全員に鶏肉が行き渡った

 

一匹を除いて…

 

「ほれ、オメェも食うダズル」

 

ボスワニは負けた事を理解したのか、端っこの方にいた

 

「オメェはよく戦ったダズル」

 

榛名に賞賛され、体を撫でられ、ボスワニは鶏肉を口にした

 

「ワニ達いいダズルか‼︎人間食ったら、榛名がオシオキするダズル‼︎ちゃんと言う事を聞いたワニは、沢山お肉が食えるダズル‼︎」

 

勿論分かって無いワニの方が多い

 

が、ボスワニだけは何となく理解してくれた気がした榛名

 

「そうだハルナ。ここでは放し飼いのワニ見るワニクルーズある。そこのワニ、ちょっと凶暴。ハルナ出来るか⁇」

 

ポコが言うには、放し飼いされているワニはワニクルーズを目的に来る人が居るが、若干凶暴らしい

 

「やってや…あ⁇どうしたダズル」

 

ボスワニが榛名に着いて来た

 

「このワニ、外でも最強」

 

「連れてっていいダズルか」

 

「まぁ…」

 

ボスワニとポコと一緒に、榛名は外に出て来た

 

「げっ‼︎」

 

「やめて下さい‼︎なにしてるんですか‼︎」

 

「早くしまって下さい‼︎」

 

表にいた三人はボスワニに慌てふためく

 

が、ボスワニは見向きもせず、川に向かって歩き始めた

 

「す、凄い…」

 

「我々はなんて人達を相手にしていたんだ…」

 

「ま、真面目に生きよう…」

 

ボスワニが表に出て来た事より、榛名の強さに感服した三人はこれ以降、真面目に働き、精を出したと言う…

 

 

 

「そっから行くんダズルか」

 

二人と一匹の前には、思っていたより遥かに綺麗な川があった

 

ボスワニは川沿いの砂が多い辺りに着いた途端、足を止め、榛名の方を見た

 

「よ〜し、良い子ちゃんダズル‼︎潜ったらダメダズル。いいな⁇」

 

ボスワニは一度瞬きをした

 

それは“分かった”との相槌にも見えた

 

「よっこらせダズル」

 

榛名がボスワニの背中に乗ると、ボスワニは視線を川の方に向け、川に向かって歩き始めた

 

「ハルナ‼︎気を付ける‼︎」

 

何となく、ポコは榛名なら出来そうと踏んでいた

 

それに、ポコは金剛から聞かされていた

 

榛名が来たら、ワニを調教するだろうから、後は逆らわずに任せれば良い、と…


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