艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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今回のお話は特別編です

金剛の所に向かう榛名

金剛の居場所は台湾

そこで金剛は何をしているのか…⁇


特別編 金剛バナナワニ園(1)

ある日の昼下がり…

 

「貴子さん。補給を受けたいダズル‼︎」

 

「あらっ、はるちゃん‼︎いらっしゃい‼︎勿論よ‼︎そこに座って‼︎」

 

突然榛名が補給を受けに来た

 

「いやぁ〜、ちょっくら台湾まで行かなきゃなんね〜ダズル‼︎」

 

非番でたまたま食堂にいた俺は、榛名の言葉にあの日のタナトスの言葉を思い出した

 

“金剛さんのバナナワニ園に連れてくといいでち‼︎”

 

「金剛の所か⁇」

 

「そうダズル‼︎リシュリューと一緒にチマチマチマチマ開墾してたんダズル‼︎」

 

今日はやたらとテンションが高い榛名

 

「そんなに金剛さんに会いたいの⁇」

 

「合法的にワニ叩けるからダズル‼︎」

 

「「なるほど…」」

 

榛名ならやりかねんな…

 

何にせよ、榛名は嬉しそうだ

 

「んじゃ、行って来るダズル‼︎貴子さん、ありがとうダズル‼︎」

 

「気を付けて行くのよ〜‼︎」

 

「バナナイッピー持って帰るダズル〜‼︎」

 

よほどワニを叩けるのが嬉しいのか、榛名は全速力で台湾方面に向かって行った…

 

 

 

 

 

数時間後、台湾

 

「来た来たマイク‼︎」

 

「お待たせダズル‼︎」

 

一足先に港で待っていた霧島が榛名を見付け、台湾に入国

 

「入国審査マイク」

 

まずは入国審査

 

「ウッセェ‼︎とっとと通らせるダズル‼︎とか言ったらダメマイク‼︎」

 

「へ〜へ〜。任せるダズル」

 

「Business or pleasure⁇」

 

「Business Dazzle」

 

「Where is your workplace⁇」

 

「Kongo “Banyanya” crocodile Farm Dazzle」

 

それを聞くなり入国審査官は慌てた表情になり、榛名、そして霧島のパスポートにスタンプを押した

 

「一発ダズル」

 

「バイリンガルなのを忘れてたマイク…」

 

「これ貸してやるダズル。これで言葉が分かるダズルよ」

 

榛名は振袖からきそリンガルを取り出し、霧島に渡す

 

霧島はそれを耳に付け、いざ金剛のバナナワニ園を目指す

 

 

 

「そこのお姉さん‼︎タクシー乗らないかい‼︎」

 

「海外に在り来たりな陽気なタクシーのにーちゃんダズル」

 

「折角だから乗るマイク」

 

「ありがとうございまぁーす‼︎」

 

二人はタクシーの後部座席に乗り、運転手がエンジンを掛けた

 

「どちらまで行かれますぅー‼︎」

 

「とりあえず出すダズル」

 

「かしこまりー‼︎」

 

タクシーが走り出し、榛名が目的地を告げる

 

「コンゴーバナナワニ園まで行くんダズル」

 

そう言うと、タクシーのにーちゃんが冷や汗を流し始めた

 

「お、お客さん…あそこは今はあんまり近付かねー方がいーです…」

 

「命が惜しけりゃ、前向いてアクセルダズル」

 

「は、はいぃ‼︎」

 

タクシーに乗っている間、榛名は外を眺めたりと静かにしている

 

「メガネのお姉さんも“コンゴー様”の所へ⁇」

 

「そうマイク。私達の姉マイク」

 

「ひ、ひぃ‼︎丁重にお送り致します‼︎」

 

タクシーのにーちゃんは更にしっかりとハンドルを握る

 

「コンゴー様ってなんダズル」

 

「コンゴー様は、私達に仕事が無い時に私達を雇ってくれます。あのお方が来てから、この街は潤いましてねぇ」

 

「アイツも役に立つダズルな」

 

「DeathDeath言ってるだけじゃないマイク」

 

「ですが、ここ最近悪人共を雇ったみたいで…貴女達が普通の女性だったら、行かせはしませんがねぇ…それで最初に断りを入れたんでさぁ」

 

「そいつらを更生させに来たんダズル」

 

「最悪、ワニに食わせてやるマイク」

 

「さ。ここでさぁ」

 

話している最中、目的地に着いた

 

「幾らダズル⁇」

 

「やー‼︎結構でさぁ‼︎コンゴー様には世話になってまっし‼︎」

 

「んじゃ、帰りも頼むダズル」

 

「来なきゃワニの…」

 

「ぜぜぜ絶対来まさぁ‼︎ははは…」

 

タクシーのにーちゃんを脅し、二人は入口前に立つ

 

入口には

 

“Kongo Banana crocodile Farm”

 

と、アーチが作られており、辺りには熱帯雨林にありそうな草木がある

 

「来てくれたDea〜th‼︎」

 

建物の入口から、久方振りに見る金剛が出て来た

 

「久方振りダズルな」

 

「元気にしてたマイク⁇」

 

「元気もなにも、売り上げ好調‼︎お金ザクザクDeath‼︎」

 

「大丈夫そうダズルな」

 

「ま〜ま〜、上がって一服するDea〜th‼︎」

 

金剛に背中を押され、榛名も霧島も建物に入る

 

建物は木造建築であり、ここは事務所兼小さな休憩所

 

霧島は普通に、榛名はハンマーを壁に置き、足を組んで椅子に座る

 

「榛名〜‼︎葉巻吸うDeath⁇」

 

「ヤベェのじゃなきゃ欲しいダズル」

 

「バナナの葉の葉巻Dea〜th‼︎」

 

金剛から投げ渡された葉巻を榛名が取り、口に咥えて、机の上にあったライターで火を点ける

 

「基地じゃ中々吸えないマイクね…」

 

「こういう時にっ…ブハァ…吸っろくもんらるる‼︎」

 

葉巻を咥えた榛名は、久方振りの紫煙を楽しむ

 

しばらく口に溜め込み、一気に吐き出す

 

「…ブハァ〜…ウメェダズル‼︎」

 

「榛名が葉巻咥えると更にハクが付くマイク…」

 

「んで⁇榛名達を呼んだ理由はなんダズル⁇」

 

「ま〜ま〜、ちょっと待つDeath。バナナジュースでも飲むDeath‼︎」

 

金剛はバナナジュースを乗せたお盆を榛名達の前に置き、それぞれの前に置いた

 

「頂くダズル」

 

「頂くマイク」

 

バナナ100%のジュースを流し込み、一旦喉の乾きを潤す

 

「話は聞いてると思うDeath」

 

「先の件の軍人ダズルな」

 

「一応は言う事は聞くDeath」

 

「奴等はバナナの方ダズルか⁇ワニダズルか⁇」

 

「ワニの方Death」

 

それを聞いて、榛名の目は嬉々とした

 

「霧島。オメェバナナの方担当ダズル。いいな⁇」

 

「そっちの方が楽そうマイク。オッケーマイク‼︎」

 

「んじゃ榛名はワニダズル‼︎よ〜し、盛り上がって来たダズル‼︎」

 

榛名は葉巻を灰皿に押し付け、バナナジュースを飲み干した

 

「あぁ、榛名‼︎葉巻持って行くDeath‼︎」

 

「こりゃあ中々旨かったダズル‼︎」

 

金剛から葉巻が5本ほど入ったケースを受け取り、榛名は振袖にしまう

 

「さ〜て、ワニと野郎の更生タイムダズル‼︎」

 

榛名は腕を回した後、ハンマーを手にする

 

「ワニ園はここを出て左に曲がって、ずっと奥Death‼︎看板通りに進むDeath‼︎」

 

「最悪ワニの二、三匹倒しても良いダズルな⁇」

 

「あんまり倒したらダメDeathが…それ位ならオッケーDea〜th‼︎」

 

「むっふふふ…」

 

興奮でウズウズする榛名

 

普段ゲーセンで培ったワニ叩きの技術を、遂に活かせる日が来たのだ‼︎


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