艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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またまた題名は変わりますが、前回のお話の続きです

貴子さんのハンバーグを楽しみにしていたマーカス

そんな矢先、とある理由で貴子さんが大出血します


268話 貴子さん、大出血‼︎(1)

「ただいま‼︎」

 

「おかえりなさい‼︎もうすぐ出来るからね‼︎」

 

今日は楽しみな貴子さんのハンバーグ

 

手洗いうがいをした後、子供達の様子を見に行く

 

「貴子さん。アトランタは⁇」

 

「ウィリアムの所よ‼︎ひとみちゃんといよちゃんと遊んでるわ‼︎」

 

「どれどれ…」

 

食堂を出て、執務室に向かう

 

「隊長。俺だ」

 

「レイか‼︎開いてるぞ‼︎」

 

隊長の声が聞こえた後、俺は執務室のドアを開けた

 

「うぉ⁉︎」

 

入った途端、いつもの執務室とは違う事がすぐに分かった

 

大パノラマになっている…

 

「えいしゃんおかえい‼︎」

 

「だいとかいれす‼︎」

 

「こりゃまた凄いな‼︎」

 

ひとみといよの周りにはビル群

 

「マーカスお兄さんにおかえり〜って言ってごらん⁇」

 

街の中心にいる隊長の膝の上にはアトランタ

 

隊長の言った通り、執務室にいると大人しくしており、走って来る電車を見て拍手している

 

「あとあんたとつくった‼︎」

 

「ぱ〜すぃ〜まけた‼︎」

 

「そうかそうか‼︎みんなで作ったんだな⁇」

 

「「うんっ‼︎」」

 

ひとみといよと話した次は、アトランタ

 

「アトランタっ」

 

隊長がほんの少しだけアトランタを揺すると、ようやくアトランタは俺に気付き、こっちを向いた

 

そして、右手を俺の方に伸ばす

 

それを見てしゃがむと、行きと同じ様に人差し指で俺の頭を撫でてくれた

 

「おかえいなしゃい‼︎」

 

「えいしゃんしゅきしゅき‼︎」

 

「ホントだな。貴子が朝方言ってたんだ。アトランタはレイの頭を撫でるって」

 

「行って来ますとおかえりなさいらしい。アトランタなりの挨拶さっ」

 

「ふふっ…さっ‼︎飯の時間だ‼︎ひとみ、いよ‼︎行くぞ〜‼︎」

 

「おかたじゅけあ⁉︎」

 

「おもちぁしまう‼︎」

 

「いいさ。しばらくこのままにしておこう‼︎」

 

隊長の一言で、大パノラマはそのままになる事が決定

 

「アトランタも遊びたいみたいだし、しばらくはそのままにしとこうか⁇」

 

「あかった‼︎」

 

「きぉ〜のごはんは、あ〜にかあ〜⁇」

 

ひとみといよを引き連れ、一足先に食堂に戻って来た

 

「おほっ‼︎」

 

待ち侘びた貴子さんの手作りハンバーグ‼︎

 

それも二個ある‼︎

 

「トマトソースと、黒胡椒で良かったよね⁉︎」

 

「あぁ‼︎これが一番好きなんだ‼︎いただきます‼︎」

 

俺はこの組み合わせが一番好きだ

 

トマトの酸味と、黒胡椒のピリッとした辛さ、そして肉が交わるあの瞬間…

 

これが絶妙に美味いんだ

 

「ビビリもビビリで作り甲斐のある食いっぷりだな⁇」

 

「よっぽど好きなんだろうな…」

 

アークと隊長が俺を見て話し、貴子さんがニコニコしている

 

アトランタはカーペットに座った母さんの膝の上におり、子供達が食べ終わるのを二人で眺めている

 

「あの人はマーカスお兄さんよ⁇」

 

アトランタは俺に気付き、俺を指差しながら母さんの方を見る

 

散々パースィーで遊んだからなのか、手にパースィーはいない

 

あぁ、そう言えばパノラマを走っていたな

 

「あの人はアークお姉さんよ⁇」

 

今度はアークを指差す

 

「アトランタももう少ししたら食べような⁇」

 

アトランタなりに、段々遊び相手が分かって来たみたいだ

 

「さっ‼︎アトランタもご飯ね〜。スパイト‼︎ありがとう‼︎」

 

「私も頂くわ‼︎とっても美味しそうね‼︎」

 

「いっぱい食べてね‼︎」

 

貴子さんは母さんからアトランタを貰い、授乳の為に一旦自室に戻った

 

「貴子さんのハンバーグは美味いぞ‼︎本当に‼︎」

 

「頂くわ‼︎」

 

「ぎゃぁぁぁあ‼︎」

 

母さんがハンバーグを口にした瞬間、食堂の向こうから悲鳴が聞こえた

 

ドサドサと倒れる大人連中…

 

「あえ⁇」

 

「おめめくうくうになってう」

 

生き残ったのは、ひとみといよ

 

残りの大人連中、子供達は気絶

 

「たかこしゃん、ぎぁぁぁあいってた‼︎」

 

「くっこおおきて‼︎」

 

手身近に居たアークを揺するが、反応は無く、目を回している

 

「たかこしゃんのとこいこ‼︎」

 

「ぎぁぁぁあ‼︎」

 

いよは貴子さんの叫び声を真似しながら、貴子さんとアトランタのいる隊長の自室に来た

 

「らいじぉ〜ぶれすか⁇」

 

「ひ、ひとみちゃんいよちゃん‼︎マーカス君呼んで‼︎」

 

「えいしゃん、おめめくうくう」

 

「じ、じゃあぬりぬりのお薬取って来てくれる⁉︎」

 

「あかった‼︎」

 

ひとみが薬を取りに向かい、様子がおかしい貴子さんを見る為にいよが残った

 

「けがちた⁇」

 

「そうなのよ…まさかアトランタに歯が生えてるとは思ってなかったのよ…」

 

「い〜」

 

いよはアトランタに自分の歯を見せるが、アトランタはボーッといよを見返すだけ

 

「ち〜れた⁇」

 

「えぇ…ちょっと痛いわ…」

 

「おくすいもってきた‼︎」

 

「ありがとう‼︎」

 

ひとみが塗り薬を持って来てくれたので、貴子さんはすぐにそれを胸に塗る

 

「えいしゃん、まらおめめくうくう」

 

「おこす‼︎」

 

「ごめんね…ちょっとお願いするわ⁇」

 

「おまかしぇ‼︎」

 

「あかせて‼︎」

 

ひとみといよは部屋から出て、食堂に戻って来た

 

「えいしゃんおきて‼︎」

 

「たかこしゃん、ち〜れた‼︎」


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