艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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題名と話数は変わりますが、お話は続きです

懲りずにレイの背中で遊ぶアトランタ

遂に背中で大規模作戦が展開されます


265話 雷鳥の背中を上陸作戦として使うベイビーギャル

食堂に帰って来ると、アークがアトランタの相手をしていた

 

「マーカスお兄さんが帰って来たぞ‼︎」

 

アークがそう言うと、アトランタはすぐに俺を見てハイハイで寄って来た

 

そしてすぐに俺の左足を押し、早くうつ伏せになれ‼︎とせがむ

 

「ビビリ。アークはヒトミとイヨと夕飯のお手伝いに入る。アトランタを頼んだぞ‼︎」

 

「分かった‼︎アトランタも分かった‼︎」

 

アークが行ってすぐ、俺は少しアトランタから離れ、ソファーの下にうつ伏せになる

 

目の前にタブレットを立て、それを見ながらアトランタが乗るのを待つ

 

そして、ハイハイで寄って来たアトランタはすぐに俺に乗る

 

「ははは‼︎」

 

しばらくタブレットで動画を見ていると、アトランタが俺の背中に乗ったまま、ソファーに何かを置いている事に気が付いた

 

しかし、頭の上にはトリケラトプス

 

少しでも動けばトリケラトプスは落ち、パースィーによる打撃が入る

 

なので、何かを置いているとしか感じられなかった

 

ソファーの上に何かを置き終わると、今度は俺から降り、俺の背中に何かを置き始める

 

一つ置いてはガサゴソ

 

そしてまた置く

 

そんな中、ある程度の夕飯の支度を終えた貴子さんが来た

 

「ゔぇ‼︎アトランタ‼︎」

 

貴子さんが驚いている

 

「マーカス君。動いちゃダメよ⁇ウィリアム呼んでくるから‼︎」

 

「わ、分かった…」

 

どうやら俺の背中は凄い事になっているらしい

 

貴子さんが食堂を出てすぐ、隊長と一緒に戻って来た

 

「お〜お〜アトランタ‼︎随分派手に遊んだなぁ⁇」

 

アトランタは一瞬手を止めた

 

隊長に呼ばれたので、そっちを見ているのだろう

 

「レイ。動くなよ⁇」

 

「俺の背中はどうなってる…」

 

「ノルマンディー上陸作戦が展開されてる」

 

「なんっ‼︎」

 

隊長の一言で大体状況は把握出来たと同時に、どうしても一目見たくなった

 

「隊長‼︎こいつで写真撮ってくれ‼︎」

 

「どれ、任せろ」

 

タブレットを隊長に渡し、数枚写真を撮って貰う

 

「こんな感じだ」

 

「うは〜…」

 

俺の背中では、思ったよりノルマンディー上陸作戦が展開されている

 

ソファーの上に置いていたのは、どこから持って来たか分からないドイツ陸軍のミニチュア達が大量

 

そして、俺の背中には緑の兵隊達が大量

 

「アトランタ⁇マーカス君はオマハビーチじゃないのよ⁇」

 

貴子さんに怒られている事に気付いてないのか、アトランタは貴子さんにフィギュアを渡す

 

「もぅ…」

 

貴子さんは呆れ顔でドイツ兵のフィギュアをソファーに置く

 

「おっ。私もか⁇」

 

アトランタは隊長にもフィギュアを渡す

 

隊長は俺の脇腹付近に緑の兵隊のフィギュアを置く

 

隊長が置いた所で、アトランタはグミの時と同じように手を合わせた

 

完成して喜んでいるみたいだ

 

「マーカス君にありがとうは⁇」

 

「ありがとうだぞ、アトランタ⁇」

 

タブレットを暗くして、俺の左側で話している三人を見る

 

貴子さんと隊長に言われて何かを思ったのか、アトランタはハイハイで俺の顔の所に来て座る

 

「楽しかったか⁇」

 

俺がそう言うと、トリケラトプスを取った

 

「ありがとうよ、アトランタ⁇」

 

貴子さんの声でアトランタは振り向き、すぐに俺に視線を戻す

 

そして…

 

「アトランタ…」

 

「う〜ん…」

 

貴子さんが呆れ顔になり、隊長は頭を抱える

 

アトランタは先程のトリケラトプスよろしく、俺の頭を右手の人差し指でクリクリと撫でた

 

「あとらんたはすてぃんぐれいすきなんだね⁇」

 

たいほうにそう言われアトランタは一瞬そっちを向いた後、もう一度俺の頭を撫でた

 

「あとらんたはすきなものなでるんだよ‼︎」

 

「そうなの⁇どれどれ…」

 

貴子さんはトリケラトプスをアトランタから貰い、それをアトランタに向けて見た

 

すると、アトランタは同じ様にトリケラトプスの頭を撫でた

 

「あらっ‼︎ふふっ‼︎」

 

アトランタなりの愛情表現が分かり、その場にいた全員が和む

 

「眠たいんだな⁇」

 

アトランタの瞬きの感覚が長くなって来た

 

「おっぱい飲んでねんねしましょうね⁇」

 

貴子さんに抱かれて、アトランタは寝室に連れて行かれた…

 

「すまなかったな、レイ」

 

「んなぁ。いいこった‼︎」

 

こんなに申し訳無さそうな隊長初めて見た…

 

「貴子が、明日はレイの好きな物作るってさ」

 

「ハンバーグ一択だな‼︎」

 

「レイはハンバーグ派か」

 

どうやら貴子さんの好きな料理はそれぞれ違うみたいだ

 

「ひとみといよはフライドポテトらしいぞ⁇」

 

「昔作って貰ってから、ずっと好きなんだ」

 

「それを聞くと貴子が喜ぶな‼︎よしっ‼︎飯にしよう‼︎」

 

晩御飯はひとみといよ、アークが下ごしらえしてくれたスパゲッティを食べ、ようやく一日が終わる…


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