艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

904 / 1086
さて、261話が終わりました

今回のお話は明るいお話です‼︎

イーサンの一件が終わり、ようやく休暇を取れたマーカス

食堂で休んでいると、汽車ポッポのオモチャを持った“あの子”がハイハイで寄って来て…


262話 雷鳥を線路として使うベイビーギャル(1)

イーサンの一件から数日後…

 

ようやくほとぼりが収まり、基地で休暇を取れる日が出来た

 

「やっと休暇が取れた…」

 

アトランタの一件の時はあれ程暇だったのに、今度はてんてこ舞いだった為、休暇が欲しくなっていた所に来た休暇だ

 

食堂でゴロゴロしたい気分だ…

 

「疲れたでしょう⁇ここ数日色々てんてこ舞いだったものね…ありがとうね⁇」

 

朝方、貴子さんにコーヒーを淹れて貰い、あぁ、休みなんだな…と実感出来た

 

「ほ〜らほ〜らアトランタ‼︎ぬいぐるみだぞ〜⁇」

 

テレビの前で、アークが人形片手にアトランタの相手をしている

 

アトランタはおしゃぶりを咥えながらアークの人形に手を伸ばし、右手に抱え始める

 

「よ〜しよし良い子だな‼︎」

 

「私が手が回らない時、アークがほとんど見てくれてるの」

 

「ジャーヴィスの時みたいにならないといいな…」

 

貴子さんも俺も、二人を見て微笑む

 

「おいビビリ‼︎コーヒー飲んだら来い‼︎」

 

「分かったっ‼︎ごちそうさま‼︎」

 

「お願いするわね⁇」

 

コーヒーを飲み干し、アークとアトランタのいるカーペットの上に来た

 

「よっこらしょ‼︎アトランタ‼︎」

 

「この人はマーカスお兄さんだ‼︎」

 

アトランタの前に座ると、アークが紹介してくれた

 

「お…」

 

俺が来てすぐ、アトランタはおもちゃ箱の方にハイハイで向かって行く

 

そして…

 

「アトランタ…」

 

「汽車ポッポが好きなのだな‼︎」

 

アークはまだ気付いていない

 

アーク曰く、汽車ポッポをアトランタが手にするとどうなるか…

 

「アトランタ⁇パースィーは良くない。良くない、ってばぁ‼︎」

 

「ビビリ⁉︎」

 

「マーカス君⁉︎」

 

懇願虚しく、アトランタのパースィーが顔面に当たる

 

「マーカス君‼︎大丈夫⁉︎ちょっと見せて‼︎」

 

貴子さんに顔を掴まれ、被弾箇所を見て貰う

 

「アトランタ⁇これは投げるおもちゃじゃないの。めっ‼︎」

 

「アトランタ⁇マーカスお兄さんは痛い痛いだぞ⁇」

 

「だ、大丈夫だ。気にする事はない‼︎」

 

貴子さんとアークに言われても、パースィーを握るのはやめないアトランタ

 

いいだろう

 

「よし、アトランタ‼︎次は避けてやる‼︎」

 

「マーカス君はじっとしてなさい。鼻血が出てるわ⁇」

 

「そうだぞビビリ。アトランタはアークに任せろ‼︎」

 

しかし、俺もアトランタもやる気

 

絶対当てると自信のあるアトランタ

VS

これでも絶対防御を生み出したマーカス

 

その戦いが幕を開ける

 

俺はあぐらをかいて、アトランタがどう出て来ても良い体勢

 

アトランタは俺をジーッと見つめ、時々おしゃぶりを口の中で動かしながら様子を伺う

 

そして何故か貴子さんとアークの手が止まる

 

「来いっ…」

 

アトランタの方にほんの少し顔を近付けた瞬間、パースィーが飛んで来た‼︎

 

今度は避けられる‼︎

 

首を右に傾け、パースィー回避の体勢に入る

 

「ぐへぁ‼︎」

 

な、何故だ…

 

俺は絶対に避けたはず…

 

なのに何故また顔面直撃

 

「ぎ、ギブアッ、プ…」

 

俺は再びパースィーが原因でダウン

 

「汽車ポッポがカーブしていたぞ…」

 

「アトランタ⁇パースィーは没収ね⁇」

 

流石に怒った貴子さんは、アトランタの手からパースィーを没収

 

アトランタはしばらくボーッと貴子さんの顔を見た後、おもちゃ箱にハイハイで向かう


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。