このお話には、説明文が一切ありません
演出の一環で会話文しかございません
ですが、伏線やヒントがいくつもあります
映像、もしくは会話ログを見ている感覚で見て頂けると幸いです
「きそちゃん‼︎そっちはどうだい⁇」
「なんとかなりそう‼︎レイはどう⁉︎」
「爆発の影響で多少の怪我はあるけど、そっちは心配ない。問題は…次目覚めたレイ君がどうなってるか…だね…」
「レイ、深海に行っちゃうの⁇」
「…わからない。敵に回る事はないだろうけど、大淀さんにもさっぱり…いつもの様にジェミニちゃんがレイ君を“繋ぎ止められれば”いいんだけど…」
「繋ぎ止める⁇」
「そっ。ジェミニちゃんからすれば、レイ君は手離せない人材なんだ。何故か分かるかい⁇」
「お医者さんだから⁇」
「この世で唯一“艦娘を“完璧に”処置対応出来る”のはレイ君だけなのさ。カプセルで艦娘を治せる、カプセルが無くても、自力で艦娘を診察して処置出来るのは、大淀さんでも無理。レイ君だけのワンオフなんだよ」
「あ‼︎そっか‼︎レイならカプセル自体も直せるから‼︎」
「飲み込みが早いね。流石はレイ君の子だ」
「僕の方は後はどうにかなりそう。大淀さん、僕に出来る事は⁇」
「レイ君が“元に戻らない事”を祈っておいて…」
「レイのDMM化…確かに強いよね…」
「レイ君の体には、大淀さんと同じ”重巡の姫級”の処置が施されてるんだ…」
「どうしたの⁇」
「…大淀さんが悪魔に変えちゃったのさ…優しいレイ君をね…」
「今だって優しいよ…レイはいつだって、みんなのお兄ちゃんだよ…」
「…きそちゃん。レイ君が頑なに開けない金庫があるでしょ」
「あ、うん。横須賀の艤装倉庫の奥にある」
「“0214”…試してご覧」
「分かった」
「何が出るかな⁇」
「ケースがある」
「持って来てご覧」
「はい」
「やっぱりここにあった…」
「これなに⁇」
「大淀さんが作った”人を深海にする薬”さ。とても強力なね…まだ残ってたんだね…」
「僕にどうしろと…」
「レイ君はこれの”完成品”を造り上げた。ここにあるのは、大淀さんが造ったプロトタイプの薬だ。きっと、誰かを救う為に使ったんだね…」
「完成品⁇」
「“艦娘”だよ。偶然の連続とはいえ、レイ君は艦娘を産み出した…深海の本来あるべき姿は、艦娘なのさ」
「じゃあどうしてあんな数の深海が⁉︎」
「軍が兵器転用したのさ。薬液に浸かればたちまち傷は治る。体力も腕力も人より何周りも上。誰だって欲しいさ。それによって産み出され、量産されたのが深海さ…」
「レイはどう思ってたの⁇」
「分からない…大淀さんでもレイ君の本心は読めない。でも、レイ君は凄く人間を恨んでただろうね。医学の発展の為に開発した物が、兵器に転用されたからね…それに、軍は人体実験もした」
「それは聞いた事がある」
「レイ君は色々抱えすぎちゃったんだ…本当はそっとしてあげたいけど…レイ君はきっと、また動く。誰かの為に…その時は、大淀さん達もレイ君を繋ぎ止める努力をすれば良いと思うんだ…レイ君なら、答えてくれる」
「そうだね…」
「…おっと‼︎会話ログを付けっ放しだ」
「消しておくね」
「お願いするよ」