艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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さて、254話が終わりました

今回のお話は、前回のお話のちょっとした続きになります

ジェーナスの一件が終わったその日の夜、マーカスは横須賀で艤装の解析を進めます


255話 無表情の君(1)

「てな訳でレイ⁇お願いね⁇」

 

「今しがた見たばっかなんだけどなぁ…まぁいいだろ」

 

横須賀にジェーナスの艤装が運ばれた直後、横須賀に引き止められ、艤装の前に座らされた

 

俺が任されたのは艤装内のタンク

 

成分調査と保存期間調査を任された

 

もし結果が良ければ、横須賀でも採用するらしい

 

「さてっ…アイリス」

 

《はいっ、マーカス様》

 

アイリスを呼び、早速調査に取り掛かる…

 

 

 

 

数時間後…

 

「やぁやぁレイ君‼︎忙しいみたいだね‼︎」

 

丁度お昼頃にオーヨド博士が来た

 

手にはサンドイッチが乗ったお盆がある

 

「ちょっと大淀さんと休憩しようよ‼︎」

 

「もうそんな時間か。アイリス、休憩しようか」

 

《畏まりました。アイリスは此方でアークさんの昼食を頂きます》

 

解析を進めていたPCから手を離し、オーヨド博士はPCの横に腰掛けてサンドイッチを食べ始める

 

「レイ君の好きなカツサンドもあるよ」

 

「どれっ…」

 

オーヨド博士に渡されたカツサンドを手に取り、一旦休憩を挟む

 

「どう⁇大淀さんのカツサンドは」

 

「美味いよ。ありがとう」

 

「んふふ〜、でしょうよ‼︎大淀さんはしっかりと成分を照らし合わせて作るからね‼︎」

 

パンは外は少しカリッと、中はフワフワ

 

ソースも味が濃くてドロッとしていて俺好み

 

カツもカリカリで美味い

 

貴子さんの揚げ物も勿論好きだが、オーヨド博士が徹底的に成分を調査して調理したカツサンドも美味しい

 

「昼飯作って貰って悪いが、手伝ってくれないか⁇」

 

「勿論‼︎大淀さんは何しよっか‼︎」

 

「内容物の調査を頼む。俺はタンクでからっきしだ‼︎」

 

「オッケーオッケー‼︎大淀さんにお任せ‼︎」

 

オーヨド博士が来てくれたら力強い

 

これで俺は艤装のタンクに集中出来る…

 

 

 

 

 

「驚いたな…」

 

《発展型を作成出来そうですか⁇》

 

「色々出来そうだ。何にせよ、運搬物を安全に運べるようになる」

 

「おっ⁇分かったかな⁇」

 

「あぁ。かなり強固なタンクだった」

 

《内容物をタンク内部で真空状態にする事が可能です》

 

「ほぇ〜…こっちも終わったよ。内容物はどれも何ヵ月前にタンクに入れられた物だったよ」

 

「保存期間が長いのも取り柄か…ありがとう。後は何がどれだけ入るかだな…」

 

このタンクは”J(ジェーナス)タンク”と呼ばれ、この後幅広く使用される事になる

 

 

 

 

解析が終わったJタンクは洗浄された後、保管に移る事になった

 

「レイ君、今日はもう休もうよ」

 

「そうだな…戸締りだけしたら俺も休むよ」

 

「じゃあね〜レイ君っ‼︎」

 

「礼はまたするよ」

 

オーヨド博士はシャッター付近で両手を振り、研究室に戻って行った

 

「アイリス。ありがとうな⁇」

 

《いつでもお呼び下さい。マーカス様、今日は其方でお休みになられますか⁇》

 

「あぁ。貴子さんによろしく頼む」

 

《畏まりました。おやすみなさい、マーカス様》

 

「おやすみ、アイリス」

 

アイリスとの通信を切り、シャッターを閉めに行こうとした時だった

 

「おっ…」

 

シャッターからほんの少し離れた場所に、一人の見慣れないフードを被った少女が立っているのが見えた


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