艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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さて、252話が終わりました

今回のお話は、意外に知られていないヴィンセントさんの趣味のお話になります

真面目で実直を絵に書いた様なヴィンセント

果たして彼の趣味とは…

可愛いジョンストンの仕事振りも見られます


253話 ヴィンセントさんの華麗なる趣味(1)

パイロット寮内の一室の部屋

 

ここは執務室になっており、ヴィンセントかイントレピッドの何方かが必ずここにいる

 

今いるのはヴィンセント

 

次回の航空演習の部隊を選択している所だ

 

「びんせんと」

 

「ジョンストンか‼︎」

 

ジョンストンが何か抱えて来たので、ヴィンセントは一旦執務を切り上げる

 

「いんとれから」

 

ジョンストンが抱えていたのは、2Lのコーラ

 

ちゃんとコップが二つ、キャップの所に被せてある

 

「あけて」

 

「んしょっ‼︎」

 

ジョンストンからコーラを受け取り、キャップを開ける

 

プシュッと音がした後、ヴィンセントは二つのコップにコーラを注ぎ、一つをジョンストンに渡す

 

「ありがと」

 

「今日は遊ばないのか⁇」

 

「あめ」

 

今日は生憎の雨

 

いつもならこの時間は外にいるジョンストンだが、雨の日はほとんど出掛けない

 

「私のお手伝いしてくれるか⁇」

 

「うん」

 

ヴィンセントの横に小さな机と椅子を出し、ジョンストンはそこに座る

 

「この書類に、このスタンプを押してくれないか⁇全部出来たらお小遣いをあげるからな⁇」

 

「うん」

 

声で感情は分かりにくいが、ジョンストンの顔は執務室に来てからずっと少しニコニコしている

 

ヴィンセントは休暇届の書類の束と”許可”と彫られたスタンプをジョンストンの前に置いた

 

ジョンストンのアルバイトが始まる

 

「りょーへ」

 

「よし」

 

「ぽん」

 

ヴィンセントが「よし」と言うと、ジョンストンはスタンプを押して行く

 

「ざっきー」

 

「よし」

 

「ぽん」

 

園崎もスタンプを押して貰えた

 

「ぽん、ぽん、ぽんっ」

 

その後、数人続いて休暇許可をジョンストンに貰う

 

「りちゃど」

 

「待て」

 

リチャードの休暇届に来た瞬間、ヴィンセントはジョンストンを止めた

 

「はい」

 

ジョンストンからリチャードの休暇届を受け取り、ヴィンセントは”却下”のスタンプを押した

 

「今月末まで、休暇無し…と」

 

ヴィンセントはリチャードの休暇を書き直した

 

「りちゃど、おやすみなし」

 

「浮気するからな」

 

「うわき、だめ、きゃっか」

 

「よしよし。偉いぞジョンストン」

 

ジョンストンの頭を撫でながら、ヴィンセントはリチャードの休暇届を返す

 

「私よ‼︎」

 

イントレピッドが入り口の向こうに来た

 

「私じゃ分からん‼︎名前は‼︎」

 

「イントレピッド‼︎」

 

「よし、入れ」

 

「開けて〜‼︎手が塞がってるのよ‼︎」

 

「いんとれ、まって」

 

ジョンストンが椅子から立ち、ドアを開けてくれた

 

「ありがと〜‼︎あらっ、ジョンストンもお仕事⁇」

 

「うん」

 

「偉いわ‼︎オヤツにしましょ‼︎」

 

イントレピッドの両手にはオヤツが乗ったトレーが持たれている

 

なのでドアが開けられなかったのだ

 

「もうそんな時間か」

 

「いんとれのけーき」

 

「さっ‼︎ジョンストンも私もお仕事おしまいだ‼︎食べよう‼︎」

 

「うん」

 

三人で応接机の周りに座り、イントレピッドの作ったチョコレートケーキを食べる


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