艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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24話 二つのタマゴ(6)

《ボスダ‼︎》

 

主翼の先が黄色い機体が5機、破壊した巨大兵器の周りを飛んでいる

 

「よし、後方に警戒してくれ‼︎」

 

《ワカッタ‼︎》

 

すると、フィリップの機体は迷わず左後方に着いた

 

「来た‼︎一機後方に回った‼︎」

 

《マカセテ‼︎》

 

フィリップの機体は宙返りし、すぐさま後方の機体を追い掛け始めた

 

《ゲキツイ‼︎》

 

「よし、散開‼︎」

 

《リョウカイ‼︎》

 

そのままフィリップの機体を横目で眺める

 

あの飛び方…

 

あの癖…

 

「っと」

 

右前方から機銃が飛んで来た

 

「フィリップ‼︎そっちは任せた‼︎」

 

《アイヨ‼︎タイチョウ‼︎》

 

フィリップから返って来た応答に、私は驚いた

 

追い掛け回した末、敵を撃墜した後、すぐにフィリップの応援に向かう

 

「後何機だ⁉︎」

 

《コレデサイゴダヨ》

 

「よし、分かった」

 

私は、どうしても確かめたかった

 

フィリップの空戦の癖は、とある人物に酷似していたからだ

 

もし今から私が起こす行動がもしフィリップに伝わったら…

 

「よし来い‼︎」

 

敵を誘導し、此方に注意を向ける

 

すると、敵は私の後方に着いた

 

恐らく次にフィリップが起こす行動は、短距離だが高性能の誘導ミサイルを使うはずだ…

 

《タンキョリユウドウミサイル、ハッシャ‼︎》

 

「…」

 

思った通りだ…

 

ミサイルは見事敵を撃墜し、ゲームはクリア

 

だが、後一つだけ確かめたい

 

「中々だったな”スティングレイ”」

 

《マァネ‼︎タイチョウトボクノナカダ‼︎》

 

何の躊躇いも無く、フィリップは反応した

 

「…フィリップ」

 

《ナァニ⁇》

 

「今からお前に変な事聞くけど、いいか⁇」

 

《ウン》

 

「何で…スティングレイで疑問を持たなかった⁇」

 

《‼︎》

 

驚いているみたいだ

 

スティングレイと言うのは、サンダーバード3…あの砂浜で見付かった残骸に乗っていたパイロットのTACネームだ

 

「空戦の癖は中々抜けない。無線の応答の仕方もだ」

 

《…タイチョウ》

 

「…パパって言ってくれないのか⁇」

 

《ダッテ、ボクノ…イヤ、オレノタイチョウダカラ》

 

フィリップの正体はサンダーバード3だった

 

「何で早く言わなかった⁉︎」

 

《コンナスガタ二ナッタラ、タイチョウ、イヤニナルダロ⁇》

 

「嫌なもんか‼︎」

 

次から次へと涙が出て来た

 

《タスケテモラッタチョットマエ、ナンカイカ、セントウキヲオトシタ。

ソレニ、オレノスガタハ、オレタチヲオトシタキタイ二ウリフタツダ》

 

「ならお前、何でたいほうを護ってくれた⁇」

 

《コドモハコウゲキシナイ。タイチョウノクチグセダロ⁇ソレニ、タスケテモラッタオレイダヨ》

 

「お前…」

 

《タイチョウ》

 

「何だ⁇」

 

《マタ、ヨコヲトバサセテクレ》

 

「当たり前だ‼︎もう体当たり何かしたら許さないからな‼︎」

 

《シネェヨ‼︎》

 

「ははは…」

 

《フン‼︎》

 

口が悪いのも、情に熱いのも相変わらずだ…

 

「いい感じに眠たくなって来た…」

 

《キチニカエル⁇》

 

「そうだな…チビ達の横で寝るよ」

 

《オヤスミ、タイチョウ》

 

「お休み」

 

フィリップから出て基地に戻り、たいほう達の傍で横になった

 

 

 

 

《タイチョウ…アリガトウナ》

 

《オレは…俺は…》




どうでしたか⁇

予想通りでしたか⁇

ここからまたれーべとまっくす達のお話に戻ります

作者の気分により、唐突に申し訳ございませんでした

スティングレイの事が気になる方は、是非手負いの雷鳥を読んでみて下さい‼︎

少しだけ、彼の事が出てきます

感想等もお待ちしてます‼︎

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