艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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ひとみといよの尋問は真似をしないように


245話 ピンクの悪魔(6)

〜横須賀・貨物コンテナエリア〜

 

「…はっ‼︎」

 

薄暗い場所で、ガリバルディが目を覚ました

 

「め〜さめまちたか⁇」

 

「おめめくうくうれちたえ」

 

目の前にはひとみといよがいる

 

「テメェ‼︎クソッ‼︎何だこれ‼︎」

 

ガリバルディは椅子に座らされ、グルグル巻きになっている

 

「わういことちたひとには、おちおきれす」

 

「こえつけあす」

 

「やめろ‼︎何をするんだ‼︎」

 

ひとみの手にはマーカスとアレンが探していた、あのスペアの聴診器がある

 

「あばえたあさすれ」

 

「暴れたら刺す⁉︎」

 

「たこなぐいれす」

 

「うぅ…」

 

聴診器を付けるひとみの前で、いよが刺すやらタコ殴り等とガリバルディを脅す

 

ガリバルディは一旦は大人しくしたが、目はまだ反省していない

 

「はんしぇ〜ちますか⁇」

 

「けっ‼︎するかよ‼︎ここを手に入れれば深海に反撃出来んだぞ‼︎」

 

「はんしぇ〜ちましぇんえ」

 

「おちおきれす」

 

ひとみが聴診器を付け終わり、心音を聞く部位を取った

 

「きこえあすか〜‼︎」

 

ひとみは聴診器に向かって声を出した

 

※大変危険ですので、読者の皆は絶対に真似しないで下さい

 

「ギャーーー‼︎聞こえる‼︎聞こえてるから‼︎」

 

流石のガリバルディも悶絶する

 

「はんしぇ〜ちますか⁇」

 

「ケッ…するかよ‼︎大体深海」

 

「あーーー‼︎」

 

「わーーー‼︎」

 

「ウギャァァァァア‼︎」

 

「あかってんのか‼︎こあーーーっ‼︎」

 

「はんしぇ〜ちたんか‼︎こあーーーっ‼︎」

 

「ギャァァァァア‼︎」

 

反省しないガリバルディを見て、ひとみといよは聴診器に向かって叫んだ

 

※大変危険ですので、絶対に絶対に真似しないで下さい

 

「こ…これしきの事で…」

 

そこは艦娘なのか、クラクラしながらも何とか耐え凌ぐ

 

「ひきあしぇん‼︎」

 

「こびへつあいましぇん‼︎」

 

「はんしぇ〜ちましぇん‼︎」

 

「は…ははは…艦娘がこれしきの事でヘバるかよ‼︎」

 

「そ〜れしゅか」

 

「いたいめにあってもあいましぉ」

 

ひとみといよはかなり本気でキレている

 

レイやアレン達、顔見知りの人、そして元々乗って可愛がって貰っていたきくづきの乗組員を危険な目に遭わせた事に対して怒り心頭中

 

ひとみといよはガリバルディをそのままにし、一旦そこから出た…

 

「居ないわね…確かに帰って来たのを見た報告があるのよ」

 

「んな所にか⁇」

 

「普段は外から私と一緒に見る位なのよ⁇」

 

ひとみといよと入れ違いで、レイと横須賀がガリバルディの入っているコンテナの前を通った

 

ガリバルディは今、空のコンテナの中に詰められていた

 

しかし、聴診器アタックを喰らったガリバルディは耳鳴りがしており、二人に気付く事はなく、レイと横須賀はその場から去ってしまう

 

そして、レイと横須賀が角に入り死角になった時に、ひとみといよは台車に何かを乗せて持って帰って来た

 

そこには涼月も居る

 

「うんちぉ…」

 

「おいちぉ…」

 

「開けますねっ…‼︎」

 

再びコンテナが開けられ、三人が入って来た

 

「何度来てもおな…何だそれは‼︎」

 

ひとみといよが二人で転がして持って来たのは、クリーム色をした大きな球体

 

「貴方は試射をしに来たんですよねっ…‼︎涼月もっ…試射をするだけですっ…‼︎」

 

「せっち‼︎」

 

「まどあけた‼︎」

 

ひとみが球体を設置し、いよが小窓を開け、コンテナ内に酸素を入れる

 

「わ、悪かった‼︎ゴメンってば‼︎」

 

ガリバルディはひとみといよが足元に置いた物を見て暴れ始めた

 

「涼月が作ったっ…”6尺玉”ですっ…‼︎」

 

普通の打ち上げ花火の玉より一回り二回り大きい巨大な花火玉が置かれた

 

「ぎえすにのいます」

 

「とってもれかいれす」

 

涼月、ひとみ、いよ、全員真顔

 

それが圧倒的恐怖を生み出す

 

「この人でなし‼︎離せ‼︎離っ…」

 

ガリバルディが喚き散らしている最中、涼月はガリバルディの口元を片手で掴み、顔を近付けた

 

「人でなしはっ…どっちでしょうかねっ…‼︎」

 

「ご…ごえんなしゃい‼︎反省しましゅ‼︎反省しましゅから‼︎」

 

「心配しないで下さいっ…少し大きな照明弾みたいなものですっ…‼︎音も威力もっ…違いますがねっ…‼︎」

 

「てんか‼︎」

 

「ぼしぅ‼︎」

 

長い導火線の先に火を点けた‼︎

 

「行きましょう…‼︎」

 

「がいばうで〜さいなあ〜‼︎」

 

「またきあす‼︎」

 

「ちょっと‼︎ちょっと待って‼︎ねぇ‼︎せめてこれ外してよ‼︎」

 

無情にもコンテナの扉は閉められた

 

ガリバルディの耳には、御丁寧にテープで張り付けられた聴診器

 

「助けてーーーっ‼︎反省します‼︎ごめんなさい‼︎二度としませんから‼︎」

 

ガリバルディが泣き叫び助けを呼ぶ外で、別のコンテナの後ろに隠れながら、耳を抑えるひとみ、涼月、いよ

 

涼月を中心に置き、少し嬉しそうな顔をしながら爆発を待つ

 

そして…




もう一度言いますが、ひとみといよの尋問の真似をしないで下さい。約束ですよ‼︎

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