艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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さて、244話が終わりました

今回のお話は、イタリアからやって来たピンクのアイツが出て来ます

試射にやって来たとある艦娘

試射をするのは新型ミサイル

果たして彼女の思惑とは…


245話 ピンクの悪魔(1)

朝食を食べ終え、テレビの前でカーペットにうつ伏せになっているきそがいる

 

「キソ、眠いの⁇」

 

「ん〜…二度寝したい〜」

 

「起きないとシュネッケンだよ‼︎」

 

「それはヤダぁ〜…」

 

れーべとまっくすがきその近くに座り、きそのほっぺたを突いたりしている

 

それでもきそは多少グズる位でうつ伏せを止めない

 

そんな中、無線が鳴る

 

「横須賀分遣隊だ。どうした⁇」

 

《レイ⁇ちょうど良かったわ。中継するわね》

 

無線の主は横須賀

 

中継すると言っている位だから、遠方からの重要な通信だろう

 

《レイか⁇久々だな⁇》

 

「ミハイルか‼︎」

 

中継した先はミハイルだった

 

ここしばらく会えていなかったので、声を聞くのも久々だ

 

ついでにきそも目を覚ました

 

《無線ですまない。本来ならレイのタブレットに送るべきなんだが、今回は横須賀基地に協力して貰うんだ》

 

「そうかそうか‼︎それで、内容は⁇」

 

《新型のミサイルが出来上がったんだが、輸入しようか迷ってる所なんだ》

 

「ほう」

 

ミハイルは武器商人のような立ち位置にいる

 

巨竜事件の時もミハイルが手配してくれた爆弾で事なきを得た

 

《それで試射する場所がなくて、探していた所に横須賀からOKが来たんだ》

 

「要約すると、俺にミサイルを撃ってくれか観測してくれ…だな⁇」

 

《観測の方だ。頼まれてくれないか⁇》

 

「分かった。日程はいつだ⁇」

 

《そうだな…実は今、横須賀に着くんだ》

 

「なら早い方がいい‼︎今から行くさ‼︎」

 

《すまない。そうだ、アレンも呼んでくれないか⁇久々に三人で話がしたい》

 

「グラーフはいいのか⁇」

 

おちょくるようにグラーフの事を振ると、ミハイルは無線の先で笑った

 

《ははは‼︎悪いな。グラーフとは先打って伝えてある》

 

「了解したよっ。今から向かうから、少し待っててくれ」

 

《すまない、助かる》

 

無線を切り、そのままラバウルへ無線を繋げた

 

《ラバウル航空隊基地です。どうされましたか⁇》

 

出たのはラバウルさんだ

 

「マーカスです。アレンはいますか⁇」

 

《あ〜…少し忙しそうですが…ま、まぁ良いでしょう‼︎アレン‼︎》

 

アレンが忙しいのは分かる

 

多分コロちゃんの世話だろう

 

だがなんだ⁇

 

後ろの方から爆発音が聞こえたぞ⁉︎

 

《すまんすまん‼︎どうした⁇》

 

「忙しそうだな⁇」

 

《日進とネルソンと一緒にホットケーキ焼いてたんだ》

 

「結果はどうだ⁇」

 

《俺は二度とキッチンに立たない方が良さそうだ》

 

「爆発音はお前か‼︎」

 

《心配するな‼︎小麦粉に引火しただけだ‼︎》

 

「大事故だぞ‼︎」

 

《それで⁇どうしたんだ⁇》

 

「あぁ。ミハイルが横須賀に来るんだ‼︎」

 

《いつだ⁉︎》

 

「もうすぐ着く」

 

《よしっ‼︎すぐ行こう‼︎今すぐ行こう‼︎》

 

アレンは居場所のなくなったキッチンから今すぐに出たいらしい

 

無線を切り、早速準備に取り掛かる

 

「マーカス君、横須賀行く⁇」

 

「あぁ‼︎行くよ‼︎ミハイルが来るんだ‼︎」

 

「子供達は迎えに行く。心配するな」

 

朝早く、たいほうとひとみといよが横須賀に行っていた

 

ジョンストンや日進達と遊んだりお昼ご飯を食べたりするのだろう

 

「ちょっと出掛けて来る‼︎」

 

「ミハイルに宜しくな⁇」

 

「了解‼︎きそ、行くぞ‼︎」

 

「オッケー‼︎」

 

ミハイルが待つ横須賀へと飛ぶ

 

これから惨劇に見舞われるとも知らずに…

 

 

 

 

「僕はたいほうちゃん達の所にいるから、何かあったら呼んでね⁇」

 

「頼んだ‼︎」

 

きそと別れ、ミハイルとアレンが待つ執務室に来た

 

「ミハイル‼︎アレン‼︎」

 

「やっと来たか‼︎」

 

「レイ‼︎久々だな‼︎」

 

すぐにミハイルと拳を合わせ、握手する

 

「すまないな。急に呼び出して」

 

「気にするな‼︎んでっ⁇その新型の兵器ってのは何処だ⁇さっさと終わらせて飯でも食おうぜ‼︎」

 

「あぁ、もうすぐ着く。大湊と呉から護衛が着いてるんだ」

 

「大湊と呉⁇」

 

「レーダー艦とイージス艦さ」

 

「片方はダイダロスだな」

 

アレンが言ったのは大湊のレーダー艦、ダイダロス

 

呉のイージス艦…

 

「きくづきか‼︎」

 

「そんな名前だ。今から来る兵器の護衛、それと艦自体の護衛に着いてくれている」

 

両者共に非常に優秀な艦だ

 

「護衛されてる艦の名前は⁇」

 

「”ガリバルディ”イタリアのミサイル巡洋艦さ」

 

「待たせたわね」

 

話していると横須賀が来た

 

「訓練海域と標的はサイトBに準備したわ。まずは三隻が入港して顔合わせをしてから、親潮の案内に従って頂戴」

 

「分かった。何にせよ顔合わせだなっ」

 

一時間後、三隻が入港するまで執務室で待機

 

その間、ミハイルが持って来てくれたお土産のお菓子を食べながら待つ…


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