艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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244話 トランジスタグラマーママです(3)

「うはは‼︎何あれ‼︎」

 

「ほぼゾンビじゃない‼︎」

 

「何とかならんのか‼︎被害甚大だぞ‼︎」

 

「まずあの先頭の女の子は誰ですか⁇」

 

「分からん…とにかくヤバい奴だ。催眠術か何かで人を操る事が出来る」

 

「何でアンタ効かないのよ」

 

「無視して突っ走って来た」

 

「あれは危険ね…分かったわ。対策本部を作るわ。アンタ指揮して頂戴」

 

一時間後、会議室に緊急に設立された対策本部に部隊が集められる

 

ラバウルからラバウルさんと健吾

 

基地から隊長と俺

 

横須賀からサンダースが集まった

 

「現状を説明する。リチャード中将、ヴィンセント中将、アレン大尉が洗脳状態にある」

 

「歴戦の猛者ばかり…か」

 

「アレンがやられるとは…非常に由々しき事態です」

 

「親潮。監視カメラの映像を出してくれ」

 

「畏まりました」

 

スクリーンに横須賀中に設置された監視カメラの映像が映し出される

 

《おしり〜》

 

《ツインテ〜》

 

「ヴィンセント中将が…」

 

「何て事だ…」

 

親父はいつもあんな事を言っている様な者なのだが、問題はヴィンセント

 

あの真面目一貫のヴィンセントがツインテツインテ連呼しながら横須賀を練り歩いている映像を見て、隊長とラバウルさんが頭を抱えた

 

「現在、対策は不明な事ばかりだ。一つ言えるのは、とにかく彼女の話を聞かない事。それだけしか言えない」

 

「洗脳状態を解くにはどうすれば良いでしょうか」

 

涼平の質問に答えるのも現状難しい

 

「…やってみて欲しい事は、彼女の話を聞かずにこの三人に何らかのショックを与えて欲しい」

 

「やれない事はないですね」

 

「マーカス。私達が先に出ます」

 

「私が援護しよう」

 

ラバウルさんと健吾、そして隊長が立ち上がった

 

「気を付けてくれ。今はそれしか言えない」

 

「任せて下さい‼︎闇討ちは得意分野です‼︎」

 

SS隊のメンバーは不意打ちが得意だ

 

もしかすると三人を救い出せるかもしれない

 

「健吾。行きますよ」

 

「イエス、キャプテン」

 

「中継頼んだぞ。もし私達に何かあっても、情報があれば収穫になる」

 

隊長はスクリーンと俺を交互に見た

 

「オーケー。親潮、中継に切り替えてくれ」

 

「畏まりました」

 

サンダースの連中と、中継された監視カメラに目をやる…

 

 

 

五分後…

 

《幼女〜》

 

《三つ編み〜》

 

《褐色〜》

 

「エドガーさんが‼︎」

 

「健吾がやられた‼︎」

 

「隊長‼︎嘘だろ⁉︎」

 

あのSS隊が全滅した

 

しかも隊長まで瞬殺だ

 

戦力が大幅にカットされた今、無闇矢鱈に俺達が出て行っても無駄死にするだけだ

 

「大尉‼︎こうなれば自分が一発ぶん殴って来ます‼︎」

 

拳を握った園崎が立ち上がった

 

「ちょっと待て。急いでは事を仕損じる」

 

考えろ…

 

洗脳された皆は何を見ていた⁇

 

何を話していた⁇

 

 

「…親潮。ラバウルさんと健吾が洗脳された瞬間を見せてくれ」

 

「畏まりました」

 

スクリーンに先程の映像が映る

 

《おっぱい》

 

《幼女‼︎》

 

《おっぱい》

 

《幼女‼︎》

 

《おっぱい》

 

《おっぱい‼︎》

 

重度のロリコンのラバウルさんの口からおっぱいと言う言葉を聞けた非常に貴重な映像だが、問題はそうじゃない

 

次に健吾を見る

 

《おっぱい》

 

《あみさんあみさんあみさんあみさん‼︎》

 

北上の名前を連呼して、何とか洗脳から逃れる健吾

 

《おっぱい》

 

《あみ…さん…》

 

《おっぱい》

 

《おっぱい‼︎》

 

「ここだ‼︎」

 

映像を止め、健吾の目線の先を拡大した

 

「胸元に目が行った瞬間に洗脳されてる」

 

「大尉。自分を無線で誘導して頂けませんか⁇」

 

園崎はニヤリと笑い、ここぞとばかりに腕を鳴らした

 

「自分に考えがあります」

 

作戦はすぐに実行された

 

胸元に目線が行くなら、目を隠せば良い

 

園崎はアイマスクをした状態で耳に無線を付け、その誘導により少女に近づいて行く…

 

「まっすぐ向かうんだ」

 

園崎は無言のままボクシングの体勢に入りつつ、少女と距離を詰める

 

《あら。ボクサーね⁇》

 

少女が園崎の存在に気付いた

 

「右フック‼︎」

 

《あら…》

 

少女に向かって右フックをお見舞いするが、首を少し後ろに下げられてかわされた

 

「左アッパー‼︎」

 

《強い強い。ママは強い子は大好きですよ》

 

左アッパーも簡単にかわされた

 

「右ストレート‼︎」

 

「左ボディ‼︎」

 

《ぐは‼︎何が起きた⁉︎》

 

《ぶへっ‼︎な、何だ⁉︎》

 

ヴィンセントとアレンが目を覚ました‼︎

 

「園崎‼︎ヴィンセントとアレンを連れ帰るんだ‼︎」

 

《暴れん坊さんはママがギューしてあげます》

 

少女に抱き締められ、園崎は身をよじらせて抜け出そうとしている

 

《離せ‼︎はな…せ…》

 

《おっぱい》

 

《おっぱい‼︎》

 

「園崎がやられた‼︎」

 

しかし、アレンとヴィンセントは救出出来た

 

数分後、二人が会議室に来た


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