艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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さて、240話が終わりました

今回のお話は、ラバウルから始まります

最近ネルソンがオボロロロ状態

そこにプロフェッショナルの貴子さんが来て…



その背後で、レイはとある事で奮闘しています


241話 私の秘蔵っ子(1)

ラバウル基地…

 

ラバウルさんはパパと共に哨戒飛行任務

 

健吾は愛宕、大和、おおい、暁、アイちゃん、日進を連れてタウイタウイモール

 

今基地にはアレンとネルソンしかいない状態になっていた

 

キッチンでネルソンがコーヒーを淹れている前で、アレンは食堂で新聞を眺めている

 

「おいアレン。貴様はある程度の医学知識を持っていたな⁇」

 

ネルソンがコーヒーをカップに注ぎながら、アレンに話しかける

 

「あぁ。一応それ相応は見れる」

 

「余を見てくれぬか。スーパーゲロでな」

 

「スーパーゲロ…」

 

どこで覚えたのかネルソンらしからぬ言葉を吐き、アレンは聴診器を持って来た

 

コーヒーカップを机に置いたネルソンはソファーに寝転んだ

 

「何処が調子悪いんだ⁇」

 

「うぬ。腹なんだがな。何か入ってる気がしてな」

 

「どれっ…」

 

服を捲り上げたネルソンのお腹に聴診器を当てる…

 

「このままではオボロだ。何とかならないか⁇」

 

「ん⁇」

 

ネルソンのお腹から心拍音が聞こえる

 

「妊娠だ…」

 

「そうか‼︎余とアレンの子だなっ‼︎」

 

アレンが唖然とする前で、ネルソンは驚く程飲み込みが早かった

 

「貴子さんを呼ぼう‼︎そしたら確実だ‼︎」

 

「うぬっ‼︎」

 

 

 

 

一時間後…

 

「ちょっと見せてね〜」

 

「うぬ」

 

きそちゃんが貴子さんを連れて来てくれた

 

「レイはどうした⁇」

 

「マーカス君、今日は横須賀で試験なの」

 

 

 

 

その頃レイは…

 

「いいですかマーカス大尉。これは昇格試験ですよ⁇分かってますか⁇」

 

香取先生が教壇に立ち、その前に一人ポツンとレイだけがいる

 

レイが嫌がり続けている昇級試験を受けさせているのだ

 

「ウッセェババア‼︎」

 

口で反発するレイだが、何故か椅子から立ち上がらない

 

「あんっ…いえっ‼︎今日こそは昇級して貰いますよ⁇」

 

「チェーンで椅子に括り付けてやる試験なんてどこにあんだ‼︎」

 

レイはチェーンで椅子に雁字搦めに括り付けられており、逃げようにも逃げられない

 

「マーカス大尉が逃げるからですよ⁇さぁっ、ペンを握りましょうか」

 

「い〜や〜だ〜‼︎」

 

 

 

 

きそちゃんがエコー検査をし、貴子さんが検査結果と診察を行った結果…

 

「うんっ、妊娠ね‼︎おめでとう‼︎」

 

やっぱりネルソンは妊娠していた

 

「余とアレンの子だっ‼︎」

 

きそちゃんが機材を片付けている横で、ネルソンと貴子さんは話を続ける

 

「そう言えば、どっちか艦隊化計画を受けてる⁇」

 

「うぬ。余が受けている」

 

ネルソンが艦隊化計画の手術を受けていた

 

こう見えてアレンは艦隊化計画の手術を受けていない

 

「なら、産まれて来るスピードが速いわ⁇本当に言ってる間よ⁇」

 

「名前を決めねばなっ‼︎」

 

「ふふっ。さっ、きそちゃん⁇帰ろっか‼︎」

 

「うんっ‼︎邪魔しちゃいけないよね‼︎」

 

そそくさと二人は基地から出て、貴子さんがグリフォンに乗った

 

《乗り心地はどう⁇》

 

「結構快適なのね⁇クーラーだってついてるし‼︎」

 

《宙返りしても大丈夫なドリンクホルダーもあるんだよ‼︎》

 

今回緊急時の為、貴子さんはレイやパパの付き添いなく機体に乗ってラバウルに来た

 

きそが居る時点で操縦の安全は確保されているので心配は無い

 

《きそちゃんか⁇今日はありがとうな⁇》

 

無線からアレンの声が聞こえて来た

 

《グリフォン‼︎》

 

《すまんすまんグリフォン‼︎貴子さんはいるか⁇》

 

「ここにいるわ、アレン君」

 

アレンの顔が映し出されたモニターに、貴子さんの目が行く

 

《忙しい中、ありがとうございました》

 

「気にしないで‼︎ここに来てから結構な数見てきたから慣れちゃったの‼︎」

 

《そう言って貰えると助かります。あの…またお願いするかも知れません》

 

「気にせずにいつでも言ってね⁇誰か手が空いてたらすぐに駆け付けるから‼︎」

 

《助かります。後日お礼に伺います》

 

流石のアレンも貴子さんには敬語

 

貴子さんは皆にフランクで居て欲しいのだが、艦娘であった貴子さんを知ってる人は皆敬語

 

”あの”榛名でさえ、貴子さんにはほぼ敬語を使う

 

《レイ迎えに行かなきゃ‼︎》

 

「私も連れてってくれる⁇帰りは高速艇で帰るから」

 

《一緒に乗って帰ろうよ‼︎》

 

「んっ、分かった‼︎お言葉に甘えるわね⁉︎」

 

《うんっ‼︎》

 

貴子さんを乗せたグリフォンは横須賀を目指す…


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