艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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さて、23話が終わりました

パパは武蔵を選びました

その後、基地にはまた平和が訪れます

今回は、とある駆逐艦が遊びに来ます


24話 二つのタマゴ(1)

武蔵とケッコンして数日後…

 

彼女は飛躍的に伸びた

 

料理も格段に美味しくなったし

 

私の補助にも良く回ってくれる様になった

 

「はい。はい。畏まりました‼︎ははは‼︎構いませんよ‼︎では」

 

電話を置き、一呼吸置いた

 

「誰からだ⁇」

 

「喜べ。プリンツが来る」

 

その瞬間、武蔵は持っていた書類を全部落とした

 

「ぷ…ぷ…ぷりんつ…だと…⁇」

 

「向こうで駆逐艦を虐めているらしいから、コッチ送りだと」

 

「わ、私は横須賀ではんばぁがあを食べてくる‼︎」

 

「武蔵」

 

「ん〜‼︎嫌だ嫌だ‼︎ぷりんつは嫌だ‼︎」

 

武蔵の肩を掴んで引き止めようとしたが、肩を振って嫌がっている

 

「プリンツは嫌いか⁇」

 

「嫌いだ‼︎物凄く嫌いだ‼︎深海棲艦の方がよっぽど可愛い‼︎」

 

「まぁ、これを見てくれ」

 

送られてきた封筒の中に、写真が何枚か入っていたので、武蔵に見せた

 

「この子は⁇」

 

「この駆逐艦の子が、Z1のれーべ。こっちがZ3のまっくすだ」

 

「れーべもまっくすも可愛いな」

 

「この子達がこうなっている」

 

一枚目の写真は、れーべのオヤツを総取りする写真

 

「何故れーべの目に痣がある」

 

「プリンツに殴られたんだと」

 

「許せぬ…」

 

「で、二枚目がこれ」

 

恐らくまっくすがお絵描きした絵を、プリンツがグチャグチャにしてる写真だ

 

「これは…」

 

「武蔵は、たいほうにこんな事出来るか⁇」

 

「出来る訳無い‼︎たいほうは子供だぞ⁉︎」

 

「れーべとまっくすを護ってやろうとは思わないか⁇」

 

「思う‼︎」

 

「なら大丈夫だ」

 

「パパ‼︎おっきいおふねきた‼︎」

 

窓際で外を見ていたたいほうが興奮している

 

「ほら、早速来た」

 

「迎えに行くぞ。たいほうよ、机のびすけっとを食べて待っていてくれ」

 

「わかった‼︎」

 

外に出ると、巨大な船が港に停泊していた

 

「横須賀君の船並みにデカいな…」

 

「大佐‼︎お久し振りです‼︎」

 

「やぁ、ミハイル」

 

提督同士、熱い握手を交わす

 

「いやぁ、申し訳ない。こっちには私しか提督が居なくてね…また貴方に頼ります」

 

「いえいえ。いつでも…それで、彼女は⁇」

 

「ここに」

 

ミハイルの足に何かしがみ付いている

 

「さぁ来いぷりんつよ‼︎もう一度叩きのめしてやる‼︎」

 

自身の掌と拳を何度も合わせ、プリンツを待つ

 

「この子”達”を、しばらくお願いします。さ、行っておいで」

 

ミハイルの足に付いていた子が、私の足に付く

 

「分かりました。彼女達も休息は必要です」

 

「御礼は倉庫に置いておきます。ちょっとした資源と…後はこの設計図を」

 

ミハイルの手から、何かの設計図を受け取る

 

「妖精に渡してみて下さい。きっと気に入りますよ」

 

「ありがとう」

 

「では、私はこれで‼︎いい子にしてるんだよ‼︎」

 

ミハイルが船内に入り、出航する

 

「ん⁇ぷりんつは何処だ⁉︎」

 

「武蔵‼︎」

 

「提督‼︎その足に付いてるのは何だ‼︎」

 

「さ、俺達に自己紹介してくれるか⁇」

 

不安なのか、二人共私から離れようとはしないが、口は開いてくれた

 

「ど、ドイツ駆逐艦、れーべ…」

 

「ドイツ駆逐艦、まっくす…」

 

「か、可愛い…」

 

武蔵が抱き上げようとすると、二人は私の背後に隠れて震えている

 

「私は戦艦武蔵。大丈夫だ、怖くないぞ」

 

「…噛まない⁇」

 

れーべが不安そうにこちらを見ている

 

「噛まないさ。俺の嫁だ」

 

「…」

 

れーべがゆっくり手を伸ばすと、武蔵は優しく手を握った

 

「ようこそ、私達の基地へ‼︎」

 

「まっくす、噛まないよ⁇」

 

「ん…」

 

「それっ‼︎」

 

「わ〜‼︎」

 

武蔵は二人を肩に乗せ、基地の中に入って行った

 

 

 

 

ドイツ駆逐艦Z1”れーべ”

 

ドイツ駆逐艦Z3”まっくす”

 

が、一時的に艦隊の指揮下に入ります‼︎




ドイツ駆逐艦Z1”れーべ”

ドイツで産まれたばかりの小さな駆逐艦

その力量は計り知れないが、プリンツに虐められていたため、パパの基地に来た

怖がりだが、とても甘えん坊



ドイツ駆逐艦Z3”まっくす”
…れーべと同時期に産まれた駆逐艦の子

れーべより若干身長が高く、身体的には彼女の方が進んでいるが、他はれーべと大差が無い

この子もプリンツに虐められていた為、パパの基地に来た

れーべより口数は少ないが、少なくともパパやパパの基地の人には行為を抱いている

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