艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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235話 こかもいホテル(5)

「朝っすー‼︎カンカンカンっすー‼︎」

 

「な、なんだ…⁉︎」

 

こかもいの声で目が覚めた

 

フライパンか何かを一緒に叩いているので、ヒジョーに耳障りだ

 

「朝っすー‼︎カンカンカンっすー‼︎」

 

「何処だ…」

 

「朝っすー‼︎カンカンカンっすー‼︎」

 

「レイ…机の上の時計だっ…」

 

寝ぼけ眼のアレンが声の主に気付いた

 

「朝っすー‼︎カンカンカ」

 

目覚まし時計にバトルチョップを振り下ろし、こかもいの声を止める

 

ソファーに座り、寝起き一発目のタバコに火を点け、しばらくボーッとする

 

「そういや、今日はグリフォンの中身は無しか⁇」

 

「いや、はっちゃんがいた。昨日の時点で基地に帰ってる」

 

ピンポーン

 

朝一に誰かが来た

 

「ちょっと待ってなっ…よっこら‼︎」

 

まだ重たい腰を上げ、扉を開ける

 

「よく眠れたかい⁇」

 

「ボス‼︎」

 

扉を開けた先に居たのはボス

 

ボスはカートに朝食を乗せて来てくれた

 

「軽くでいいって聞いたから、本当に軽くしかないよ⁇」

 

「あぁ‼︎今から飛ぶからいいんだ‼︎」

 

「ならこれを‼︎」

 

ボスが持って来てくれたのはコーンフレークと二本の焼いたウインナー

 

本当にこれだけでいいのか⁇と、ボスの顔に書いてあるが、本当にこれだけでいい

 

いつも大体軽く済ませるか、ほとんど食べずに空を飛ぶ

 

普通に食べると戻してしまうからだ

 

「「いただきます‼︎」」

 

ソファーに座りながら流し込むようにそれらを食べ終え、チェックアウトの時間が来た…

 

 

 

 

持ち物を確認し、エントランスに来た

 

「本日は神威の里をご利用頂き、誠にありがとうございましたっす‼︎」

 

「中々良かったぞっ⁇」

 

「正式に開店したらまた来るよ‼︎」

 

「ありがとうございますっす‼︎モニターありがとうございましたっす‼︎」

 

「も、モニター⁉︎料金は⁉︎」

 

「ないっす‼︎」

 

「なんでだ⁉︎」

 

「モニターさんだからっす‼︎」

 

あれだけサービスを受け、料金を取らなかった

 

「あー…じゃあ、何かお土産買うよ‼︎」

 

「本当っすか⁉︎そこにクジがあるっす‼︎」

 

受付こかもい37号の目線の先には、小さな紙袋に入れられたクジがあった

 

駄菓子屋に置いてあるブロマイドのクジみたいな奴だ

 

「一回50円っす‼︎」

 

「やっすいな〜…」

 

「何が当たるんだ⁇」

 

「普通当たりがこかもいのブロマイド、中当たりが中ボスかもいのちょっとエッチなブロマイド、大当たりがボスのヤッバイブロマイドっす‼︎」

 

「10連だなっ‼︎」

 

「うぬっ‼︎」

 

互いに500円玉を出し、こかもい37号に渡す

 

「ありがとうございますっす‼︎たまにハズレがあるっす。ハズレだけど、もう一回引けるハズレっす‼︎」

 

「オーケー‼︎やってやろうじゃない…のっ‼︎」

 

俺は後ろから10袋

 

「当たれ‼︎」

 

アレンは前から10袋取った

 

まずは最初の一袋目…

 

”ハズレwww

もう一回引いてねwww”

 

ドヤ顔でおちょくる涼月の絵だ

 

「うぐっ…」

 

二袋目から五袋目まではこかもいのブロマイド

 

つまり、普通当たり

 

そして六袋目

 

”残念www

もう一回www”

 

今度は指差し爆笑をする涼月の絵だ

 

「ぐっ…」

 

七袋目…

 

「おっ⁇」

 

スクール水着を着た中ボスかもいだ

 

これは素晴らしい

 

八袋目…

 

こかもい

 

九袋目…

 

こかもい

 

10連ラストの十袋目…

 

こかもい

 

「後二回引けるっす‼︎」

 

「よぉーし‼︎」

 

最後の二袋は中腹部から引き抜いた

 

延長戦、一袋目…

 

「‼︎」

 

一瞬袋から取り出し、すぐに戻した

 

…ボスの恥じらい手ブラブロマイドだ

 

「当たりっすか⁇」

 

「…いい仕事するな⁇」

 

「むっふふ…青葉さん監修っす‼︎」

 

そして、正真正銘ラスト一袋

 

「うほっ‼︎」

 

ボス、体操服装備ブロマイド

 

ヒジョーに素晴らしい

 

「レイ」

 

「どうだったよ」

 

「…素晴らしいクジだ‼︎」

 

どうやらアレンも当たりを引いたみたいだ

 

「このクジはここに泊まってくれた人しか出来ないっす‼︎つまり、結構レアっす‼︎」

 

「これは横須賀でも採用すべきだな」

 

「売れるぞ、これ」

 

「またのおこし、お待ちしてるっすー‼︎」

 

「「「お待ちしてるっすー‼︎」」」

 

それはそれは素晴らしいブロマイドを手にし、俺達は帰路に着いた

 

《じゃあな、レイ。また行こうな‼︎》

 

「おぅ‼︎」

 

空中でアレンとも別れ、俺も基地へと帰った…

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の深夜…

 

完全に皆が寝静まったのを確認…

 

コソコソ動きながら、こかもいに貰ったDVDを食堂で見てみた

 

一枚目…チアガールサ○トガ〜ポンポンの誘惑〜

 

二枚目…食いしん坊イタリア娘〜リット○オ〜

 

それはもう鼻血モノだ

 

ちゃんと注意書きにも

 

・本作品は艦娘と呼ばれる方々とは一切関係ありません

 

と、ご丁寧に書いてある

 

そして最後

 

三枚目…褐色人妻む○し〜欲望の日記〜

 

「うぉぉ…」

 

誰とは言わないが、そっくりな人が画面の向こうにいる

 

「レイ」

 

「ひ‼︎」

 

いつの間にか隊長が真後ろにいた

 

「い、いつからそこに…」

 

「チアガールからだ」

 

「言ってくれよ…ふぅ…」

 

心臓の鼓動と呼吸を整え、DVDをメニュー画面にした

 

「幾らだ」

 

「へ⁇」

 

真顔の隊長がズイズイ寄って来る

 

「最後のDVDは買おう。幾らだ」

 

「あ…」

 

どうやら隊長は最後のDVDを見て、いてもたってもいられずに声を出してしまったみたいだ

 

「や、やるよ…その代わり黙ってて欲しい…」

 

仮にも横須賀の母親にソックリな女の子が出て来るDVDを見て鼻の下を伸ばしていた訳だ

 

こんな事、広まる訳にはいかない!

 

「よし…流石はレイだ…」

 

隊長に渡す為に、DVDプレイヤーからDVDを出す

 

そしと、いざパッケージに入れようとした時だった

 

パチ

 

「「ひっ‼︎」」

 

食堂の電気が点いた‼︎

 

「あら、何してるの⁇」

 

こんな時に限って貴子さんが起きて来た

 

「あいやいやいや‼︎ななな何にもないです‼︎」

 

「大事な話をしてたんだ‼︎」

 

「ふ〜ん…」

 

物凄いジト目で俺達を見ながら、貴子さんはキッチンで牛乳を飲んでいる

 

「さっ‼︎俺も寝よっかな…」

 

「そうだぞレイ。寝る子は育つからな‼︎ははは…」

 

隊長と一緒に廊下まで行こうとした

 

「よいしょ‼︎」

 

「「あっ⁉︎」」

 

瞬殺で首根っこを掴まれ、隊長と共に宙ぶらりんになる

 

「出しなさい」

 

「はい」

 

「はい」

 

俺も隊長も観念し、持っていたDVDを貴子さんに出した

 

「またこんなの見て…隠しときなさいよ⁇」

 

「はい」

 

「はい」

 

「あら。この子、私にソックリね⁇」

 

貴子さんが手に取ったのは、隊長に渡したDVD

 

「いやいやいや‼︎貴子の方が綺麗だ‼︎」

 

「貴子さんのがよっぽど美人だ‼︎」

 

「そう⁇」

 

このまま押し切れば行ける‼︎

 

逃げられる‼︎

 

「そうだぞ貴子。その子には胸がない」

 

「お尻も小さい‼︎」

 

その一言が貴子さんを怒らせた

 

「あらマーカス君。私のお尻がおっきいって⁇」

 

「やだやだやだ‼︎うわぁぁぁあ‼︎」

 

宙ぶらりんのまま服を捻られ、ぐるっと一周させられる

 

「もう一回回る⁇」

 

「引き締まったお尻です‼︎」

 

「んっ‼︎いいわ‼︎」

 

「ぐへぇ…」

 

ようやく床に足を付けられた

 

「ウィリアム⁇」

 

「はい…」

 

「分かってるわね⁇」

 

「はい」

 

結局、貴子さんは隊長を宙ぶらりんのまま何十周もさせた後、貴子さん似のDVDと隊長を持って部屋に戻って行った…




中ボスかもい…ちょいデカかもい

約100人いるこかもいを統べられる、体格は普通のかもい

このかもいが大体普通の神威と思うと分かりやすでしょう

しかし、お胸やお尻はもう一声欲しい所

やっぱりボス神威が美人でエロくて最強の神威



こかもいクジ…一回50円

こかもい、中ボスかもい、ボスのブロマイドが当たる

普通のもあれば、際どいのもある

ハズレである”ボンバー☆スズチャン”はシールになっており、子供達がイタズラに使う



ボンバー☆スズチャンはもう少ししたらその正体が明らかになります 笑

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