艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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235話 こかもいホテル(3)

「よくぞ聞いてくれたっす‼︎ちょっとデカいこかもいは”中ボスかもい”っす‼︎」

 

「「中ボスかもい…」」

 

俺もアレンも同じ反応をする

 

「頭の数字が一桁は中ボスかもいっす」

 

目の前にいる中ボスかもいの額の布の数字は7

 

「後8人いるっすよ」

 

「こかもいだけでも何人いるんだ⁇」

 

「全部で100人いるっす‼︎顔も性格もちょっとずつ違うっすよ‼︎」

 

よく見ると確かにこかもい達は少しずつ顔の輪郭やボディラインが違う

 

「ささ‼︎ノートパソコンっす‼︎」

 

俺とアレンにノートパソコンが渡される

 

「おー‼︎マジもんじゃねぇか‼︎」

 

「これはネルソンが喜ぶ‼︎」

 

「神威、嘘つかないっす」

 

俺はサイダー、アレンはコーヒーを飲み干した時、エレベーターが開いた

 

「マーカスさんアレンさん‼︎お食事の準備が出来たっす‼︎」

 

「おしゃ‼︎行くか‼︎」

 

「よしゃ‼︎ありがとうな‼︎」

 

「また遊びに来るっす‼︎」

 

「「「遊びに来るっすー‼︎」」」

 

今度は中ボスかもい3号に連れられ、エレベーターで一階を目指す

 

 

 

 

エレベーターを降り、中ボスかもい3号の後を着いて行くとレストランが見えた

 

「ようこそ〜、ボスの満艦全席へ〜‼︎」

 

「「ボス‼︎」」

 

中に入ってすぐ、ボスの顔が見えた

 

「ささ‼︎ゆっくり食べとくれ‼︎」

 

「こっちっす‼︎」

 

回転式テーブルの前に案内され、椅子に座る

 

「おぉ〜‼︎」

 

「これが満艦全席か‼︎」

 

中華、和食、洋食…その他諸々

 

それが回転式テーブルに所狭しと並んでいる

 

しかもどれも2人前で食べ切りサイズだ

 

「いただきます‼︎」

 

「いただきます‼︎」

 

早速箸を手にし、まずは卵あんかけを頂く…

 

「うっは‼︎ウンメ‼︎」

 

一口食べただけで分かる、味付けの美味さ

 

「チャーハン入るっすー‼︎」

 

こかもい達がせっせこせっせこ料理を運んで来てくれる

 

「よし、寄越せ‼︎」

 

「バカヤロウ‼︎俺が先だ‼︎」

 

ホッカホカチャーハンを取り合う中、春雨と春巻きが追加される

 

「ほらアレン。ハルサメだぞ〜」

 

「ゔっ…」

 

アレンは春雨と言う言葉が苦手だ

 

黒歴史があるからな

 

「は、る、さ、め、ちゃん‼︎」

 

「ぐっ…」

 

「春雨嫌いっすか⁇」

 

「この春雨は好きだ‼︎んっ‼︎頂こうじゃない‼︎」

 

こかもいの押しに負け、アレンは普通に春雨を食べた

 

春雨は好きだが、ハルサメは苦手なだけみたいだ

 

「餃子貰うぞ〜」

 

「お。俺は春巻き貰うな」

 

「お二人さん、ビール飲むかい⁇」

 

「飲む‼︎」

 

「頂戴‼︎」

 

「オッケ〜‼︎」

 

ボスにビールを持って来てもらい、互いに半分程一気に飲み干す

 

「くぁ〜っ‼︎」

 

「あ〜っ‼︎たまらん‼︎」

 

久々にありついたビール

 

互いに基地ではあまり飲まないので、合法的に飲むのはこことビスマルクの家位だ

 

しばらく満艦全席にありつき、あっと言う間に皿が空になった

 

「いやぁ〜、食った食った‼︎」

 

「美味かったぁ〜‼︎」

 

「今からお風呂だね⁇なら、これ飲んで行きな‼︎」

 

ボスが緑色の飲み物を持って来た

 

「アルコールを分解するジュースさ。甘く仕上げてあるよ」

 

「グリーンティーっすよ」

 

「飲めよ」

 

「ゔっ…」

 

今度はアレンに追い詰められる

 

「グ、リー、ン‼︎ティー‼︎」

 

「ぐっ…」

 

「グリーンティー嫌いっすか⁇」

 

「グリーンは苦手だが、グリーンティーは好きだ‼︎頂こうじゃないの‼︎」

 

ボスからグリーンティーを貰い、一気に飲み干す

 

「美味いな⁇」

 

「あれだ。抹茶だ抹茶」

 

「グリーンティーが抹茶って意味っす」

 

「緑茶じゃないのか⁇」

 

「緑茶もグリーンティーじゃなかったか⁇」

 

「「「う〜ん…」」」

 

俺、アレン、こかもいがその場で悩む

 

「ほらっ‼︎悩んでる間にお風呂行きなっ‼︎」

 

「行ってくる‼︎ご馳走さん‼︎」

 

「ごちそうさま‼︎また来るよ‼︎」

 

「いつでもっ‼︎」

 

「ささ‼︎こっちっす‼︎」

 

ボスに言われ、今度は中ボスかもい6号に着いて行く

 

 

 

 

「ごちそうさま言ってくれたっす‼︎」

 

「やったじゃないか‼︎」

 

「嬉しいっす‼︎」

 

こかもい達にとって、初めてのごちそうさま

 

満艦全席は普段照月や涼月に対して出される食事なのだが、ごちそうさまを一度も聞いた事がなかった

 

いつもキチンとお礼は言ってくれるが、ありがとうございました‼︎等、感謝の言葉

 

こかもい達はごちそうさまを聞いてみたかったのだ

 

「よしっ、ご褒美にデザート作ってあげようかねぇ‼︎」

 

「たい焼きがいいっす‼︎」

 

「杏仁豆腐がいいっす‼︎」

 

「い〜や‼︎焼きプリンっす‼︎」

 

ボスがデザートを作ってあげると言った瞬間、その辺にいたこかもい達の中で内戦が始まった

 

「ほらほら‼︎喧嘩しないの‼︎喧嘩する子は缶詰にしちゃうよ‼︎」

 

「わ〜っ‼︎それは嫌っす‼︎」

 

「ボスの作るの何でも好きっす‼︎」

 

「ジッとしてるんだよ‼︎」


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