艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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235話 こかもいホテル(2)

「アレンさん、これ持つっす‼︎」

 

「ほい」

 

アレンは縁日が一列に並んでいるエリアに来た

 

そこにはちゃんと射的があり、アレンはコルク銃を渡された

 

「弾は一回で10発っす‼︎」

 

「幾らだ⁇」

 

「ここ全部タダっす‼︎弾は足りなくなったら足すだけっす‼︎」

 

「言ったな⁇」

 

「言ったっす」

 

アレンは銃にコルクを詰めながら、台に並ぶ商品を見た

 

 

 

お菓子

 

食パン

 

ライター

 

食パン

 

食パン

 

お菓子

 

お菓子

 

食パン

 

新型ノートパソコン引換券

 

 

 

「うん、うん、うん⁉︎」

 

謎のラインナップである”食パン”が並ぶ中、アレンは中心にある目玉商品に目が行った

 

「あれだけ桁違わねぇか⁉︎」

 

案内してくれたちょっとデカイこかもいに話し掛けながらも、コルク銃を構えるアレン

 

「あれはヤバイっす‼︎最新モデルのノーパソが手に入るっす‼︎だけどカチカチっす‼︎」

 

「ネルソンに持って帰ってやりたいな」

 

「ネルソン⁉︎この前こかもい達のホテルに泊まってくれた人っす‼︎」

 

「ネルソンがか⁉︎」

 

「そっす‼︎すっごく綺麗なガイジンさんっす‼︎」

 

話によるとネルソンが大湊に一泊した際、最高のサービスを提供するからモニターをして欲しいとオッパイを見ていた二人から頼まれ、ここで一泊した

 

当時はまだ完璧に出来ておらず、それほどサービスは提供出来なかったらしいが、ルームサービスをした時に凄く喜んでくれたのを覚えているとアレンに教えてくれた

 

「そっか、世話んなったな」

 

「アレンさんも楽しんで欲しいっす‼︎」

 

アレンはコルク銃を構えながらちょっとデカイこかもいに微笑んだ

 

ピコッ‼︎

 

コルクが銃から飛び出し、何かが倒れた‼︎

 

 

 

 

 

「お〜い‼︎玉出ねぇぞ〜‼︎」

 

咥えタバコをしながら、俺はパチンコ台を叩いた

 

出玉は良いが、すぐ詰まるのが難点だな

 

「はいは〜い‼︎補充補充っす〜‼︎」

 

「マーカスさん‼︎飲み物どっすか⁉︎」

 

こかもいの一人がジュースメニューを持って来た

 

「サイダーとな、これと同じ銘柄のタバコくれるか⁇」

 

「分かったっす‼︎」

 

「あ〜‼︎コラコラ‼︎玉持ってけ‼︎」

 

カップで玉を掬うと、こかもいが戻って来た

 

「タバコの分だけ貰うっす‼︎85号‼︎」

 

「アイアイサーっす‼︎」

 

玉を数えるトレーを持ったこかもいがカウンターから出て来た

 

「85号だと…」

 

「頭の所に書いてあるっす‼︎」

 

玉を掬ってトレーに入れているのが23号

 

トレーを持っているのが85号

 

「100発頂くっす‼︎」

 

「4円かよ‼︎」

 

「4円っすよ‼︎でもある程度打ちホーダイっす‼︎」

 

「そ、そっか…」

 

それでもまだ、大当たりは続く…

 

 

 

 

「ふっふっふ…」

 

「大当たりっすー‼︎かんかんかんー‼︎」

 

射的コーナーでベルが鳴る

 

「新型ノートパソコン引換券ゲットっすー‼︎」

 

ノートパソコン引換券が落ちた‼︎

 

こかもい74号から引換券を貰い、アレンはふと気付いた

 

「これはどうやって買ってるんだ⁇」

 

「こかもい達のお給料から引かれるだけっす‼︎」

 

「んっ‼︎返却っ‼︎」

 

まさかのビックリ天引きシステムが発覚した為、アレンは引換券を返そうとした

 

「冗談っすよ‼︎備品として持ってきてくれるっす‼︎」

 

「後でカウンターで引き換えるっす‼︎」

 

「ならっ、そろそろ飲み物でも貰おうかなっ‼︎」

 

「お任せするっす‼︎」

 

大量のお菓子と食パンを抱えたアレンがカウンターに向かう

 

 

 

 

「だぁ〜っはっはっはぁ‼︎大量大量‼︎」

 

「全部で5万4263発っす‼︎凄いっす‼︎」

 

ようやく打ち終えた俺もカウンターへと向かう

 

大量のこかもい達が一人一個ずつドル箱を持ち、計算機に玉を入れて行く

 

「ささ、今の内に景品決めるっす‼︎」

 

「ん〜と…」

 

「よくまぁこんなに…」

 

射的を終えたアレンがカウンターでコーヒーを飲んで待っていた

 

「一番高いのを持って帰ろうと思ってなっ」

 

アレンがコーヒー片手にニヤつく

 

「こかもいの給料から天引きらしいぞ⁇」

 

それを聞いた途端、血の気が引いた

 

「なっ…‼︎返却‼︎へんきゃーく‼︎」

 

「これ備品っす‼︎」

 

「心配無いっす‼︎」

 

「よし。ならそのノートパソコンと謎のDVDを貰おう」

 

「流石はお目が高いっす‼︎」

 

カウンターの中にいる中くらいこかもいにノートパソコン、そして黒いパッケージに包まれたDVDを取って貰う

 

「DVDはチョー激ヤバのDVDっす‼︎」

 

「むっほほ‼︎」

 

ここまで言われれば、男の血が滾る

 

「どれにするっすか⁇3枚選べるっす‼︎」

 

DVDには、何故か艦の種類が書かれてある

 

「じゃあ…戦艦を2枚と空母1枚で」

 

「洋物にするっすか⁇」

 

「よ、洋物…」

 

「洋物はヤッバイすよ〜」

 

中くらいこかもいがニヤつく

 

「よ、よし…戦艦は一枚だけ日本だ。後は洋物を…」

 

「ふふふ…マーカスさんは本当にお目が高いっす…」

 

中くらいこかもいが袋にDVDを入れて行く

 

「そういや、君は他の子と比べて少し大きいな⁇」

 

ここでアレンが気になっていた事を言ってくれた


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