艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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23話 ケッコン(5)

「みんな帰ってるか⁇」

 

《ウン。ハマカゼガゴハンツクッテル》

 

「なら、全速力で帰るよ」

 

《キヲツケテネ》

 

いつもより飛ばし気味で、帰路に着く

 

流石だな、不備が一切無い

 

エンジンもご機嫌に吹いてる

 

敵も出ず、日が暮れる前に基地に着いた

 

「ただいま‼︎」

 

「おかえり‼︎」

 

「おかえりなさい。ごはんが出来ました」

 

「武蔵とローマは⁇」

 

「そこで将棋をしてます」

 

テレビの前で、二人が将棋を指している

 

その横で、チェルシーが不思議そうに盤を眺めている

 

「さ、出来ましたよ」

 

いつもの様にたいほうの横に座り、みんなで食卓を囲む

 

「いただきます‼︎」

 

「大佐、おかえりなさい‼︎」

 

「やはり提督が居ぬと、何処か寂しかったぞ」

 

「すまんな。心配掛けた。あ、そうだ。後でみんなにお土産があるから、一人づつ来て欲しい」

 

「おぉ〜‼︎」

 

「たいほうもある⁉︎」

 

「あぁ、あるぞ‼︎」

 

「やったぁ‼︎」

 

ごはんを食べ終わるに連れ、心拍数が上がる…

 

「ごちそうさま。さ、俺はちょっと準備するから、数分したらはまかぜ、君から入って来て」

 

「わ、分かりました」

 

執務室に入り、タバコに火を点ける

 

緊張の為か、足が震える

 

とりあえず、はまかぜだな

 

「大佐、はまかぜです」

 

「入れ」

 

最初ははまかぜ

 

「はまかぜにはこれ」

 

お菓子作りのセットを渡すと、嬉しそうに受け取ってくれた

 

「それ一つで、色んなお菓子が造れるそうだ」

 

「これでたいほうのオヤツに困りません」

 

「ふふ。たいほうを呼んで来てくれないか⁇」

 

「あ、はい。ありがとうございました」

 

彼女は少し感情が読みにくい

 

喜んでくれたらいいんだけどな…

 

「パパ〜‼︎」

 

来た来た

 

「たいほうにはこれ‼︎じゃ〜ん‼︎」

 

「ひこうき‼︎」

 

そっちに目が行ったか…

 

「みんなと仲良く遊ぶんだぞ⁇」

 

「うんっ‼︎ありがとう‼︎」

 

「じゃあたいほう、チェルシーを呼んで来てくれないか⁇」

 

「わかった‼︎」

 

たいほうはすぐ分かるな

 

嬉しいとすぐ表情に出る

 

「パパ、キタヨ」

 

「チェルシーにはこれ。はいっ」

 

「ハジメテノボーキサイト」

 

「色んな飛行機を造れるんだと。たいほうと一緒に遊んでやってくれ」

 

「ン、ワカッタ。オモシロソウ」

 

「…」

 

次に何方を呼ぶか迷う

 

ここに来て迷いが出た

 

「パパ、オミヤゲアリガトウ‼︎」

 

「あ、あぁ…また買って来てやるからな」

 

「ツギハローマ⁇ムサシ⁇」

 

「…」

 

「パパ⁇」

 

「…武蔵を呼んでくれ」

 

「ワカッタ」

 

チェルシーが部屋から出た後、2つある箱を机に置いた

 

それを見つめて、何度も迷う

 

武蔵が来るまで、物凄く長く感じた

 

「提督よ‼︎土産は何だ⁉︎」

 

豪快に登場した武蔵

 

余計に心拍数が上がる

 

「む、武蔵…」

 

片方の箱を隠し、残った方を手に取った

 

「武蔵、君にはこれを…」


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