艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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さて、232話が終わりました

今回のお話は、あのパパラッチちゃんがいらんことする…

とのお話では無く、アイオワのアイちゃんが色々写真を撮ります

最初は何を撮るのかな⁇


234話 Memory Photographer(1)

「ども‼︎呉の青葉です‼︎」

 

「貴様が、ザ・パパラッチ・アオバか‼︎」

 

「そうです‼︎青葉です‼︎」

 

この日、青葉はラバウルに来ていた

 

最近青葉はビスマルクに腕を買われ、ガールズ・フリート・ファッション…

 

略して”ガルフリ”の派遣カメラウーマンになっていた

 

しかし、過去に犯した数々の罪…

 

・男性パイロットの盗撮写真の売買

・男性提督の盗撮写真の売買

・艦娘に対してストーカー行為

・艦娘の盗撮写真を基地内で売買

 

等の悪行の数々が消える訳ではなく、未だに”ザ・パパラッチ・アオバ”の渾名は消えない

 

しかし、腕はかなり良い

 

押収した盗撮写真の数々も、中々綺麗に撮れている為、ビスマルクはその腕を買った

 

呉さんはその事に対し…

 

「青葉が遂に社会の役に…」

 

と、涙していたらしい

 

「ネルソンさん‼︎今日はお願いしますね‼︎」

 

「うぬ‼︎余に任せておけ‼︎」

 

ラバウルの至る所で一回一回着替えてはポーズを取り、青葉がカメラに収めて行く…

 

 

 

「アオバも大変ネ〜…」

 

「パパラッチから随分変わったわね〜」

 

青葉の様子を見ながら、アイちゃんと愛宕はポップコーンを食べている

 

「コレは⁇」

 

机の上には、青葉が予備で持っているインスタントカメラ”AOBASYARI”が置いてある

 

青葉がきそに頼んで作って貰った、ピンぼけしないインスタントカメラだ

 

それに、シャッター音も限りなく小さい

 

正に盗撮向きのカメラだが、勿論市販されていない

 

榛名のピンバッチやきそリンガルの様に、タウイタウイモールにも無いので悪しからず…

 

「アオバシャリ…」

 

「青葉とカメラのバシャリ‼︎って効果音をかけてるのよ‼︎」

 

ビミョーな顔をしながらも、アイちゃんはカメラに興味を持った

 

「メモリーカードを替えないと…あっ、アイオワちゃん、カメラに興味ありますか⁉︎」

 

「エ⁉︎イヤ、その…どんなのかなぁ〜ッテ…」

 

「青葉、それはまだ使ってないんでアイオワちゃんにあげます‼︎じゃ‼︎」

 

青葉はアイちゃんの手にAOBASYARIを置き、メモリーカードを持ってまたネルソンを撮りに行った

 

「あ‼︎チョット‼︎」

 

いきなり貰ったAOBASYARIを手に、アイちゃんは困惑する

 

「良かったわね、アイちゃん⁇」

 

「何撮ろうかな…」

 

 

 

 

その日の夜、被写体第一号は現れた

 

「Papa〜Mama〜、Rise Ball持ってき…」

 

「こうか⁇」

 

「そっ。中々上出来だっ」

 

アレンの自室で、ネルソンが眼鏡を掛けてPCの前に座り、その横でアレンがデスクに腰を置きながらコーヒー片手にネルソンに何かを教えていた

 

第三者から見ても、今、この二人の姿は絵になっている

 

「フフ…IOWAに気付かないPapaとMamaが悪いのよ…」

 

アイちゃんは一旦引き下がり、ポケットからAOBASYARIを取り出した

 

そして…

 

パチャリ…

 

「アイちゃん、どうしたんだ⁇」

 

「Rise Ballヨ‼︎IOWAとニッシンで握ったノ‼︎」

 

「そうか‼︎アレン、今日は終わりにしよう‼︎」

 

「そうだなっ」

 

PCの電源を切り、おにぎりに向かって軽く手を合わせた後、ネルソンもアレンも、おにぎりに手を伸ばし、食べ始めた

 

「コレはアイちゃんのライスボールだ、んなっ‼︎」

 

「Best Answer‼︎」

 

すっかりネルソンに懐いたアイちゃん

 

当初の困惑は何処へやら…

 

「こっちは日進か⁇」

 

「どうして分かるノ⁇」

 

「娘だからなっ‼︎」

 

「二人共、余の娘に変わりは無いっ‼︎」

 

「フフ…また後で取りに来るワ⁇」

 

アイちゃんは邪魔しちゃ悪いと思い、アレンの部屋から出た

 

「アイちゃん、随分上手くなったな…」

 

「日進はもう少しだなっ‼︎」

 

二人は顔を見合わせた後、一言だけ言った

 

「「日進のおにぎり、甘い…」」

 

恐らく、間違えて手に砂糖を塗ってしまったと思われる

 

それを抜きにしても、二人共どれがどっちが握ったおにぎりかは分かっていた…


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