艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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喫茶店に着くまで、危険がいっぱい


226話 ホワイトブレンド(2)

都市型居住区に着き、隊長に着いて行く

 

「はいぱぁらっきぃ〜‼︎きゅい〜きゅい〜‼︎」

 

パチンコ店の前で、金髪の女の子がアルバイトをしているのが見えた

 

「ね…ねいびぃちゃんだ…」

 

「ねいびぃちゃんはマズイな…壁沿いに行くぞ」

 

隊長と共に、ねいびぃちゃんにバレないように背後の壁を伝う…

 

「あ‼︎そこのお二人さん‼︎ねいびぃちゃんときゅい〜きゅい〜しませんか〜⁉︎」

 

瞬殺でバレた

 

「きゅい〜きゅい〜しません‼︎」

 

「じゃあな”大和”‼︎」

 

「すぅ…」

 

俺の言った一言で、ねいびぃちゃんがキレた

 

「ふせろ‼︎」

 

「うぉっ‼︎」

 

「はいぱぁらっきぃぃぃぃぃい‼︎」

 

隊長に頭を抑えられて間一髪で地面に伏せ、何とか女神の鉄槌を回避出来た

 

「きゅい〜きゅい〜」

 

地面のタイルが剥がれまくり、何処からともなくやって来た妖精達があくせく直す中、砂埃の中からねいびぃちゃんがきゅい〜きゅい〜言いながら出て来た

 

「私達はこの先に用事があるんだ‼︎」

 

「大和ではありません。私はねいびぃちゃんです」

 

「ねいびぃちゃん‼︎」

 

「ねいびぃちゃん可愛い‼︎」

 

地面に尻を付いている俺達に顔を寄せ、ねいびぃちゃんは俺達を交互に見た

 

「ありがとうございますっ‼︎」

 

満足そうにねいびぃちゃんは帰って行った

 

「死ぬかと思った…」

 

「貴子と同じ匂いがするよ…あいつもっ、怒るとおっかないからなっ」

 

「ウィリアム⁇」

 

隊長と俺の肩がビクゥ‼︎と上がる

 

「…レイ」

 

「…俺に代わって、今した声の主を見てくれならお断りしたい」

 

カタカタ震えながら、互いに冷や汗を流す

 

物凄い殺気が背中を伝っている…

 

「…アイスコーヒー奢ってやるから」

 

「わ、分かった…」

 

恐る恐る背後を振り返る…

 

「マーカス君達もいたのね‼︎」

 

「あははは…」

 

そこに居たのはやっぱり貴子さん

 

俺には笑顔を見せる貴子さんだが、隊長の背中を見た瞬間、目付きが武蔵に戻った

 

「ウィリアム」

 

「…はい」

 

「こっち向いて」

 

「…右ストレートですか」

 

「左フックよ」

 

真顔で返す貴子さんが怖い…

 

「クソゥ‼︎こうなりゃヤケだ‼︎」

 

隊長は勢い良く振り返った

 

「大丈夫⁇」

 

貴子さんはポケットからハンカチを取り出し、隊長の顔に付いた砂を払った

 

「え⁉︎あぁ‼︎勿論さ‼︎」

 

そう言う隊長の目は泳いでいる

 

「次言ったら左フックと右ストレートとアッパー二回よ⁇」

 

「はい。勿論です」

 

全く威厳の無い隊長も珍しい

 

「貴子もお休みか⁇」

 

「そっ‼︎ここはどんな所かな〜って思って見に来たの。中々良い所ね‼︎」

 

貴子さんもここを気に入ったみたいだ

 

まだまだ開発途中だが、来る度に都市化が進んでいる

 

「もうちょっとブラブラしてから帰るわ⁇」

 

「ゆっくりな‼︎」

 

「じゃね‼︎お二人さん‼︎」

 

貴子さんは笑顔でビルの中に入って行った

 

「さぁ、行くか‼︎」

 

「オーケー‼︎」

 

目指すは喫茶”タッチバックス”…


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