艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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さて、218話が終わりました

長い間間隔を開けて申し訳ありません

今回のお話は、新しいシスターのお話です

新種のシスターは誰かと知り合いの様子で…


219話 新種のシスター(1)

「神、ですか」

 

「そうよ〜。レイは信じてないみたいだけどね⁇」

 

親潮と横須賀は、今日も視察という名のお散歩

 

急に神の話をしたのは、親潮が教会に興味を示したからだ

 

「ではゴーヤさんは神ですか」

 

あまりにも突拍子の無い親潮の真面目な問いに、横須賀は声を出して笑う

 

「あっははは‼︎あの子はそういう名前なのよ。レイって信じてない癖に自分の産み出した子には神の名前を付けるのよね」

 

「アイリス、タナトス、ステラ、アルテミス…」

 

「クラウディアもよっ⁇」

 

「はっ‼︎」

 

横目で親潮を見る横須賀が微笑む

 

親潮は自分もちゃんと二人の子供だと再認識し、笑顔を見せた

 

「そう言えば、最近教会にシスターが一人増えたらしいわ⁇」

 

「シスター・グリーン様と、シスター・ヌードル様ともう一人、ですか⁇」

 

「えぇ。どんな人かしらね⁇」

 

「優しい人だと良いです」

 

親子二人の視察は続く…

 

 

 

 

次の日の昼

 

繁華街で何か食べようとしていた俺とアレンは、教会近くの喫煙所で一服していた

 

「おしゃ‼︎そろそろ行くか‼︎」

 

「おっ‼︎」

 

タバコの火を消し、ベンチから立ち上がる

 

さぁ、何を食おうか‼︎とか、楽しい話をしようとした矢先だった

 

俺達二人は物陰に隠れた

 

「なんでシスターがここに…」

 

「分からん…新種か⁇」

 

前からシスター服を着た少女が、両手に買い物袋を持って歩いて来た

 

ユーグモでもなければ、ハルサメでもない

 

新種のシスターだ

 

茶色のフワフワショートカットで、目にハイライトが無い

 

なんだかヤバい気がする…

 

「どうする…裏から回るか…」

 

「しかねぇだろ…」

 

そのシスターを回避する為、壁に添いながら別ルートを目指す

 

「…何してるの」

 

「「ヒギャァァァァァア‼︎」」

 

そのシスターがいきなり背後に現れた‼︎

 

このシスター、とにかく足が速い

 

「撤退‼︎撤退だ‼︎」

 

一瞬の隙を付いて、脇から逸れる

 

「ねぇ」

 

「「ワァァァァァア‼︎」」

 

それでも前方に瞬時に現れるシスター

 

「よし…アレン。こうなりゃ必殺技だ」

 

「しかないな…」

 

ゆっくりとシスターから反転し、逆方向を向いて歩き始める

 

ダッシュで無理ならゆっくり歩けば良い

 

「取った」

 

「あ‼︎」

 

「クソゥ‼︎」

 

服の裾を掴まれ、動きを止められる

 

「…何で避けるの⁇」

 

「だって…なぁ⁇」

 

「あそこのシスターは強者ばっかなんだぞ‼︎」

 

「シスター・グリーンとシスター・ヌードルの事ですか⁇」

 

「そうだ‼︎欲求不満と怠惰のシスターだっ‼︎」

 

「…」

 

背後から殺気を感じる…

 

「マーカス君⁇」

 

「はひぃ…」

 

「アレン君⁇」

 

「はひっ…」

 

互いに背後から別々の殺気を感じる

 

「さっ‼︎お祈りをしましょう⁉︎ねっ‼︎ねっ‼︎」

 

「すぐ終わるでし‼︎」

 

「「嫌だぁぁぁぁぁあ‼︎」」

 

「「グヘヘへへ…」」

 

二人共ヨダレを垂らし、目に殺気を込めながら俺達を引っ張り、教会へと引き摺り込んだ…


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