艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

719 / 1086
このお話は、真ん中の海の家を選んだお話になります

異国の女性が沢山いる海の家

凄いぞ‼︎金髪の外国人もいるぞ‼︎


∟2.異国の香りに包まれよう‼︎

「真ん中から行ってみるか」

 

「一番無難そうな所行ったな…」

 

左は巨乳だらけで是が非でも行きたい

 

右は多分大丈夫そうだ‼︎

 

だったらお楽しみは最後に取って置きたい

 

それに、さっきから美味そうな匂いがずっとしている

 

「あっ‼︎お二人さん‼︎こっちこっち‼︎」

 

金髪の女の子が手招きしている

 

これは行くしかない‼︎

 

 

 

「いらっしゃいませ‼︎」

 

「ザラはバイトか⁇」

 

「はいっ‼︎ザラ、今日は遊戯場はお休みして、こっちのお手伝いです‼︎」

 

可愛いらしいフリル付きの赤い水着を身に付けたザラは、相変わらずどこに行ってもウェイトレスが似合う

 

「何かお召し上がりになりますか⁇」

 

「何があるんだ⁇」

 

「これだ」

 

俺とアレンの分のメニューが、ザラではない誰かから手渡された

 

「ビビリはウナギピザだな」

 

「アーク‼︎」

 

メニューをくれたのはアーク

 

スタイルは良いが他の子と比べて出る所は出ていない

 

そんなアークが身に付ける水着はピンクのフリフリ

 

「ふっふっふ…今日はジャーヴィスが居ないからな‼︎思う存分ビビリをビビリと言えるぞ‼︎」

 

「お、おい…」

 

アレンが指差す方には窓がある

 

その先には下から顔を半分出したジャーヴィスがいる

 

怒ってはいなさそうだが、真っ直ぐな視線でアークを見ている

 

「いらっしゃいませマーカス様‼︎アレン様‼︎お好きなご注文をどうぞ‼︎」

 

ジャーヴィスに気付いたアークはすぐに声色を変えて来た

 

「スッゲー嫌々出してる感が凄い…」

 

「俺はこのウインナーピザとコーラにする。レイは⁇」

 

「いいだろう…ウナギピザとコーラだ‼︎」

 

「ほぅ…ウナギピザだな⁇知らないからな‼︎」

 

アークが去った後、ちょっとヤバい奴を頼んでしまったか…と不安になった

 

コーラを飲みながら店内を見回す

 

赤いフリル付き水着のザラ

 

ピンクのフリフリ水着のアーク

 

後二人いるが、今の所顔が見えない

 

台所にいる金髪のおさげ髪の子

 

それと、ポニーテールに括った金髪の子

 

どの子もスタイルが良い

 

「お待たせしましたー‼︎ウインナーピザです‼︎」

 

活気の良い声と共に、輪切りウインナーをふんだんに乗せたピザが来た

 

「おっ‼︎プリンツちゃん‼︎アルバイトか⁇」

 

「はいっ‼︎最近は裏で家事とか子供達と遊ぶのが多かったので、今日は表でアルバイトです‼︎」

 

金髪おさげはプリンツ

 

赤と黒のビキニを着てアルバイトしている

 

「そうか。プリンツちゃんは妹か」

 

「そっ」

 

「俺も兄妹欲しいな…」

 

アレンが兄妹を欲しがるとはな…

 

ちょっと意外だ

 

「頼んでみろよ。案外頑張ってくれるかもな⁇」

 

「…想像したくない」

 

「無理無理〜っ‼︎」

 

「やめろ‼︎中途半端に変な気分になる‼︎」

 

アレンの気持ち、ちょっと分かる気がする…

 

「アレン、キョーダイ、欲しい⁇」

 

「まぁ…」

 

「ん…分かった。ママ、頑張るね」

 

「え⁉︎ちょ‼︎嘘‼︎ストップーッ‼︎」

 

「ん⁇」

 

いつの間にかプリンツはおらず、何故かガンビアが居た

 

童顔に似合わず、結構ボインだ

 

身に付けているビキニは黒を基調とし、左胸に大きな白い星が描かれている

 

見た目の割に結構派手だな…

 

「アレン、キョーダイ、いらない⁇」

 

「い、今更いい‼︎」

 

「ママは欲しい」

 

「えぇ〜…」

 

アレンの制止虚しく、笑顔のガンビアは注文を取りに行った

 

「アイちゃんでさえ手一杯な時あるのにもう一人だと…」

 

「無理無理〜っ‼︎」

 

「無理無理〜っ‼︎」

 

ガンビアの口癖である、無理無理〜っ‼︎を言い合い、アレンはどうにか正気を保つ

 

「出来たぞマーカス様‼︎ウナギピザだ‼︎」

 

「う、うわぁ…」

 

アークが意気揚々と持って来たウナギピザを見て、ため息を漏らす

 

「結構真面目にアークが作ったんだぞ」

 

「美味そうだな…」

 

そう、このウナギピザ、中々美味そうな外見をしている

 

薄い輪切りにされたウナギが散りばめられており、身にはちゃんとタレらしき物を塗ってある

 

ド真ん中にチリッチリに焼いたウナギの頭さえ無ければ完璧だったんだが…

 

「美味いはずだぞ」

 

「頂きます」

 

まだ少し嫌悪感を残しつつも、ウナギピザを食べてみた

 

「あ⁉︎美味いぞ⁉︎」

 

「ふふ…だろう⁇」

 

「意外だ。イケるな、これ」

 

予想外に美味だったウナギピザ

 

横でアレンもウナギピザを頬張り、美味そうに食べている

 

「そう言えば、母さんと貴子さんが一回だけウナギで喧嘩してたな」

 

「あぁ…姫はウナギを見るとすぐゼリーにしたがるからな…」

 

母さんはお菓子の作り方は上手い

 

普通の家庭料理もソツなくこなす

 

だが、時折ブッ飛んだ料理が出て来る

 

パンに塗る何とかマイトとか言う黒いジャム

 

不気味なウナギゼリー

 

母さんはそれを美味い美味いと言って食う

 

決して味覚がバグっている訳ではなく、祖国やら故郷の味らしい

 

「アークはフツーだぞ」

 

「これ食うとそうなるわな」

 

その点、アークは全て平均的にこなせる

 

ただ、やはり時折ブッ飛んだ料理を作るのはやはり…

 

「ではマーカス様、また自宅で」

 

「お、おぉ…」

 

アークも別席の注文を取り始めた

 

「お〜、姉ちゃん。溢れちまったぞ」

 

「ひっ…すみません…Sorry…」

 

ガンビアが客に飲み物を零したみたいだ

 

それも厳つくてゴツい客だ

 

「あぁ、ママ。俺が拭くよ」

 

「アレン…」

 

「おい。俺はそっちの姉ちゃんに…」

 

「申し訳ありませんね…私のママが…」

 

膝を拭くアレンの手に力が入り、ゴツい客に笑顔を送る

 

「お…おぉ…」

 

「お飲み物の替えをお持ちします。少々お待ちを」

 

「い、いや〜‼︎美味かったなぁ〜‼︎」

 

ゴツい客は見るからにアレンから目を逸らし、冷や汗を流し始めた

 

「宜しいので⁇」

 

「…申し訳ありませんでした‼︎マクレガー大尉の母とは知らず‼︎」

 

ゴツい客は机に突っ伏して謝り始めた

 

「次ママに手ェ出したらケツミサイルだからな…」

 

「はひぃ‼︎ししし失礼します‼︎」

 

ゴツい客は逃げる様に出て行った

 

「Thank you、アレン…」

 

「気にしないでいいよ」

 

丸で妹か娘を相手する様にガンビアを慰めるアレン

 

軽く抱きしめた後、頭を撫でてカウンターに返している

 

それをコーラを飲みつつ帰りを待つ俺

 

「すまんすまん」

 

「何で兄妹が要らないと言ったか分かったよ」

 

「何だ⁇」

 

「アレンも苦労人だなって思ってな」

 

「そうですか」

 

「そうですな」

 

まさか言えるはずもない

 

アレンがガンビアと接するのは、子供を相手にするのと同じだと…

 

 

 

 

結局、ウインナーピザもウナギピザも完食した

 

「ありがとうございましたー‼︎」

 

「また来てねー‼︎」

 

「マーカス様はウナギピザしかないぞ〜」

 

「アレン、後で、ね⁇」

 

鱈腹食べた俺達は、満腹感が収まるまで砂浜で大の字になった…

 

 

 

 

「え〜と。ウインナーピザが1、ウナギピザも1」

 

「やはりブリティッシュの料理は美味いのだな‼︎」

 

「ウインナーピザだって負けてませんっ‼︎」

 

プリンツはアークと戦っていた

 

何方が多く売れるのか…

 

「…」

 

この時、ザラは言わなかった

 

自分のシンプルなピザが一番売れている事を…


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。