艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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題名がピッとだけ変わってますが、前回の続きです

当てられるスポットが日向から大東に変わります


204話 終の住処に住む”少女”(2)

「チリ紙、ハンカチ、入れたな」

 

最後に先生からの報告手帳を見る

 

”今日は元気にお外で遊んでいました

 

ここ最近、編入した佐渡ちゃんと言う子と仲良く遊んでいます”

 

「ふふ…」

 

どうやら大東が言った事は本当の様だ

 

「ぎゅーにゅーぎゅーにゅー」

 

風呂から上がった大東は、旦那に冷蔵庫から牛乳を取って貰い、自分のコップに入れて両手で持って飲んでいる

 

「さぁ、大東。もうおやすみの時間だ」

 

「おやすみー」

 

大東を布団に寝かせた後、私も風呂に入る

 

後は旦那が絵本等を大東に読み聞かせてくれる

 

「ふぅ…」

 

湯船で一日の疲れを癒す

 

この疲れも良いもんだ

 

元帥は毎日午後に必ず時間を取り、決められた曜日の、決められた店に視察に来る

 

その時、元帥は必ず店の一番高い物を頂かれる

 

艦娘達や提督は無料だ

 

あの元帥の事だから、どうせ無料なら一番高い物を食べよう…そういう魂胆だと思っていた

 

だが、元帥は視察の際、毎回必ず代金を支払う

 

今日も支払ってくれた

 

私が思っていたより、遥かに良い提督だと思う

 

視察で店員の行動と客の出入り等をシッカリと確認され、それに応じた給金を払ってくれる

 

あまり売上が好調で無い日も、それなりの給金をくれる

 

言動は私から見ても、マーカス大尉が言っている様に、中々チャランポランだ

 

だが、行動力の高さと速さ、人望の厚さ、そして気風の良さは私の知る限りトップクラスに入る

 

あれだけ大人数…エースパイロットの所属する部隊、腕利きの海軍…それらを引き抜いて、自分の元に置いておくのは並大抵の努力と資金では出来ない

 

「ん…」

 

考えたらのぼせてきた

 

上がろう

 

脱衣所で体を拭き、苺柄のパジャマに着替えてリビングに戻って来た

 

「お疲れ様、日向」

 

「貴方こそお疲れ様です…大東は寝ましたか⁇」

 

「寝たよ。随分と遊んで来たみたいだ」

 

「そう…貴方もお遊びになりますか⁇」

 

「ん⁇そ、そうだな…」

 

”旦那と二人きり”になる時、私は女に変わる

 

夜中は抱かれる時もあれば、抱く時もある

 

どちらの時も、旦那は私を愛してくれる

 

変わったと言うのなら、もう襲われる事が無くなった事位だ…

 

 

 

 

 

 

「みほよ。毎日すまんな」

 

「気にしないで‼︎行き道だし、一緒の幼稚園だから‼︎」

 

「大東。みほに失礼のない様にな」

 

「うんっ‼︎」

 

みほと手を繋いだ大東の服の襟を整える

 

「よしっ、行って来い」

 

「行って来ま〜す‼︎」

 

みほは学校

 

大東は幼稚園に向かう

 

因みに学校から幼稚園は一本道の同じ通りにある

 

「また夕方ね⁇」

 

「うんっ‼︎ありがとうみほちゃん‼︎」

 

みほと別れ、大東は幼稚園に来た

 

幼稚園の園児はまだまだ少ない

 

全員合わせても、10人と少し

 

先生は入れ替えで常時四人いる

 

園児三人に一人は先生がいる計算だ

 

「オッス大東ちゃん‼︎」

 

「あ‼︎佐渡ちゃん‼︎おはよう‼︎」

 

綺麗な歯を見せながら現れた女の子

 

この先、大東と一生の友達になる佐渡である

 

この幼稚園にいるという事は、佐渡の親も海軍の関係者

 

一体誰の子なのか…


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