艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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さて、19話が終わりました

今回は平和なお話です

そして、横須賀君の素性が少し分かります


20話 羽を休める場所(1)

20話 羽を休める場所

 

「まて〜‼︎きれいなちょうちょ〜‼︎」

 

外では虫取り網を持ったたいほうがちょうちょを追い掛け回して遊んでいる

 

「サンドイッチが出来たわ」

 

「さんどいっち⁇はんばぁがあとは違うな…」

 

「水筒にはスープを入れてあります」

 

「オカシデキタ」

 

最近デザートの作り方を覚えたチェルシーがマフィンを作ってくれた

 

「よし、行こう」

 

みんなで色んな物を持ち、たいほうの所に向かう

 

「とれたか⁇」

 

「おっきいちょうちょとれた」

 

「ごはんにしよう」

 

適当な所にマットを敷き、そこにサンドイッチの入ったカゴやらスープやらお菓子やら色々置かれた

 

それを思い思いに取り、口に運んで行く

 

みんなで団欒

 

私が求めていた平和に一番近い光景だと思う

 

「大佐‼︎こんな所に居ましたか」

 

向こうから横須賀君が来た

 

「お前も食え」

 

「いただきます」

 

横須賀君はサンドイッチを取り、私の横に座った

 

「今日は平和ですね。悪い報告も無いと来た」

 

「平和が一番だろ⁇俺達はその為に居るんだ」

 

「ふふっ…まぁ、それもそうですね。あ、はまかぜ、そのスープも」

 

「お前が一番楽しんでるじゃないか…」

 

今日はコルセアもフィリップもスペンサーもお休み

 

空は静かで、海は穏やか

 

「あぁ…食った食った」

 

横須賀君と二人して原っぱに寝転がり、みんなを見た

 

「いつまでも続くといいですね…」

 

「あぁ…」

 

「大佐、もし戦争が終わったら、何したいですか⁇」

 

「そうだな…とりあえずは街に戻る」

 

「それで⁇」

 

「久し振りにパチンコして冷たいビール飲んで…まぁ、番いが居れば、美味しい飯が食べたいな」

 

「なるほど…」

 

「仕事は…そうだな。出来なかった小説を書いてみたいな⁇」

 

「お嫁さんはあの中から選ぶのですか⁇」

 

「まだ分からん…」

 

「私はどうです⁇」

 

「え''っ⁉︎」

 

つい声が裏返った

 

「ご飯も作れますし、貴方を一番知ってます。負けない自信はあります」

 

「…考えておく」

 

「ふふっ…すぐにとはいいませんよ」

 

 

 

 

 

「むっ…」

 

「どうしたの⁇」

 

「今ライバルが増えた気がした」

 

「隊長の横に居るのは横須賀さんよ⁇大丈夫よ」

 

「奴は女だ‼︎」

 

「…」

 

はまかぜがボールを落とし

 

ローマの首が二人の方に向いた

 

たいほうとチェルシーは気にせず遊んでいる

 

「…無いわ」

 

「いや、時々すれ違う時に女特有の匂いがした。胸だって無いように見えるが、サラシで隠してるだけだ‼︎」

 

「何でそれを…」

 

「この間二式大艇で、私の横に座っていただろう⁇」

 

「えぇ」

 

「その時、ふと背中を見た時、うっすら服のシワが見えた」

 

「それだけじゃ確信ないじゃない」

 

「確かめるぞ」


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