艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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201話 美女スパイ潜入調査(6)

「鍵がかかってますわ…」

 

「姉さん。これで開きますか⁇」

 

もう一人の女性が、谷間から鍵を取り出した

 

「いつの間に…」

 

「さっき姉さんがダンスパーティーに参加している間にスリを」

 

「ふふっ。手グセの悪い妹だことっ‼︎」

 

姉さんと呼ばれた女性が鍵を開け、中に入る

 

「誰…」

 

食料庫の奥に、パイプに繋がれた女性が居た

 

「アンタを助けに来た」

 

「Oh…Thank you…」

 

かなり憔悴しているが、治療すれば大丈夫そうだ

 

「手錠を外す。ちょっと待ってな…」

 

「貴方、名前は⁇」

 

「マーカス・スティングレイ。大尉だ」

 

「Oh…リチャードの息子ね…息子にも助けられちゃったわ…」

 

「外れた‼︎話は後だ。ここから出よう‼︎」

 

手錠を外し、女性を背負う

 

「マーカス大尉。わたくし達が道を開きます」

 

「マーカス大尉は私達に着いて来て下さい」

 

「分かった」

 

二人に案内され、空母の外を目指す

 

食料庫を出て階段を上がり、いざ空母から出ようとした

 

「止まれ。そのじょ…」

 

「あら。随分と効き目があること」

 

妹の方の女性が谷間からリベレーターを出し、瞬殺で近衛兵を眠らせた

 

「行きましょう」

 

空母から出ると、隊長、ラバウルさんと憲兵が待ってくれていた

 

「レイ‼︎」

 

「この人が提督だ‼︎カプセルに入れる‼︎」

 

「分かった‼︎エドガー‼︎憲兵引き連れて中を頼む‼︎」

 

「畏まりました‼︎さぁ‼︎行きますよ‼︎」

 

ラバウルさんが憲兵をゾロゾロ引き連れて空母の中に入るのを見て、俺達は医務室に女性提督を運んだ

 

「よしっ。もう安心だからな‼︎」

 

「Thank you…ふぅ…」

 

カプセルに女性を入れた後、ようやく一息つけた

 

「よくやったなレイ‼︎」

 

「彼女達のお陰さっ‼︎」

 

「いいえ。貴方の功績ですわ、マーカス大尉」

 

「それと、わたくし達を信じてくれたウィリアム大佐とマクレガー大尉のお陰です」

 

「あの堅物君のアレンが信用するとはねぇ〜」

 

タバコに火を点け、咥えながらカプセルの時間を見る

 

「私はエドガーの応援に行って来る。事が終わったら奢ってやるから、鳳翔で待ってろ」

 

「へへっ、やりぃ‼︎」

 

隊長が去り、謎の美女二人と俺と、カプセルに入った女性の四人になった

 

「助かったよ。そうだ、何かお礼させてくれ‼︎」

 

「ふふっ…構いませんわ⁇」

 

「わたくし達、いつもマーカス大尉にお世話になってますの。その恩返しですわ⁇」

 

「ははっ‼︎面白い事言うな⁇」

 

「でもっ…お礼と言って下さるのなら…えいっ‼︎」

 

「えいっ‼︎」

 

「おぉ…」

 

二人が急に抱き付いて来た

 

「「…抱き締めて下さる⁇」」

 

「んっ」

 

二人をギュッと抱き締める

 

何処かで抱き締めた気がする…

 

「ふふっ‼︎これで満足ですわ‼︎」

 

「わたくし、夢も叶いましたの‼︎」

 

「もう行くのか⁇」

 

「えぇ…でも、すぐにお逢い出来ますわ⁇」

 

「わたくし達は、常に貴方のお傍に…」

 

「分かった。何も聞かないでおくよ…ありがとうな⁇」

 

二人は笑顔を見せた後、医務室から去った

 

お礼をしたいのなら、何も聞かずに黙っておこう

 

これがあの二人に対して返せる唯一の恩だ…

 

 

 

「上手く行ったわね⁇」

 

「スリ上手に出来た‼︎」

 

「そろそろ戻りましょう⁇横須賀さんが心配するわ⁇」

 

「はいっ‼︎姉さん‼︎」

 

二人は工廠に戻り、借りた武器をキチンと返した後、元の服に着替え、横須賀の待つ執務室に戻った…

 

 

 

 

その日の深夜…

 

「まさか俺が囚われのお姫様”役”になるとはな…」

 

「悪かったって言ってんでしょ⁉︎」

 

「まっさか演習とはな‼︎」

 

横須賀含めた五人が鳳翔に集まり、実はまさかの演習だった事が判明した

 

偽提督は本当は艦長で、事が終わった後、付き添いの兵士と共にスッ飛んで来て申し訳ない位床に頭を擦り付けて来たので、両人カプセルに放り込んだ

 

一応怪我をしているしな

 

女性提督のあの憔悴も演習

 

一日食べなかっただけであぁなったらしい

 

「でも、あの美女は誰だったんだ⁇」

 

「演習の一環じゃないのか⁇」

 

「何よ、みんな揃って…」

 

横須賀以外は口を揃えて言う、美女二人の存在

 

「あえんしゃんおしゃけのむ⁇」

 

「かんつ〜はい‼︎」

 

「おっ‼︎ありがとう‼︎」

 

いつの間にか、ひとみといよが参加している

 

「おみかんのじゅ〜しゅ‼︎」

 

「かああえ‼︎」

 

いよはアレンにチューハイを注いだ後、オレンジジュースを飲み

 

ひとみは唐揚げをパクついている

 

「貴子には内緒だぞ⁇」

 

「あかった‼︎」

 

「ないちょすう‼︎」

 

「ありがとう、隊長」

 

「たまには良いさ。レイも貴子には内緒だぞ⁇爆弾落とされるから‼︎」

 

「了解っ」

 

「あえんしゃん、あ〜んちて⁇」

 

「あ〜…」

 

「おいち⁇」

 

「美味しい‼︎」

 

ひとみといよはずっとアレンの相手をしている

 

後は、数日後に正式に着任するあの女性提督だな…

 

こうして、美女二人の謎を残したまま、夜は更けて行った…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イントレピッドDauの一室で、一人の男性が声を上げた

 

「美女はどうしたーーーーーーーーっ‼︎」




サティ・コレット…美女スパイ(姉)

巨乳で色気タップリ、生足が艶めかしい美女スパイ

行動力があり、色気で男性を落とすのが得意

何やらレイに恩があるらしく、恩返しの為にレイを助けに来た

下記のフォティとは双子らしい


フォティ・コレット…美女スパイ(妹)

姉が巨乳が目立つなら、妹はお尻がチャームポイント

勿論お胸も大きい

色気による攻撃は得意ではないが、一応出来る

何処で覚えたのか、スリの方が得意

彼女もレイに恩があるらしい

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