艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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201話 美女スパイ潜入調査(4)

「ようこそ。お名前をお伺いします」

 

「サティ・コレット。ジェミニ元帥の招待客ですの」

 

「フォティ・コレット。同じくジェミニ元帥の招待客です」

 

「失礼致しました‼︎確かにお名前が御座います‼︎一応ですが、磁気探査だけ、御協力をお願いします」

 

「えぇ」

 

「構いませんわ」

 

二人は機材を当てられるが、何処にも反応は無い

 

「どうぞ中へ」

 

「ありがと」

 

「行きましょう」

 

偽名を使い、二人は中に入る

 

「見たか⁇凄い美人だったぞ⁉︎」

 

「ここの元帥は女性だから、美人の知り合いも多いんじゃないか⁇」

 

受付で二人が噂される中、女二人は空母に入った…

 

 

 

 

「大尉は何処かしら…」

 

空母内のホールではダンスパーティーが行われている

 

「お一つどうぞ」

 

「ありがとう」

 

「頂くわ」

 

シャンパンを貰い、それを片手に二人はダンスパーティーの隅っこを移動する

 

「お酒です」

 

「あまり飲んじゃダメよ」

 

「そこの美人さん。ダンスのお相手をお願い出来ますかな⁇」

 

高官であろう見た目壮年の男性からダンスの誘いを受けた

 

「構いませんわ。フォティ、ちょっと持ってて下さる⁇」

 

「えぇ」

 

サティからシャンパンを受け取った時、サティはフォティの耳元で囁いた

 

「…大尉と救出対象の場所を聞いてくるから」

 

フォティはその足で壮年の男性の元へ向かう

 

曲が始まり、二人は踊る

 

「何処の所属かな⁇」

 

「横須賀ですわ、ウィリアム大佐」

 

「私を知ってるのか⁇」

 

「えぇ。雷鳥の伝説はわたくし達の耳にも届いておりますわ」

 

「そっか…」

 

相手をしていたのは、横須賀分遣隊所属のウィリアム・ヴィットリオ大佐

 

彼もまた、マーカス大尉の捜索をしている

 

「大佐殿…マーカス大尉を知りませんこと⁇」

 

クルクル踊りながら、サティはウィリアムの耳に口を寄せた

 

「私達も探している…」

 

「そう…」

 

「…彼処にこの艦の高官がいる。君なら聞けるかも知れない」

 

「ありがとうございます、大佐殿。それと、わたくしの個人的な夢が叶いましたわ…」

 

「行くんだ…」

 

ウィリアムはそっとサティの手を離し、その高官の所へ向けた

 

「お初にお目にかかります」

 

「ダンスのお相手かな⁇」

 

「えぇ」

 

サティはその高官とも手を取り合い、踊る

 

「わたくし、マーカス大尉の付き添いですの。途中で逸れてしまって…」

 

「大尉は会議中だ。邪魔しちゃいけないよ⁇それより、私と踊ろう」

 

「重要な書類をお渡ししなければなりませんの…教えて下さらない⁇」

 

「ダメだ…軍事機密なんだ…」

 

「そっ…折角良い事して差し上げようと思いましたのに…残念ですわ…」

 

サティはダンスを踊りながら、高官の鳩尾を人差し指でなぞり、目を見つめる…

 

「二階の会議室だ…」

 

「ふふっ…ありがと。部屋でお待ちになって⁇」

 

「待ってるよ‼︎」

 

強制的にダンスを終え、サティはフォティの所に戻って来た

 

「大尉の居場所が分かったわ」

 

「行きましょう」

 

二人は階段を上がり、会議室へと向かう…


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