数日後…
「授業なんて嫌です‼︎」
「お呼びじゃないぞー‼︎」
「帰れ帰れー‼︎」
「俺達ゃ暇だが暇じゃないぞー‼︎」
「ボイコットだボイコットー‼︎」
サンダーバード隊とSS隊全員が学校に集められ、子供達の座っている学習机に座らされる
隊長、ラバウルさん、俺、アレン、健吾が、ただ挨拶に来ただけの香取先生に消しゴムのカスや空き缶、雑誌を投げる
「う〜ん‼︎この感覚‼︎久々だわぁ〜‼︎」
何故か香取先生はゾクゾクしている
そして、香取先生が眼鏡をクイッと上げた瞬間、暴言も物投げもピタッと止まる
散々言ったりやったりした癖に、香取先生の気迫に全員が負けた
「さぁ…問題児君達⁇今日は先生じゃないの」
そう言った瞬間、暴言だけが再開する
「帰れ帰れー‼︎」
「デカイのは態度とオッパイだけかー‼︎」
「空軍としては若い先生を所望するー‼︎」
「そーだそーだ‼︎もっと若い先生を出せー‼︎」
「ピチピチの新任教師がいいです‼︎」
「あっ…んんっ…」
五人に暴言を吐かれた香取先生は何故か体をビクッとさせた
「こんのヤンキー共め…」
と、ちょっと香取先生がビビらすと、五人はピタッと止める
「ふふっ‼︎最近の子は真面目過ぎて、中々貴方達の様な子がいないの。ほんの少しでも、久々に貴方達の前で教壇に立てて良かったわ⁇」
「今の子は真面目だからな…」
「たまには貴方達不良の授業をするのもら悪くないですね⁇では、教師をお呼びして来ます。あっ、その子には今みたいな事しちゃダメですよ⁇」
「はいはい」
「分かった分かった」
「香取先生にしかしねぇよ」
「年なんだから体いとえよ」
「湿布貼って寝て下さいね」
「あっ…はぁっ…」
香取先生は感じながら教室を出た
香取先生が出た後すぐ、隊長とラバウルさんがタバコに火を点けた
「ふふっ‼︎当時を思い出しますね、ウィリアム⁇」
「ふふ…お前らもあんな扱いだったのか⁇」
隊長が半笑いで俺達に話し掛けて来た
「あぁでもしないと反発出来なかったからな…」
「授業は真面目に受けてました」
「ヤンキーってこんな感じなのか…」
健吾一人だけが知らない
香取先生の授業が始まる前、四人がかりで説得して健吾も参加させた
俺達の中で、開幕と閉幕は香取先生に何かを言ってから始まって終わる
あぁでもしないと、普段は太刀打ち出来ないからだ
「うわ…ホントにヤンキーじゃんか…」
ようやく本来の先生が来た
「あぁん⁉︎」
「舐めてんじゃね〜ぞ‼︎」
「先公だからって威張ってんじゃ、ね〜ぞ‼︎」
「分かってんのかあぁん⁉︎」
「幼女だ…」
ラバウルさんだけ反応が違う
「初めまして‼︎ボクは”タシュケント”‼︎ロシアから来たれっきとした派遣将校ですっ‼︎」
「ゲッ‼︎マジか‼︎」
「ふふん♪♪これでボクが先生だって分かったでしょっ⁇」
数日前のクソガキが教壇に立っている
タシュケント先生の授業が始まる…
「いいかい⁇T-50のエンジンは…」
授業自体は真面目に聞く五人
「質問していいか⁇」
「はいっ‼︎同志ウィリアム‼︎」
隊長の真面目な質問に、タシュケント先生は丁寧で分かり易い答えを返している
「なら、模擬戦でエドガーを叩き落す事も可能だな⁇」
「どうかな⁇同志エドガーは同志ウィリアムと同じ位の強さを持ってる。因みに同志アレン、同志健吾そして”イディオット”も同じ位の力だね‼︎」
「はいはいはい質問質問質問‼︎」
「はいっ‼︎イディオット‼︎」
「俺は同志じゃないんですかぁ〜‼︎」
「ボクの事をクソガキ扱いする人はイディオットだ‼︎」
ニヤケ顔で俺を見るタシュケント先生に根負けした
「分かった、分かったよタシュケント先生‼︎」
「はいっ‼︎同志マーカス‼︎」
勝ち誇った顔をするタシュケント先生
小学生位の身体付きなのに…