艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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このお話は、4を選んだ場合のお話になります

バレンタインと聞き、駄菓子屋に訪れた四人の潜水艦娘

レイへのプレゼントは何を選ぶのかな⁇


∟4.海岸線視察ルート 海街からの贈り物

「海岸の方も騒がしいわね…」

 

「多摩とあかりがいるな」

 

海岸線では、カップルがチラホラ歩いている

 

今日は告白日和だからな…

 

「ちょっと行ってみましょうよ‼︎」

 

横須賀に手を引かれ、海岸線へと向かう

 

 

 

 

「創造主はモテるから、結構な量の甘いモンを貰うはずでち」

 

「はっちゃん達は甘くない物を選ぶんですね⁇」

 

「れたすじお〜‼︎」

 

「さあみたお〜‼︎」

 

四人は足柄の駄菓子屋に来ていた

 

ひとみといよが甘くない駄菓子を選ぶ中、はっちゃんとゴーヤも一応選ぶ

 

「あらっ、大尉にプレゼント⁇」

 

「ばえんたいんのおかいもお‼︎」

 

「ぷれれんとかう‼︎」

 

「じゃあ…これなんてどうかしら⁇」

 

足柄はレジの横にある、年季の入った桐箪笥から、これまた年季の入ったオイルライターを出した

 

「あいた〜」

 

「戦時中に作られた記念品らしいんだけど、ちょっと前に売りに来た人がいたのよ」

 

「創造主は結構タバコ吸うでち」

 

「1940年代の製品ですねぇ。かなり貴重品です」

 

「おいくあ⁇」

 

「あんえん⁇」

 

「そうね…大尉なら大事に使ってくれるだろうし、3000円位でどうかしら⁇」

 

「はち、ゴーヤ達は1000円出すでち」

 

「ひとみ、いよ、500円玉はありますか⁇」

 

「あいっ‼︎」

 

「あいっ‼︎」

 

はっちゃんとゴーヤが1000円ずつ出し、ひとみといよは500円玉をそれぞれ足柄に渡した

 

「綺麗な箱に入れとくわね‼︎」

 

「ここは骨董品も扱ってるんでち⁇」

 

「知る人ぞ知る、だけどね」

 

「こえもくらさい‼︎」

 

「だがち‼︎」

 

ひとみといよが、持っていた数個の駄菓子をレジに置く

 

「はいっ、ありがとう〜」

 

「くるくるしたらダメでちよ⁉︎」

 

ひとみといよは手頃な袋を持つと振り回す癖がある

 

「こぼえう⁇」

 

「零れるでち」

 

「はっしゃんおててつないれ‼︎」

 

「はいっ、ふふっ」

 

店を出てからは、今度は逆の方の手を繋ぐ

 

駄菓子屋を出て、砂浜近くの階段に座り、はっしゃんとゴーヤに挟まれたひとみといよが駄菓子を食べ始めた

 

「いよ、よこしゅかしゃんにこえあげうの‼︎」

 

「ひとみはこえ‼︎」

 

二人の手には、うさぎの形をした小さなチョコレートがある

 

「あいっ、はっしゃん‼︎」

 

「れっち〜あいっ‼︎」

 

互いに駄菓子の入った袋から別のうさぎチョコを出し、それぞれに渡す

 

「良いのですか⁇」

 

「ゴーヤにくれるでち⁇」

 

「みんなにあげうの‼︎」

 

「いっぱいかった‼︎」

 

ひとみといよが駄菓子を食べる両サイドで、はっちゃんとゴーヤは、貰ったチョコレートを口に放り込む

 

「買い物か⁇」

 

「創造主‼︎…ではないでちな」

 

ゴーヤが一瞬見間違う程、レイと似ている人物が背後に座ってサイダーを飲んでいる

 

「ま〜きゅんら‼︎」

 

「ま〜きゅんしゃらは⁉︎」

 

「サラはみんなで料理してる。男の私は追い出された」

 

「いよたちがいたげう‼︎」

 

「よちよち」

 

はっちゃんとゴーヤから離れ、ひとみといよはマークの膝の上に行く

 

「マーカス様を見ませんでしたか⁇」

 

「ジェミニとデートしてるんじゃないか⁇」

 

「ぜみに‼︎」

 

「よこしゅかしゃん‼︎」

 

ひとみといよが横須賀の名前を言い、はっちゃんとゴーヤは辺りを見回す

 

「…近くにいるでち」

 

「…えぇ」

 

「えいしゃんあっち‼︎」

 

「よこしゅかしゃんもあっち‼︎」

 

ひとみといよが指差す方を見ると、大分遠くで、同じ様に砂浜近くの階段に座り、何かを話しているレイと横須賀が見えた

 

「索敵能力は相変わらずだな⁇」

 

「いよ、ろこいてもえいしゃんみえう‼︎」

 

「おめめきぅ〜ってすうの‼︎」

 

そう言って、二人は一瞬だけ目を細めた

 

「創造主の所に行くでち‼︎」

 

「マークさん。二人と一緒に来て下さい」

 

「オーケー。ヒトミ、イヨ、行くぞ‼︎」

 

「いくお‼︎」

 

「いくお‼︎」

 

両肩にひとみといよを乗せたマークと共に、二人の所へ向かう…

 

 

 

 

「あっははは‼︎何それ⁉︎」

 

「ったく…アイツの横にいるといつもそうだ」

 

レイの話がよっぽど面白いのか、横須賀は八重歯を見せて笑っている

 

「ジェミニはあぁして笑うんだな」

 

「知りませんでしたか⁇」

 

「普段は自堕落してるか、真面目な顔して子供達の相手してるからな」

 

「ギザ歯が子供に遺伝してるでち」

 

何度も言うが、横須賀はギザ歯だ

 

誰に似たんだろうか…

 

「よこしゅかしゃん、は〜ぎじゃぎじゃ‼︎」

 

「あ〜しゃんとは〜しゃんも‼︎」

 

「サラもギザ歯何だぞ⁇よく口閉じてるか、半開きでも隠れてるかだから見えないけどな⁇」

 

「お父さん‼︎」

 

「さっ。お母さんの所に行きなさい」

 

「ま〜きゅんあいがと‼︎」

 

「またちてえ‼︎」

 

ひとみといよを降ろし、横須賀の所に向かわせる

 

「よこしゅかしゃん、こえあげう‼︎」

 

「ひとみも‼︎」

 

先程のウサギチョコを横須賀に渡す

 

「あらっ‼︎バレンタインくれるの⁇食べさせてくれる⁇」

 

「あいっ‼︎」

 

「あ〜ってちて⁇」

 

「あ〜…」

 

口を開けた横須賀に、二人はチョコレートを放り込んだ

 

「んっ。美味しいわ‼︎ありがとっ‼︎」

 

「くふふっ…」

 

「くふふっ…」

 

横須賀にべったりくっ付く二人を見て、はっちゃんとゴーヤも俺の所に来た

 

「マーカス様。これを」

 

「ひとみといよからもでち」

 

「おっ⁉︎四人からか⁉︎」

 

はっちゃんからケースを貰い、中を開ける

 

「…」

 

中に入っていた物を見て、息が詰まりそうになる

 

「お気に召しませんでしたか⁇」

 

「…高かったろ⁇」

 

「いえ。一人1000円位です」

 

「こいつぁ、潜水艦竣工の記念に造られた記念品だ。よく手に入れたな⁇」

 

「足柄が売ってくれたでち」

 

「なるほど…大事にするよっ」

 

潜水艦の子達から貰う、潜水艦竣工の記念品か…

 

中々感慨深いな…

 

「さっ‼︎そろそろサラがお待ちかねだ‼︎行くぞ‼︎」

 

マークの言葉で、全員の足が食堂へと向かう…




サラは本当にギザ歯なのか‼︎

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