艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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このお話は、3を選んだ場合のお話になります

横須賀基地上空でアレンのT-50を見かけたレイと横須賀

事前報告が無い為、レイは着陸したアレンの所に向かいます


∟3.制空権奪還ルート お前にやるチョコレートはねぇ‼︎

「あら⁇アレンだわ⁇」

 

横須賀が見上げる先にはアレンのT-50がいた

「連絡あったか⁇」

 

「無かったわ⁇急用かしら⁇」

 

そうこうしている内に、アレンのT-50が着陸態勢に入る

 

「チョイ見て来るよ」

 

「頼んだわ。私、間宮の方向に行くわ⁇」

 

横須賀と別れ、アレンのいる場所に向かう

 

「ヤ''ツ''ハドゥコドゥァァァァ…」

 

「ヒイッ‼︎し、知りません‼︎」

 

「レ''ーーーイ''ーーー…」

 

「うわぁぁぁあ‼︎」

 

T-50が着陸した場所に向かうと、数人の整備兵が逃げて来た

 

「大尉‼︎助けて下さい‼︎」

 

逃げて来た数人の若い整備兵が俺の背中に隠れた

 

「な、なんだなんだ⁉︎」

 

「レ''ーーーイ''ーーー‼︎」

 

「ばっ、バーサー化していらっしゃる…」

 

口から白い息を吐き出しながらプレゼント箱を持ったアレンが、敵意剥き出しで此方に向かって来る

 

「な、なんだよ‼︎」

 

「ン''ッ‼︎」

 

鳩尾前にプレゼント箱を突き出される

 

「お前からか⁉︎」

 

「アイちゃんからだ馬鹿野郎‼︎」

 

「マジか‼︎」

 

バーサー化が解けたアレンの口からアイちゃんからと聞いて、すぐさまプレゼント箱を取ろうと手を伸ばした

 

「欲しいか」

 

「欲しい‼︎」

 

「なら俺を倒せ‼︎欲しけりゃ奪え‼︎ヌハハハハ‼︎」

 

「よっしゃ引き受けた‼︎」

 

「大尉同士の模擬戦だ‼︎」

 

「録画していいですか⁉︎」

 

整備兵達が興奮し始める

 

アレンVSレイは、相当な時が無ければ中々お目にかかれない

 

今がその”相当な時”なのだ

 

「しろしろ‼︎レイが負ける姿をキッチリ収めるんだぞ‼︎」

 

「心配すんな‼︎3分で叩き落としてやる‼︎」

 

各所に模擬戦連絡が飛び交い、繁華街に放送までされる事態になる

 

《ただいまより、アレン・マクレガー大尉、マーカス・スティングレイ大尉による模擬戦を開始します》

 

「マジかマジか‼︎」

 

「それは見ものだな‼︎」

 

「録画班‼︎準備出来たか⁉︎」

 

基地が騒然とする中、二機が飛び立つ

 

「本気で来い‼︎アレン‼︎」

 

《お前にやるチョコレートはねぇ‼︎》

 

開始の合図である、ヘッドオン状態から交差する二機…

 

基地上空で、意地と意地のぶつかり合いが始まる…

 

 

 

 

一時間後…

 

「す…スゲェ…」

 

「どうやったらあんな操縦…」

 

全く決着する事無く、二機は空に白煙を交差させて行く

 

「ほらほらどうしたアレン‼︎そんなもんかぁ⁉︎」

 

《こんな楽しい模擬戦、すぐに終わらせてたまるか‼︎》

 

「はっはっは‼︎」

 

《はっはっは‼︎》

 

あまりにも楽し過ぎた

 

空を駆け、命を削り合うのはこうでなくては‼︎

 

高笑いさえ、空に交差して行くこの感覚…長らく感じていなかったな‼︎

 

「だがな、アレン。燃料切れだ‼︎」

 

《俺もだ‼︎》

 

「降りたら決着だぞ⁉︎」

 

《オーケー乗った‼︎》

 

結局、決着つかずのまま、二機は燃料切れで戻って来た

 

着陸してすぐ、互いの機体に整備兵やパイロット達が寄り、賞賛の言葉を振り撒いてくれた

 

そんな声を受けながら、二人は勇み足で歩み合う

 

そして近寄った瞬間、互いに右手を構え、前に突き出した

 

「「ジャンケンポン‼︎」」

 

俺はパー

 

アレンはグーを出した

 

「っしゃあ‼︎」

 

「ぐや''じい''〜〜〜っ‼︎」

 

アレンは腕で顔を隠しながらプレゼント箱を突き出した

 

そこに居た全員が”へ⁇”と言う顔をするが、思い出して欲しい

 

この二人、チョコレート一箱で争っていただけである‼︎

 

「大事に食えよ‼︎マジで‼︎」

 

「取ったどぉぉぉぉぉお‼︎」

 

「アイちゃん泣かしたら許ざんからな‼︎分かったか⁉︎」

 

「誰が泣かせるかよ‼︎」

 

「またなっ‼︎」

 

「あぁ‼︎」

 

アレンはそのまま基地に帰って行った…

 

「アイちゃんのチョコレートかぁ‼︎」

 

早速箱を開け、中身を見る

 

「おぉ〜‼︎」

 

彩り鮮やかなチョコレートが、規則正しく入っている

 

メッセージカードが付いており、

 

”毎日一つずつ食べてくれると嬉しいです”

 

と、書いてあった

 

「これは宝物にしよう。うん」

 

メッセージカードを内ポケットに仕舞い、横須賀達の待つ執務室に戻った…

 

 

 

 

 

 

この日の壮絶な模擬戦は、後に”バレンタインデーの聖戦”と呼ばれ、模擬戦に発展した理由は伏せられたまま、映像記録として保管された…




続きはもう少し掛かります。ごめんなさい、ホント


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