艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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さて、192話が終わりました

前回の終わりで告知した、バレンタインの特別編です

それぞれの場所で思い思いに繰り広げられる恋の後先

誰の恋路を垣間見るのかは、貴方次第です

何⁇訳が分からない⁇

このお話の最後まで見たら分かると思いますよ、ふふふ…


バレンタイン特別編 恋する乙女達

「世はバレンタインダズル」

 

「美味しそうなチョコレート作るんだリュー‼︎」

 

単冠湾の鬼神二人が基地に降り立つ

 

この二人、バレンタインにチョコレートを配る為にチョコレートを作りに来たのだ

 

「いらっしゃい。待ってたわ‼︎」

 

今からここで貴子さんと共にチョコレートを作るのだ

 

「産地直送ダズル‼︎」

 

「イッピー貰って来たリュー‼︎」

 

榛名とリシュリューは風呂敷に包んだ何かを背負っており、台所にそれを置いた

 

「これだけあればホールケーキも幾つかイケるわね⁇」

 

「ガーナまで行って来たんダズル‼︎」

 

「農場の伐採のお手伝いしたんだリュー‼︎」

 

榛名とリシュリューは、風呂敷からボトボトとカカオを台所に落とす

 

この二人、本気で一からチョコレートを作ろうとしている

 

「板チョコ溶かして型に入れるだけのチョコレートは手作りチョコとは言わんダズル」

 

「リシュリュー達はちゃんと一から作るんだリュー‼︎」

 

「なるほどなるほど。確かにそうよね‼︎じゃあ、始めましょうか‼︎」

 

女三人のチョコレート作りが始まる…

 

 

 

 

「て・い・と・く・っ‼︎」

 

トラック基地では、執務室にいるトラックさんに、蒼龍が顔を近付けている

 

「チョコレートか⁇」

 

「いいえ。久し振りに指食べさせてくれないかなぁ、って」

 

「ダメだ‼︎」

 

「いいじゃないですかぁ‼︎指の一本や二本、無くなっても困りません〜っ‼︎」

 

「クソっ‼︎離せぃ‼︎」

 

力付くでトラックさんの指を食べようとする蒼龍

 

力付くでそれを阻止するトラックさん

 

バレンタインと言うのに、二人の攻防が始まる

 

「ま〜たやってンよ…蒼龍の姉貴‼︎」

 

「指ぃ‼︎指指指ぃぃぃぃぃい‼︎」

 

「ダメだ‼︎ダメだダメだダメだ‼︎」

 

トラックさんは蒼龍の頬に指を突っ込まれながらも、頬をめくる様にしながら阻止している

 

ハグキ剥き出しで何とか指を食べようとしている蒼龍を見て、江風が頭を抱えてため息を吐いた

 

「蒼龍の姉貴‼︎アタシと横須賀で買いモンしないか⁉︎」

 

「かひもろ⁇」

 

「そうさ‼︎今日はバレンタインだから、プレゼント選びに行こうぜ‼︎」

 

「行くっ‼︎」

 

「ぬはっ‼︎」

 

蒼龍の攻撃が離れ、トラックさんは呼吸を整える

 

「じゃあ提督、行ってくンな‼︎」

 

「ちょちょ‼︎ちょっと待て‼︎お小遣いを…」

 

「い、いいって」

 

いつもなら素直に受け取る江風が、今日は珍しく受け取らない

 

「向こうで欲しい物買いなさい」

 

「提督分かってないですねぇ」

 

ふと江風を見ると、顔を赤らめているのが見えた

 

「…今日はバレンタインですよっ」

 

「なるほど…イデッ‼︎」

 

耳元で囁いて来た蒼龍に納得した瞬間、耳たぶを齧られた‼︎

 

「行って来ま〜す‼︎」

 

「き、衣笠‼︎」

 

「はいは〜い‼︎どっ、どうしたの⁉︎」

 

「ヨードチンキ持って来てくれ‼︎」

 

「わわわ分かった‼︎」

 

来てくれた衣笠は、耳から血を流しているトラックさんを見て驚き、すぐに救急箱を持って来た

 

「蒼龍に齧られたんですか⁇」

 

「不意を突かれたんだ…参ったよ…」

 

トラックさんは衣笠に膝枕をされながら、耳にヨードチンキを塗って貰う…

 

 

 

 

 

「Papa‼︎Chocolateあげる‼︎」

 

「ありがと。アイちゃんが作ったのか⁇」

 

「Yes‼︎Iowaが作ったの‼︎」

 

ラバウルでは、アイちゃんがアレンにチョコレートをあげている

 

「ケンゴとGrandpaにもあげたの」

 

「よろこんれたろ⁇」

 

「うんっ‼︎」

 

「もう一つは誰にやるんだ⁇」

 

早速アイちゃんチョコレートを食べているアレンは、アイちゃんの手にもう一つチョコレートがある事に気付いた

 

「Papa、Dr.レイに逢いに行く⁇」

 

「行くっちゃ行くけど…」

 

「これ…Dr.レイ渡して欲しいの」

 

アイちゃんは手を震わせ、照れ臭さそうにアレンにレイの為に作ったチョコレートを渡す

 

「あ…あぁ…」

 

「約束だからね⁉︎」

 

「分かった」

 

「EatしちゃNoよ⁉︎」

 

「分かった」

 

「開けちゃダメだからね⁉︎」

 

「分かった」

 

「約束破ったら寝てる時にwaaaaa‼︎だからね‼︎」

 

「分かった」

 

「絶対よ⁉︎」

 

「分かった」

 

「Dr.レイに渡してね⁉︎」

 

「分かった」

 

散々言った後、アイちゃんは部屋から出て行った

 

レイへのプレゼントが一番凝っている

 

それにあの表情…

 

俺の娘に限ってそれは無い

 

無いと願いたい

 

絶対無い

 

俺のはしきりが付いた箱に、小さなチョコレートが規則正しく入れられているチョコレート

 

レイのはどんなのだろうか

 

ちょっと開けてみよ…

 

「開けちゃダメだよ‼︎」

 

「ヒイッ‼︎」

 

ドアをすこ〜〜〜しだけ開け、アイちゃんが半分だけ顔を覗かせていた

 

「今から行って来るよ‼︎」

 

「Mamaが早く帰って来いって」

 

「わ、分かった」

 

アイちゃんにビビりながら、アレンはT-50に乗り込む…

 

 

 

 

「ついた‼︎」

 

横須賀基地にタナトスが停泊する

 

「おてて繋ぎましょう⁇」

 

「ひとみはゴーヤと繋ぐでち‼︎」

 

いよははっちゃん

 

ゴーヤはひとみと手を繋ぎ、繁華街へ向かう

 

そして、すぐに目に行くバレンタインの看板達

 

「あえんたいんらって」

 

「ばえんたいんっなんら⁇」

 

「わからん…」

 

「バレンタインと言うのは、好きな人にちょっとしたプレゼントを渡す日です」

 

「仕方ねーから創造主に石コロでもあげるでち」

 

「ひとみもぷれれんとちたい‼︎」

 

「いよもすう‼︎」

 

「はっしゃんおかいもおいこ‼︎」

 

「れっち〜もいこ‼︎」

 

「ゴーヤ。行きましょうか⁇マーカス様が喜ぶ物、ゴーヤなら分かるでしょう⁇」

 

「ま…まぁ…」

 

ゴーヤは照れ臭さそうにはっちゃんから目を逸らし、人差し指で右の頬を掻いている

 

「マーカス様と同じ癖です」

 

「う、うるさいでち‼︎ひとみ、行くでち‼︎」

 

「いくれち〜‼︎」

 

ひとみとゴーヤが先に繁華街に向かい、一呼吸遅れていよとはっちゃんも二人の後を追う…

 

 

 

 

 

タウイタウイモールでもバレンタイン商戦が行われている

 

「このハバネロ入りチョコレートはいかがですか⁇」

 

「”ワビサビ”入りのチョコレートもあるわ⁇」

 

タウイタウイモールにいるのは、アークとスパイト

 

「よしアーク。全部買いましょう」

 

「すみません。このイタズラチョコレートセットを1セット頂けるか⁇」

 

「あ。デンピォーはリチャード・オルコット宛で」

 

「ビビリとウィリアム様はどうされますか⁇」

 

「そうね…マーカスはフルーツ系が好きだから…これにしましょう‼︎」

 

アップルエッセンス入りの、甘過ぎないチョコレートを手に取るスパイト

 

「アークはこれにします」

 

アークはチョコレートを辞め、炭酸漬けのパイナップルが入った瓶を手に取る

 

「わぁ〜っ‼︎チョコレートいっぱ〜い‼︎」

 

「ふんぎっ‼︎」

 

「ぬんっ‼︎」

 

「何だ⁉︎」

 

アークが声の方へ振り返り、スパイトも振り返る

 

「ダメよ照月‼︎これは商品‼︎」

 

「そうですよお照さんっ‼︎ちゃんと代金をお支払いしないと‼︎」

 

チョコレートが沢山置いてあるコーナーに突っ込もうとした照月を、秋月と涼月が二人掛かりで羽交い締めにして止めている

 

「照月もチョコレート食べたいよぉ〜‼︎」

 

「ダメよ‼︎全部食べちゃうでしょ‼︎」

 

「全部じゃないよぉ。ほんの九割だけだよ⁇」

 

「それを全部と言うのっ‼︎」

 

「そんなに食べたら壊滅ですっ‼︎」

 

照月はジタバタしながら、自分が食べるのはあくまで特設コーナーの九割だけだと言い張る

 

「アーク。テルヅキ達を誘ってフードコートに行きましょう。あの子、ここのステーキ好きなの」

 

「畏まりました。お〜い‼︎」

 

アークが照月達を呼びに行き、照月は目を輝かせ、抵抗を止めた

 

タウイタウイモール壊滅の危機を脱したスパイトは、ふぅとため息を吐いた

 

 

 

 

「オトンは何をやれば喜ぶ」

 

「お母さんじゃね〜のか⁇」

 

横須賀と俺が居ない執務室では、子供達が作戦会議を開いていた

 

「きそ姉さんは分かる⁇」

 

「レイって結構モテるから、中々のチョコレート貰うと思うんだ…」

 

「創造主様の好きな物をリストアップします」

 

親潮がレイの嗜好品をリストアップし、ホログラムに出す

 

子供達はホログラムを囲む様に集まり、親潮もそこに入る

 

「き〜ちゃん達は甘くないのにする⁇早霜はどんなのが良いと思う⁇」

 

「カレーパン…」

 

早霜は人差し指を咥えながら、今自分が食べたい物を言った

 

「カレーパン…そうだ‼︎イディオットにピロシキを作ってやろう‼︎そこにイディオットの好きな具材を入れてやろう‼︎」

 

「「「おぉ〜‼︎」」」

 

ガングートの一言で、レイに渡すバレンタインの品が決まる

 

「そうと決まれば買い物だな‼︎」

 

「ボルシチも作ってやろう‼︎そうだそうだ‼︎今日の夕食をガン子達で作ろう‼︎イディオットとホルスタインに対する日頃の感謝だ‼︎」

 

ガングートを筆頭に置き、子供達のバレンタイン作戦も始まる…

 

 

 

 

 

 

 

「バレンタイン一色ね⁇」

 

「世の恋人は大変だ…」

 

広場でパンを食べながら、慌ただしく動く艦娘達を眺める

 

「あら⁇もうこんな時間…」

 

「行くのか⁇」

 

「えぇ。定時視察よ。レイはどうする⁇」

 

「そうだな…」

 

 

 

 

さぁ、どうしようか⁇

 

1.基地帰還ルート(グラーフ、ローマルート)

…二人の告白へ

 

2.繁華街進行ルート(江風、蒼龍ルート)

…二人の娘のプレゼントへ

 

3.制空権奪還ルート(アレン、アイオワルート)

…お前にやるチョコレートはねぇ‼︎へ

 

4.海岸線視察ルート(はっちゃん、ゴーヤ、いよ、ひとみルート)

…海街からの贈り物へ

 

5.間宮待機ルート(アーク、スパイト、照月、秋月、涼月ルート)

…イタズラ好きの少女達へ

 

6.食堂進入ルート(朝霜、磯風、清霜、早霜、谷風、親潮、きそ、ガングートルート)

…愛娘達の手料理へ

 

 

 

 

ルート選択により、出て来る艦娘が違います

 

お話はそれぞれでおしまいです

 

それぞれ短いお話ですが、悪しからず…




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