艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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さて、180話が終わりました

今回は明るいお話です

好戦派の動きが落ち着いた為、三人のヤンキーが休暇を貰いました

果たして彼等は何をするのか⁉︎


181話 雷鳥、凶鳥、時々番犬(1)

朝、目が覚めると横に誰か居る事に気付いた

 

「…」

 

寝ている時まで口を縦に開けているまつわがそこにいた

 

”∧( -Θ- )∧”

 

ボーちゃんはまつわの枕元で触手を仕舞い、球体状態になってスリープモードになっている

 

まつわに布団を掛け直し、食堂に向かう

 

”(ノД`)”

 

俺が部屋から出てすぐにボーちゃんが目を覚まし、触手を出してまつわの状態を見る

 

《血圧正常、心拍数正常…》

 

まつわのバイタルを確認した後、ボーちゃんももう少し眠る事にした…

 

 

 

 

「今日は視察⁇」

 

「休暇という名のな…ふぁ」

 

あくびをしながら貴子さんと話す

 

今日はアレンと健吾と横須賀で逢う約束をしている

 

隊長に休暇を取りたいと言ったら、二つ返事で許可をくれた

 

好戦派の勢いも一気に弱まり、本格的な調査は総司令部が行うらしい

 

まっ、あの三人なら任せて大丈夫だろうし、何かあれば駆け付けてやればいい

 

「ふふっ‼︎久し振りに任務抜きで逢うんでしょ⁇」

 

ぬるめのコーヒーだけ淹れて貰い、すぐに飲み干す

 

「そっ。たまにはアイツらをコテンパンにしないとなっ。行ってきます‼︎」

 

「楽しんでらっしゃい‼︎」

 

貴子さんに見送られ、早速格納庫のグリフォンに乗ろうとした

 

「レイさん‼︎今日はこっちかも‼︎」

 

港で秋津洲が呼んでいる

 

「あ、そっか。今日はダメなのか」

 

「さっ‼︎横須賀に行くかも‼︎」

 

二式大艇に乗り、いつもの様に操縦席に座ろうとした

 

「今日はダメかも‼︎提督がダメって言ったかも‼︎」

 

秋津洲に客席に座らされ、シートベルトで縛られる

 

「いいか⁇絶対落ちるなよ⁇」

 

「心配しなくていいかも‼︎レッツゴー‼︎」

 

秋津洲の掛け声と共にご機嫌に白と黒の煙を噴き出す二式大艇のエンジンを見て、俺は全てを諦めた

 

 

 

 

 

「着いたかも‼︎」

 

「煙の割には揺れないのな」

 

シャングリラにあった瑞雲とは違い、揺れも少なく着水もかなりの腕前で横須賀に着いた

 

「おっ‼︎来た来た‼︎」

 

横須賀の港では既にアレンと健吾が待っていた

 

「朝飯食うぞ‼︎」

 

朝ご飯を食べる為に、ずいずいずっころばしに向かう

 

「いらっしゃい‼︎今日は大勢ね⁉︎」

 

「今日のオススメは⁇」

 

「良いカツオが入ったんです‼︎如何ですか⁉︎」

 

「んじゃそれ‼︎」

 

「俺も‼︎」

 

「俺も‼︎朝からお寿司は初めてです‼︎」

 

瑞鶴は俺達に笑顔を送った後、カツオのお寿司を握り始めた

 

「お待ちどうさま‼︎」

 

「「「頂きます‼︎」」」

 

三人共、一口でカツオの握りを平らげる

 

「何でも言ってね。すぐ握るから‼︎」

 

瑞鶴はすぐに握ってくれる

 

「バッテラあるか⁇」

 

「味が良く染みたのがあるわ‼︎」

 

「鉄火巻を長めでくれるか⁇」

 

「オッケー‼︎すぐ作るわ‼︎」

 

「グッピーの軍艦巻き下さい‼︎」

 

「新鮮なのがあるわ‼︎」

 

「クリオネのたたき一つ‼︎」

 

「直輸入モノよ‼︎」

 

「アロワナの炙りだ‼︎」

 

「ちょっと待ってね。今シメてるから‼︎」

 

瑞鶴に散々注目をし、朝ご飯とは思えない量を食べる

 

「腹一杯だ‼︎」

 

「6200円だけど、6000円にしとくわ⁇」

 

「一人2000円は…食ってるな‼︎」

 

「割り勘だ割り勘‼︎」

 

「安いモンです‼︎」

 

一人2000円ずつ置いて、ずいずいずっころばしから出た

 

「いやぁ〜、食った食った‼︎」

 

「やっぱ美味いなぁ‼︎」

 

「久し振りにいっぱい食べました‼︎」

 

次は食後の運動に向かう為、遊戯場へと足を運ぶ

 

その道中、屋根の上で明石が作業しているのが見えた

 

俺達三人は明石の下に向かい、首を上に向ける

 

「今日は白か」

 

「しかもレースだぜ」

 

「履いてたんですね…」

 

目的は勿論明石のパンツ覗き

 

素晴らしいまでに白いパンティーだ‼︎

 

「あっ‼︎三人共お疲れ様です‼︎休暇ですか⁉︎」

 

「そんな所だ‼︎何やってんだ⁉︎」

 

互いに大きめの声を出し、会話を進める

 

「天井の修理です‼︎ちょっと脆くなってて‼︎パンツ見たのは黙ってますから、ちょっと見てくれませんか⁉︎」

 

「バレてらぁ‼︎」

 

「逃げろ‼︎」

 

「分かりました‼︎提督にスカート捲られたって言います‼︎」

 

「健吾、俺達がやってる間にラムネ買って来てくれないか⁇」

 

「了解です‼︎」

 

健吾に小銭を持たせてラムネを買いに行かせている間に、ハシゴで屋根の上に登る

 

「ったく…パンツ見せる方が悪いんだよ。なぁ⁇」

 

「世の中には見せパンってのがある位だ。パンツ一つで文句言うなってぇの」

 

二人でブツブツ文句を言いながら屋根に上る

 

「そこ、前の台風で雨漏りしてる場所ですから気を付けて下さいね⁇」

 

「…」

 

「…」

 

俺達の反応は無い

 

「嘘っ‼︎」

 

焦った明石はすぐに振り返る

 

そこに俺達はおらず、あるのは屋根を突き破って下に落下したであろう、二人分の大穴だけ

 

明石は穴を覗いて見た

 

「うわぁ…」

 

二人は物の見事に落下していた

 

明石が直していた屋根は女湯の屋根…

 

要は入渠施設に落ちたのだ

 

明石が忠告する数秒前…

 

俺達はブツブツ文句を言いながらも明石の元に向かおうとした

 

そして同時に同じ屋根の板を踏む

 

屋根は落とし穴の様に音を立てずに崩れ、俺もアレンも真顔のまま、そして無言のまま”スンッ‼︎”と効果音を出しながら落下したのだ

 

落ちて0.3秒後、ようやく悲鳴が出た

 

「うわぁぁぁぁぁあ‼︎」

 

「何だってんだぁぁぁぁぁあ‼︎」

 

2秒後、湯船の中に落ち、二人分の水柱が上がる

 

「うわぁ‼︎」

 

「何だっ呪⁉︎」

 

「何なの⁉︎」

 

入渠施設にいた、ザラ、占守、伊19が驚く

 

「何だ何だ⁉︎いきなり落ちたぞ‼︎」

 

「空じゃなくて良かった…」

 

「レイさん‼︎アレンさん‼︎大丈夫ですか⁉︎」

 

天井から明石が顔を見せた

 

「もっと早く言えよ‼︎」

 

「びしょ濡れじゃないか‼︎」

 

「人の話聞かない方が悪いんです‼︎」

 

「何だ…レイさんとアレンさんか…」

 

「驚いて損したっ呪」

 

「ビックリさせないで欲しいのね」

 

俺達は入渠中の女子の驚きの無さに驚いている

 

「あの…もうチョイ驚けよ…」

 

「悲しいだろ⁇」

 

「ついでにそこで体流したらどうです⁇」

 

「レイさんとアレンさんが入ってても、誰も文句言わないのね‼︎」

 

「ムッシュが流してあげるっ呪‼︎」

 

普段二人共子供達と一緒にいる所為か、全く警戒心を持たれていない

 

「はいは〜い‼︎脱ぎ脱ぎするのね‼︎」

 

イクに服を脱がされ、俺はザラ、アレンは占守に体を洗われる


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