艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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さて、16話が終わりました

パパと横須賀君は、これからとある場所に向かいます

そこは、過去に行った事のある所でした…



P.S
更新が遅れてすみません


17話 黒い少女と青いカモメ(1)

「人から艦娘か…」

 

《私の知ってる限り、だよ⁇もっといるかも知れないよ⁇》

 

「そうか…奥が深いな…」

 

《さぁ、基地が見えて来た》

 

下でみんなが手を振っている

 

何故か、少し懐かしい気がする…

 

二式大艇が着陸すると、横須賀君がようやく話しかけて来た

 

「武蔵。とにかく入渠してくれ」

 

「あぁ。そうさせて貰う」

 

「後…しばらくパパを借りるよ」

 

「たいほうとはまかぜを任せた…か⁇」

 

「単冠湾の提督を一時的にここの司令にした。大丈夫。彼は長年の付き合いだ」

 

「ふ…注文の多い男だ…」

 

二式大艇から武蔵が降りると、辺りは歓声に包まれた

 

武蔵は一目散にたいほうのもとに駆け寄り、抱き上げて頬擦りをしている

 

「さぁ、大佐。行きましょう」

 

「あぁ…よいしょ」

 

武蔵の代わりに乗って来た大佐を乗せ、再び機体を出した

 

「ふぅ…」

 

「どうだった⁇久し振りの空は⁇」

 

《発進するかも‼︎》

 

「えぇ…流石にこたえましたよ。私達が乗っていた戦闘機ではな…」

 

《離陸したかも‼︎》

 

「ゴホン。戦闘機ではなく、大型機ですからね。慣れないものです」

 

「今度はこっちでゆっくり、だな」

 

「えぇ。目的地までは、しばら…」

 

《目的地までだいぶかかるから、寝てていいかも》

 

横須賀君は無線機を取って、どこかに繋いだ

 

「…秋津洲」

 

《なぁに⁇》

 

「大佐とお話中だ」

 

《大佐⁉︎提督がいっつも話してる大佐‼︎戦闘機のパイロットかも⁉︎ね、ね、二式大艇の乗り心地はどう⁉︎戦闘機よりいいかも⁉︎》

 

「あぁ。たまには人の操縦する機体に乗るのも悪くない」

 

《あはっ‼︎嬉しいかも‼︎》

 

秋津洲と呼ばれた声の主は、とても嬉しそうな声を上げている

 

「すみません…二式大艇に詳しいのが彼女しかいなくて…」

 

「ははは。暇しなくてすむな」

 

《じゃあ行くかも‼︎》

 

 

 

 

 

 

 

「着いたな…」

 

「えぇ…」

 

二式大艇から降りれば、美しい風景が広がっている

 

石造りの街並み…

 

エメラルドグリーンに輝く美しい海…

 

食欲を誘う料理の香り…

 

ここは、パスタの国と呼ばれる国の街の一つ

 

通称”水の都”

 

これ程まで美しい街だが、横須賀君も私も、この風景に見覚えがあった

 

「あれ以来…か」

 

「懐かしいですね。ちっとも変わってない」

 

「とっとと会議済ませて、観光と洒落込もう」

 

「えぇ‼︎」

 

「秋津洲はどうすればいいかも⁉︎」

 

「この街にも鎮守府がある。手配はしてあるから、そこで待機していてくれ。お土産は特別な物にする」

 

「分かったかも‼︎」

 

秋津洲を見送った後、横須賀君の後を着いて行った

 

「ここは…護れましたね」

 

「痕跡は残ってるがな…」

 

街の見えない所に、ちょくちょく銃弾の跡がある

 

私はそれを一つ、また一つと見付けて行く

 

…護れなかった証拠だ

 

「さ、ここです」

 

案内されたのは、巨大な建物の入り口

 

恐らく基地の一部だろう

 

扉の前に立ち、横須賀君が声を上げた

 

「帝国海軍横須賀基地2名、参りました‼︎」

 

「入れ」

 

「横須賀基地⁇」

 

前を向いたまま、横須賀君に小声で聞いた

 

「あそこはまだ公表してません」

 

「あぁ…」

 

扉を開けて中に入ると、偉そうに座った老人がいた

 

「掛けろ」

 

「失礼します」

 

「ワインと軽食を用意しろ」

 

「はっ」

 

近くにいた黒いスーツの男性が部屋を出ると、老人は葉巻に火を点けた

 

「タバコは嫌いか⁇」

 

「好きな方であります」

 

「ふふっ…美人が丹精込めて巻いた一品だ」

 

横須賀君と私に一本ずつ投げられ、互いに火を点けた

 

珍しい、甘い香りのする葉巻だ

 

「む…君達は…」

 

老人は二人をマジマジと見詰め始めた

 

「そうか…先の戦争で祖国を救ってくれた傭兵か…」

 

「私達をご存知で⁇」

 

「私の所の艦娘がよく話している。とても立派なお方だと。その言葉に、間違いは無い様だな」


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