艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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169話 被害者続出‼︎Panic In The Yokosuka City(4)

「あえあえあえ〜あはははは〜たのし〜、たのし〜ですねぇ〜」

 

「ポーラ‼︎」

 

「ざっ、ザラ姉様⁉︎」

 

間宮の隅っこで一人で呑んで独り言を言っているポーラが居た

 

「ポーラ、アンタ今日は私に付き合いなさい」

 

「いやぁ〜‼︎や〜だぁ〜‼︎ポーラ一人で呑みたいのぉ〜‼︎」

 

「ポーラ⁇」

 

ザラはポーラを睨み付ける

 

「うぅ〜…分かりましたて。その代わり、レイさんはポーラの横に座らせますて」

 

「えぇ、良いわよ。すみませ〜ん‼︎」

 

席に座った直後、ザラは間宮を呼ぶ

 

「はいは〜い‼︎いかがしましょう‼︎」

 

「赤と白を三本ずつ、あと、適当に肴を出して頂戴」

 

「は、はい‼︎畏まりました‼︎」

 

途轍も無い注文をしたザラを目の当たりにし、ポーラは俺に腕を絡ませて来た

 

「…ザラ姉様、ポーラより酒豪ですて」

 

「…マジか」

 

「…ポーラの三倍…いや、五倍は呑んでも酔いませんて」

 

「何話してんのかしら、ポーーーラ⁉︎」

 

「いやいやいや、大した事じゃありませんて‼︎あ、あはは…」

 

段々とポーラの顔がシラフに戻って行く…

 

その後数時間、ザラは一人で酒も肴も全て食べ尽くした

 

「さぁ、次行くわよ次‼︎」

 

「ぽ、ポーラ、もうお家帰りますて‼︎アサカーゼが待ってますて‼︎」

 

「今日は呑んでも良い日なんでしょポーーーラ⁉︎」

 

「うぎぎ…仕方ないですて…」

 

その後、ザラは蟹瑞雲で日本酒と蟹鍋を食べ始めた

 

「レイさん。離れちゃイヤですて。ザラ姉様に何されるか…」

 

「分かった分かった‼︎」

 

ポーラは半泣きでずっと俺の腕にしがみ付いている

 

「ったく…どいつもこいつも文句ばっか言いやがって…レイだけよ、マトモにザラとお話してくれるの」

 

ようやくザラに酔いが回って来た

 

ワイン10本、日本酒5本も一人でスッカラカンにすりゃ、そりゃ酔うか…

 

「それでポーラ。”マーマ”とはどうなの⁇」

 

「ん〜…最近マーマも忙しいみたいで、中々逢ってないですて」

 

「マーマ⁇」

 

「あぁ、レイには言ってなかったっけ⁇アクィラって知ってる⁇」

 

「あぁ。髪の毛後ろで纏めた、イタリアの人だろ⁇」

 

「その人がポーラ達のマーマですて」

 

「へぇ〜…」

 

あまりにも普通に言うものだから、俺も普通に流してしまった

 

「アクィラがお母さんだと⁉︎」

 

数秒後、ようやく事の重大さに気付いた

 

「ちょっと待て‼︎って事は二人共あれか⁉︎隊長の妹か⁉︎」

 

「え⁉︎どう言う事⁉︎」

 

二人に隊長とアクィラの話をした

 

「あ〜…そう言う事ですか」

 

どうやらザラとポーラの父親は、リットリオとローマの父親とは違う様だ

 

「って事は〜…ポーラもザラ姉様も、隊長さんの”イボキョーダーイ”になりますか⁇」

 

「隊長に言っておくよ…今度、家族で集まって飯でも行って来い。話したい事もあるだろう」

 

あまりにもビックリし過ぎてザラの酔い、そして薬の効果も切れた所で、その日は基地に帰った

 

基地に帰って一服しながら、ザラとポーラの事を隊長に話した

 

「言われてみれば、何と無く顔似てるな…」

 

「今度アクィラ含めてみんなで飯でも食ったらどうだ⁇」

 

「その時はレイ。反対側の席で待機していてくれるか⁇」

 

「ふっ…了解した‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日は沢山遊びましたね‼︎榛名、感激です‼︎」

 

「うんっ‼︎」

 

高速艇に乗っている、幸せそうなワンコと榛名

 

「今度はモグラも頑丈になってると良いダズル」

 

「そ、そうだね…」

 

此方も薬の効果が切れ、元の榛名に戻っていた

 

ワンコは少し残念そうな顔をした後、やはり榛名はこうでなくてはと思い、自分達の基地に戻って行った…


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