艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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152話 怪しいロリゲルマン(3)

「いらっしゃいませ。本日、何方かと御約束はございますか⁇」

 

「ないっ‼︎」

 

「え〜と…」

 

「れーべとまっくすの保護者だ」

 

「少々お待ち下さい…」

 

受付の女性は内線をかけながら、俺を不審者を見る目で見て来る

 

「畏まりました‼︎すぐにご案内致します‼︎」

 

受付の女性が内線を置いた途端、顔色を変えた

 

「失礼致しました‼︎此方へ‼︎」

 

顔面蒼白になった受付の女性に連れられ、エレベーターに乗る

 

「俺はそんなヤバい奴に見えるか⁇」

 

「そっ、そんな事ありませんよ…あはは…」

 

「今はただの保護者さっ…」

 

「こっ、此方へ‼︎」

 

エレベーターを降りると、撮影所が見えた

 

「ワッハッハッハ〜‼︎我がゲルマニィ帝国に不可能な事は無いのだぁ〜‼︎行けい双子達よ‼︎」

 

「ゲルマーニャッ‼︎」

 

「ゲルマーニャッ‼︎」

 

仮面を付けた金髪の悪の女幹部が、マジシャンの格好をしたれーべとまっくすを操っている

 

「くそっ‼︎子供には手を出せぬ…」

 

橘花マンと景雲レディもちゃんといる

 

「うはは‼︎何あれ可愛い‼︎」

 

「レディもいます‼︎」

 

「へぇっ…子供向けなのに結構熱入ってるのねぇ」

 

しばらく様子を見ていると、撮影が終わった様で、ゾロゾロと人が出て来た

 

「あれっ⁉︎レイ⁉︎」

 

「お迎えに来た⁇」

 

マジシャンの格好をしたれーべとまっくすが俺達に気付いた

 

「何だ⁇お仕事してたのか⁇」

 

「うんっ‼︎ちゃんと報告書にも書いてあるよ‼︎」

 

「心配しなくても大丈夫。翔鶴さんもいるし、橘花マンの人も知ってる人」

 

「知ってる人だと⁉︎」

 

「あっ‼︎レイさん‼︎」

 

橘花マンが此方に来た

 

「すみません。お二人をお借りして…」

 

「それはいいが…」

 

全く見当が付かない

 

一体誰だ…

 

「あぁ。失礼しました‼︎」

 

橘花マンはヘルメットを脱いだ

 

「健吾‼︎」

 

橘花マンの正体は健吾だった

 

俺はいつも橘花マンが放送している時、ボ〜ッっと見ているか、テレビから離れた場所にいるので、中身が誰か全く知らないでいた

 

「脚本は私よ‼︎」

 

女幹部の正体はビスマルクだった

 

知り合いばかりで頭が軽く混乱する

 

「レイさん⁉︎」

 

景雲レディこと翔鶴も俺に気付いた

 

「何だよ。知り合いばっかか⁉︎」

 

俺が頭を抑えていると、ビスマルクが口を開いた

 

「橘花マンはキャストのほとんどが艦娘やパイロットなの。それで、集まったある程度の収益は退役した艦娘の社会復帰に充ててるの」

 

「へぇ〜…上手くやるもんだな…」

 

子供向け、大人向けにしっかりと分けられていて、何方の心も掴んでいる橘花マン

 

中々の高視聴率を取れているらしい

 

なので、収益もそこそこはあるはずだ

 

「あ〜いたいた‼︎れーべちゃん、まっくすちゃん‼︎はいこれ‼︎」

 

此方に来た男性がれーべとまっくすそれぞれに封筒と、一つの紙袋を貰う

 

「お疲れ様‼︎しばらくしたらまたお願いするよ‼︎」

 

「ありがとうございます‼︎」

 

「ありがとうございます」

 

男性が去った後、二人は紙袋の中身を見た


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