艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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152話 怪しいロリゲルマン(2)

「ど〜ぞ〜」

 

気の抜けた声がした後、扉を開ける

 

「いらっしゃい。れーべ”君”とまっくす”君”の件ですか⁇」

 

中にはふちと羽黒がいた

 

「よく分かったな⁇」

 

「二人共基地から出てます。行き先は、え〜と…何処だっけ⁇」

 

「いつもとある会社へ向かっている様です。キチンと書類も提出しています」

 

羽黒から書類を受け取る

 

どうやら横須賀まで高速艇で向かい、そこから二式大艇でここまで来ているみたいだ

 

二式大艇は普段秋津洲がうんてんしており、空飛ぶタクシーの様な仕事をしている

 

秋津洲タクシー、片道500円

 

好評稼働中‼︎

 

「なるほどね…やっぱり何かあるね」

 

「ジープ借りれるか⁇」

 

「うんっいいよ〜。羽黒、鍵貸してあげて〜」

 

「こちらを。格納庫付近に停めてあります」

 

「サンキュー。昼前には帰るよ」

 

「レイ。この前はありがと」

 

「清霜に言ってやってくれ。きっと喜ぶ。それとな、あの子達は君じゃなくてちゃんだ」

 

「男の子じゃなかったの⁇そっか…」

 

何故かは分からないが、ふちは残念そうな顔をしていた

 

執務室を出ると、叢雲とはっちゃんが待っていた

 

「ほら」

 

「サンキュー。ドライブ行くぞ」

 

言われた通り格納庫に向かうと、ちゃんとジープが停めてあった

 

「はっちゃん、マーカス様の運転は初めてです」

 

「宙返りはお断りよ⁉︎分かった⁉︎」

 

「オッケーオッケー‼︎」

 

そう言って何故かきそが運転席に座る

 

「お前はこっち〜‼︎」

 

「あ°っ‼︎」

 

きそを抱き上げ、助手席に座らせ、シェイクを握らせる

 

「シートベルト締めたか⁇」

 

「「「締めた‼︎」」」

 

バックミラーで後ろに乗った叢雲とはっちゃんを見た後、ジープを出した

 

叢雲はシェイク片手に窓際に肘をつき、外を眺めている

 

はっちゃんは股にシェイクを挟み、マジマジと外を眺めている

 

そしてきそは…

 

「うはは‼︎この辺コンビニばっかだね‼︎」

 

「レイ‼︎市役所があるよ‼︎爆破したいね‼︎」

 

「エロ本屋あるよ‼︎行かなくていいの⁇」

 

きそは終始うるさかった

 

「二人は何処にいるって⁇」

 

「ん〜とね…次の信号左〜」

 

「ん」

 

「おぉ〜凄い本屋ですねぇ〜」

 

バックミラーを見ると、はっちゃんの目が輝いている

 

はっちゃんの目線の先には巨大な本屋がある

 

「帰りに寄るか⁇」

 

「いえ。今日は任務ですので…」

 

「二人が何してるか分かりゃあそれで任務は終いだ。俺も読みたい本があるから寄ろう」

 

「エロ本⁉︎」

 

「エロ本ね」

 

「違う‼︎お前らは俺が本を読むと言えば何でエロ本なんだ‼︎」

 

「じゃあ春画⁇」

 

「ふふ…官能小説かしら⁇」

 

「もういいやエロ本で…着いたぞ」

 

駐車場に車を停め、全員降りる

 

「なんだここ…」

 

「あっ‼︎」

 

きそが何かに気付いた

 

「何か知ってるのか⁇」

 

「ここ、橘花マンの製作会社だよ‼︎」

 

「へぇ〜…き、橘花マンのか⁉︎」

 

橘花マンはアニメ版と特撮版がある

 

どちらも子供向けだが、アニメ版の方が若干エロい

 

アニメ版はとにかく景雲レディが捕まり、敵陣にあんな事やこんな事をされる

 

限りなくグレーに近いR-15作品と言ったら早いだろうか⁇

 

現にレディのフィギュアが発売されると即完売になる

 

「とにかく行ってみようよ‼︎」

 

きそに手を引かれ、その製作会社に入る

 

そして壁にブチ当たる


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