艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

473 / 1086
題名は変わりますが、前回の続きです

泣き虫ガングートと仲が良いのは誰かな⁇


149話 人のイチゴパフェ

「あっ‼︎照さんだ‼︎」

 

「おいひ〜‼︎」

 

照月の前には巨大なイチゴパフェが置かれている

 

「イディオット、あれはなんだ⁉︎」

 

「イチゴパフェだ。ガングートも食べ…」

 

「ガン子にもちょっとくれないか⁇」

 

「「「あっ‼︎」」」

 

時すでに遅し

 

ガングートは照月の横に行き、一番せびってイケない相手にイチゴパフェをせびった

 

「ダメだよ‼︎これは照月のイチゴパフェさんなんだよ‼︎」

 

「それだけあれば少し位良いだろう‼︎」

 

「ダメったらダメ‼︎」

 

「まっ、まぁまぁ…照さん、一口だけあげたらどうさ⁇」

 

「むぅ…」

 

朝霜に言われ、照月は嫌々ガングートの口にチョビ〜〜〜ッとだけイチゴパフェをすくったスプーンを持って行く

 

ガングートはそれをパクッと咥えた

 

「人から取ったイチゴパフェは美味しい⁇」

 

「う、うん…」

 

照月は珍しく口を真一文字に締めている

 

「照月知ってるよ。人から取ったものは何でも美味しいんだよ」

 

「うっ…」

 

ガングートは罪悪感に苛まれたのか、ちょっと泣きそうになっている

 

「チョビッと貰っただけじゃないかぁ…」

 

「照月、チョビッとあげるも嫌なんだよ」

 

「ううっ…」

 

「照月、乞食する子は嫌いだよ」

 

「うっ…うぇ〜〜〜ん‼︎」

 

ガングートは泣き始めてしまった

 

「泣いたってあげないよ」

 

「イディオットぉ〜…」

 

ガングートは泣きながら俺にしがみ付いた

 

「イチゴパフェ食べるか⁇」

 

「…いらにゃい」

 

スンスン言いながら、ガングートは俺を見上げる

 

「粛清って言わないだけ偉いじゃないか」

 

「…ホント⁇」

 

「ホントだ」

 

「ガン子ちゃん、き〜ちゃんとケーキ食べよ‼︎」

 

「…うんっ‼︎」

 

清霜はガングートの手を引き、間宮にケーキを注文した

 

「あっ‼︎お兄ちゃん‼︎」

 

「美味しいか⁇」

 

「うんっ‼︎」

 

照月の食事は邪魔しない事だな…

 

幸せそうにイチゴパフェを食べる照月の頭を撫で、そう心に誓った…

 

 

 

 

「ガン子ちゃん、それなぁに⁇」

 

「これはシベリア。ちょっと食べるか⁇」

 

「うんっ‼︎き〜ちゃんのもあげる‼︎」

 

ガングートと清霜を見ていると微笑ましい

 

隊長も朝霜も磯風もニコニコしている

 

朝霜と磯風に聞くと、最近のガングートは粛清と言わなくなり、言うと清霜が止めているらしい

 

もしかするとガングートは、清霜にとったら妹の様な存在なのかもしれない…

 

 

 

 

間宮を出た後、四人を執務室に連れて来た

 

「イディオット。また来てくれるか⁇」

 

「また来るよ。お前も娘みたいなモンだからなっ」

 

「ふふ…そっか…」

 

ガングートの頭を帽子越しに撫でると、照れ臭そうにしていた

 

「間宮食べたの、お母さんには内緒な⁇」

 

「大丈夫‼︎お母様、いつもここでシュークリーム食べてるから、間宮ダメって言われたらき〜ちゃん言い返す‼︎」

 

「んっ‼︎宜しい‼︎是非言ってやれ‼︎」

 

四人に別れを告げ、忘れない内におんどりゃあに来た

 

「広島焼き、持ち帰りで8個」

 

「お土産にするん⁇ちょっち待ってぇな〜⁇」

 

しばらくすると浦風から広島焼きのパックを入れた袋を貰い、代金を払って、横須賀を出た

 

 

 

 

基地に帰って来てすぐ、グラーフが来た

 

「おかえり。広島焼きは」

 

「ほらよ」

 

「んっ。すまんな。お金」

 

グラーフから広島焼きの代金”10円”を受け取る

 

「文句あるか」

 

「ある‼︎メッチャある‼︎」

 

「仕方無い。コレもやる」

 

グラーフから”10円ガム”三つと、手元でコナコナになった”きな粉棒”を二本貰う

 

「満足か」

 

「…まぁいい」

 

「うそうそ。はいっ」

 

グラーフからちゃんとした代金を受け取る

 

グラーフはたまに素でこう言った事をするから怖い

 

「あ、そうそう。たいほうといよとひとみの服作った。見たげて」

 

「ありがとうな」

 

「オトンの為に作った違う」

 

「ぐっ…」

 

グラーフにはもっと感謝しないとな…

 

食堂に戻ると、たいほうといよとひとみが新しい服を着ていた

 

「えいしゃんみて‼︎」

 

「ぐらーふつくってくえた‼︎」

 

「たいほうも‼︎」

 

三人お揃いの、収納の多いオーバーオールだ

 

特にたいほうが似合っている

 

「グラーフにありがとう言ったか⁇」

 

「「「ぐらーふありがとう‼︎」」」

 

「んふ〜」

 

三人に感謝され、グラーフは満足気だった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の晩、横須賀基地の寝室…

 

清霜とガングートは一緒の布団で横になっていた

 

「き〜ちゃんはつおいな…ガン子もつおくなりたい」

 

「き〜ちゃんはガン子ちゃんになりたいなぁ…」

 

「どうしてだ⁇」

 

「き〜ちゃん、戦艦になりたいの。そうしたら、お母様もお父様も、み〜んな、き〜ちゃんが守ってあげられるの…」

 

「き〜ちゃんは立派な考えを持っているな…ガン子も見習わなければならないな…」

 

「明日もいっぱい遊ぼうね⁇」

 

「あぁっ‼︎」

 

清霜とガングートは眠りについた…




択捉…干支露怖

新しく出来たスカジャン&革ジャン専門店”ムッシュ・海防”の三人いるペド店員の一人

店の商品を説明してくれるが、説明した後すぐに客から離れたりと、客が買いやすい環境を作ってくれる

赤い髪の毛をしており、中々愛くるしい





国後…苦無死利

”ムッシュ・海防”の三人いるペド店員の一人

外で呼び込みをしている事が多く、中々客寄せが上手い

髪の毛がピンク色と茶色で、作者が一瞬”美味しそう”と感じた子




占守…死無呪

”ムッシュ・海防”の三人いるペド店員の一人であり、店長のムッシュ・シムシュ

男ではないが、あだ名は”ムッシュ”

作者の好きなス○イダースの一人ではない

店内で売っている商品は、全部ムッシュの手作り

当て字が好きで、スカジャンを購入した際に、ちゃんとした名前を縫うか、当て字の名前を縫うかのサービスが受けられる

革ジャンの場合は、ワッペンが付いてくる

笑い方と語尾が特徴的

因みに語尾の”呪”は”しゅ”と読もう

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。