艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

458 / 1086
さて、143話が終わりました

今回のお話は、久々の照月のお話です

ガンビアを護る為、照月が奮闘します


144話 発動‼︎照月ック‼︎(1)

「おいひ〜〜〜‼︎」

 

この日も照月はいつもの様にガンビアに侵入。いつもの場所で食料を食べ始めていた

 

「注水急げ‼︎」

 

「転覆するぞ‼︎」

 

ガンビアの中では、照月対策の為、機関部員達がダメコンを急ぐ

 

左に傾いたと思えば右に傾き

 

右に傾いたと思えば沈みかけ

 

照月がガンビアに乗ると、機関部はパニックを起こす

 

ガンビアの機関部員は極めて優秀な者が揃っており、ガンビアを降りたとしても、その経験からどの船からも引っ張りだこになるのが最近の現状だ

 

ようやく船体が前を向き、キチンと進み始めた

 

ヘロヘロになった機関部員は、束の間の休息を取る

 

その頃、操舵室では…

 

「艦長、あれは⁇」

 

ガンビアの前方に不審船が見えた

 

「この時間に、この海域を航行する船舶の連絡はないな…」

 

「どうしますか⁇」

 

「警告をしてくれ。相手の出方を見よう」

 

ガンビアの艦長は二人共平和主義だ

 

ガンビアの艦長は交代制で、何方の艦長も船員に優しく、そして照月にも優しい

 

「此方ガンビア・ベイⅡ。前方の艦、所属を述べよ」

 

ガンビアの船員は普通に言ったつもりだった

 

だが、向こうは気に入らなかった様で、此方に向けて何かを放って来た

 

「所属不明艦からトマホーク三発発射確認‼︎」

 

「ファランクス撃ち方始め‼︎」

 

ガンビアの各所に装備されたファランクスが唸る

 

一発撃ち落とし、次いで二発目のトマホークも撃ち落とす

 

だが、最後のトマホークだけファランクスの弾をヒラリヒラリと避け、甲板直上に狙いを定めていた

 

「防御体勢を取れ‼︎着弾するぞ‼︎」

 

全員が着弾するトマホークに防御体勢を取る中、トマホークが上空で破壊された

 

「何だ…何が起こった⁉︎」

 

《あれ、危ないやつだよね⁇》

 

「照月ちゃん⁉︎」

 

甲板でピョンピョン跳ねながら此方に手を振る照月が見えた

 

照月がピョンピョン跳ぶ度に、ガンビアの船内は小さな地震が起きた様に軽く揺れる

 

「照月ちゃん‼︎ありがとう‼︎助かったよ‼︎」

 

《ガンビアさん。あの船が攻撃したんだよね⁇》

 

「そうだ。これから拿捕に向かう。照月ちゃんは中で…」

 

《照月が捕まえて来てあげる‼︎ぴょん‼︎》

 

照月が甲板から飛び降りた‼︎

 

「照月ちゃん‼︎」

 

《照月のごはん邪魔する人は許さないよ‼︎》

 

照月は猛スピードで不審船の所に向かう

 

「照月ちゃんの援護に向かう‼︎機関、全速前進‼︎」

 

船体が軽くなったガンビアは、いつも以上に速力が出る

 

「トマホーク第二波‼︎二発です‼︎」

 

《照月に任せて‼︎》

 

照月は猛スピードのまま、長☆10cm砲ちゃんに二発の弾を入れ、放った

 

放たれた銃弾はトマホークの手前で炸裂、二発共砕け散った

 

「トマホーク破壊‼︎」

 

「たった二発で…」

 

《さぁ行くよ‼︎》

 

掛け声と共に、照月の口元にマスクが展開される

 

照月は口を開ける癖があるので、戦闘中異物が口に入らない様にきそとレイが照月の好きなアニメをモデルに造ったものだ

 

このマスクの中からは、身体の何処かに怪我をすると経口摂取可能の高速修復剤が散布され、一瞬で傷口を塞いでくれる

 

元から頑丈過ぎる照月には必要は無いとは思うが、万が一に備えての装備だ

 

《長☆10cm砲ちゃん、リリース‼︎》

 

照月のもとから二人の長☆10cw砲ちゃんが離れる

 

《ダイナミック‼︎》

 

照月は猛スピードのまま、不審船の手前で大の字になり、飛び掛かった

 

ついでに長☆10cm砲ちゃんもそのまま飛び掛かる

 

不審船の側面装甲は照月の形に穴が開き、その左右にポーズを取った長☆10cm砲ちゃんの形の穴が二つ開いた

 

「なんと大胆な…」

 

ガンビアの艦長の目は点になっていた


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。