艦隊これくしょん~“楽園”と呼ばれた基地~   作:苺乙女

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さて、13話がおわりました

チェルシーとスペンサーが仲間に加わり、基地にも活気が溢れて来ました

今回のお話は、横須賀君の鎮守府で開催された、パーティーとお祭りのお話です

どこかに見た事がある艦娘がいるかも知れません

是非探してみて下さい


14話 孔雀の誘い(1)

チェルシーが基地に来てから、数週間後…

 

椅子の上で煙草を吹かしながら、横須賀君と二人を眺めていた

 

「相変わらず…ですね」

 

「まぁな…」

 

たいほうが座っているのは、一人の女性の膝の上

 

「お前の言った事は本当だったな」

 

 

 

数週間前…

 

「ヤ、ヤダヤダ‼︎チェルシーコレデイク‼︎」

 

武蔵の目の前で、何やらチェルシーが拗ねている

 

「駄目だ。ちゃんとしないと提督に食べられるぞ‼︎」

 

「オ、オドリグイ…⁇チェルシータベラレル⁇」

 

「そうだ。頭からガブリだ」

 

「ガブリハイヤダ‼︎」

 

「ならちゃんと着ろ」

 

「ン…」

 

武蔵の前で、チェルシーがどんどん着替えて行く

 

当の武蔵は既に着替え終わっている

 

「ほら、出来たぞ」

 

鏡の中に、桃色の浴衣を着たチェルシーが映し出される

 

それを見て彼女は、クルリと一回転した

 

「コレ…」

 

「浴衣だ。ほら、たいほうもはまかぜも着ている」

 

たいほうは紫色

 

はまかぜは紺色

 

武蔵は黒色の浴衣に、それぞれ着替えていた

 

「チェルシーハ、ピンクイロ」

 

「どうだ⁇可愛いだろう⁇」

 

「ウン。チェルシー、ピンクスキ」

 

「よし、行こうか」

 

 

 

 

 

「夏祭りとは、これまた大掛かりな…」

 

みんなが着付けをしている最中、私は横須賀君と二人で、彼の提督室で煙草を吹かしていた

 

「戦争は、好戦派の軍人に任せて今日は楽しんで下さい」

 

「しかし…」

 

「チェルシーの心配ですか⁇」

 

「あぁ…」

 

悩んでいる私の顔を見て、横須賀君は鼻で笑った

 

「彼女に手を出したスケベな連中は、後日私が更迭します」

 

私も鼻で笑い返した

 

「それを聞いて安心した」

 

そんな話をしていると、扉を叩く音がした

 

「開いてますよ」

 

「こんにちは‼︎」

 

現れたのは単冠湾君だった

 

「聞きましたよ、大佐‼︎ブラックバードを鹵獲したそうで‼︎」

 

「今度見に来い。色々整備してやってくれ」

 

「はい、大佐‼︎」

 

話の切れ目に横須賀君が手を叩いた

 

「はい、仕事の話はおしまいにして、行きますよ‼︎」

 

「おぅ‼︎」

 

「はいっ‼︎」

 

外に出ると、既に人だかりが出来ていた

 

提督

 

艦娘

 

提督

 

提督

 

艦娘

 

艦娘

 

艦娘

 

…目が回る

 

「ラストはBBQです」

 

「大佐、射的しましょう‼︎」

 

「待て待て」

 

俺と単冠湾君が人混みに消えていった後、それを見た横須賀君は真剣な顔をしていた

 

「大佐…あの娘ですよ。サンダーバード隊の、最後の隊員は…」

 

 

 

「うはは‼︎いっぱい取れましたね‼︎」

 

単冠湾君の腕には、大量のお菓子でいっぱいになっている

 

先程、射的で山ほど取り、それを全部彼にあげたからだ

 

「あいつ、ほとんど持っていったぞ‼︎」

 

二人が去った後の射的の出店で、眼帯をした巨乳の女の子が文句をたれていた

 

「まぁまぁ天龍ちゃん。出し巻き卵、食べりゅ⁇」

 

「ん…いただきます」

 

天龍と呼ばれた女の子の口に、出し巻き卵が放り込まれた

 

「んっ。相変わらず美味いな」

 

「えへへ、ありがとう」

 

「”あいつ”は、今日はいるのか⁇」

 

「うんっ。確か、ビール売ってたハズだよ⁇」

 

「そっか…」

 

 

 

 

 

「ヘーイ、テイトクゥ‼︎」

 

「あ‼︎金剛‼︎榛名‼︎こっちこっち‼︎」

 

向こうから走って来る艦娘を、私は何処かで見た記憶がある…

 

「お菓子がいっぱいです‼︎」

 

「帰りの船に乗せておくデース‼︎」

 

「むむむ…」

 

「どうしました、大佐⁇」

 

「どうしたデスか⁇」

 

「君を見た覚えがあるんだが…一体何処で見たか…ん〜…」

 

「金剛お姉様」

 

「なんデス、榛名⁇」

 

「きっと、金剛お姉様の”ぷろもぉしょんびでお”を見たかと」

 

「あ‼︎それだ‼︎」

 

「私の活躍見てくれたの⁉︎」

 

「見た‼︎会って欲しい奴がいるんだ‼︎会ってやってくれないか⁉︎」

 

「私のファンデスね‼︎行きマショウ‼︎榛名‼︎お菓子をお願いしマース‼︎」

 

「すまん‼︎ちょっと借りるぞ‼︎こっちだ‼︎」

 

私達は、とある艦娘のいる場所を目指した

 

「ぬふふ…ショタのテイトクもいいデスが、若年寄のテイトクもイイ感じデスね」

 

「ちっさい男の子が好きなのか⁇」

 

「ショタはいいデス‼︎ちっちゃいは正義デース‼︎」

 

「今から会う子は、ショタじゃないが、まだ小さいんだ」

 

「ロリも最高デース‼︎」

 

「あ‼︎武蔵‼︎」

 

「浮気か」

 

武蔵に蔑んだ目で見られる…

 

視線が痛い…


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